写真は地海老根と黄海老根。
写真奥側は地エビネ(藪エビネ、とも言います。要するに自生地のままの状態で、品種改良もなされていない、ふつうのエビネですね)、手前の薄黄色の群は薩摩黄エビネです。
地エビネは、知り合いから一本いただいたのが始まりです。
薩摩黄エビネはずいぶん以前に霧島温泉に遊んだ時に購入したもの。
池の辺に植えた地エビネと黄エビネは、競うように数を増やしてきました。
彼らの終の棲家は、我が狭隘な庭の中でも、生存競争の激戦地なのです。
50㎝四方の池の中にはスイレンが沈んでいますし、隙を狙ってオモダカが頭角を現します。
去年などは、孫の衆が夏祭りの屋台で金魚を貰いこれを放流、おまけに付けてくれたホテイソウが増え、池先住のメダカ諸氏の驚きはいかばかりであったか。
さえ、池を出ますとホトトギス草群落、ホトトギス草と押し合ってシュウカイドウ、ドクダミ、シラネアオイ、ユキノシタ諸公が声高らかに領土の宣言。
これらの諸公は丈夫ですな。
放置しておいてもどんどん増えますぜ。
混植の方々に理の曲直を説いても、どなたも聞き分けようとはなさらない。
この様子を見ていてネコジャラシのアホウがへらへら笑って居るのです。
かような煩雑地に根を張るわけですから、エビネはエライ!
写真最奥のゴチャゴチャした葉はホトトギス草。
右手前はクリスマスローズ、白花が二三輪見えるでありましょう。
「風流も度の過ぎたるは無風流」
「ホトトギス主が茂るとホットケン」
「ドクダミを薬にも茶にもする気なし」
「ネコジャラシお前がいるとジャマになる」
「シラネアオイ主が風流とシラネエホイ」
駄句5句と愚歌1首。
黄海老根は薩摩の記憶懐かしむ
薮海老根藪に似合はぬ気品あり
行く春を海老根の花は見送りぬ
池の辺の海老根は立ちて目高見る
地海老根は秋海棠に先駆けて
黄海老根は霧島岳を懐かしみ湯けむりの郷生まれしと言ふ