![大手毱](https://stat.ameba.jp/user_images/20150425/16/kamone-minasan666/b1/4d/j/t02200156_0800056613286592113.jpg?caw=800)
![小手毬](https://stat.ameba.jp/user_images/20150425/16/kamone-minasan666/5d/ed/j/t02200236_0800085813286590020.jpg?caw=800)
写真は小手毬(こでまり)と大手毬。
写真の株立ちの木はコデマリ。
二つの花が寄り沿うのはオオデマリ。
コデマリとオオデマリ、この二つの花は形態も咲く時期も大変よく似ています。
けれど、似ているからとて、彼らは兄弟でも親族でもない、赤の他人なのですな。
コデマリ=バラ科シモツケ属。別名スズカケ。
オオデマリ=スイカズラ科ガマズミ属。別名テマリバナ。
どちらも「マリ」が付くのですが、コデマリは小花が皿状に群がり、これでは「山寺の和尚さん」でも我が家の孫の「ミイちゃん」でも手毬遊びは難しい。
「山寺の和尚さん」は、
「山川草木有仏性と申すであろう、生き物の命は大切にせんとアカン」などと説きながら、猫を紙袋に押し込み、ポンと蹴り、ニャンと鳴かせて喜ばれるのですから、コデマリで手毬遊びはなさらないでありましょう。
いきなり、ポンと蹴ってもニャンとも鳴かない。
ゆえにコデマリの花など引き毟って、怒り狂われる恐れがあります。
「孫のミイちゃん」は、歌が好き。
コデマリの花を翳しにさして、
「♪うさぎ うさぎ なに見てはねる 十五夜お月さん見てはねる」
と、お遊戯をなされど、コデマリもこの扱いに、はや飛花落花。
写真でお分かりのように、オオデマリは柔らかく膨らんで、手毬遊びに使うのなら、こちらですね。
「小手毬、小手毬の花」は春の季語。
「大手毬」は歳時記に記載がありません。しかし、別名に変えて「手毬花」なら夏の季語。
花咲く時期や形態が似ても、赤の他人なのですな。
愚老も、吉永小百合嬢と生まれた時期や、二本足歩行の形態は似れども、赤の他人。
駄句8句と愚歌2首。
大手毬手毬花なら俳材に
大手毬手鞠の花のそちこちに
手毬花紅引く花の艶やかに
小手毬の梢隠すか群がりて
小手毬は牡丹に負けぬ強さかな
小手毬の花の確かさ細部まで
小手毬のきりりと咲くや意気たかく
小手毬と八重の牡丹の釣り合ひぬ
小手毬の清しき花に足止めぬ青空に負けず行儀よく咲く
大手毬紅引く花を秘めやかに小花ごとにぞ咲き居たるかな