写真は牡丹(品種名島錦)。
写真の牡丹は毎年狂ったように開花します。
古代に中国から漢方薬の素材として、ボタン、シャクヤクは渡来したのでありましょう。
山野に自生種のボタン、シャクヤクはないはずです。
長い間に品種改良が加えられて、今日目にする、豊かなで派手やかな花が作られてきました。
「ワビ」「サビ」を美意識の中心に据えがちな日本の、花卉園芸の中では規格外の大輪の堂々とした美しさであると思うのです。
ここまで派手で、大輪の花に「何か問題でも?」と正面から問われれば、
恐れ入るしかないでありましょう。
我が庭では、大輪華麗なボタンの花陰に、薄紫の儚げに咲くサクラソウを置いています。
この対比の面白さは愉快ですよ。
昔から「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」と美の例えに用いましたね。
今は「立てばパチンコ 座れば麻雀 歩く姿はガスタンク」などと怪しからぬ例えに用いる人もあり。
駄句5句と愚歌1首。
緋牡丹と紅蓮の牡丹と炎なす
八重に咲く炎の牡丹憤怒なり
八重牡丹紅蓮に燃ゆる命花
八重牡丹足下に淡き菫かな
緋牡丹を皁莢(さいかち)の芽の怒るなり
(文字化けは「白」の下に「十」)
燃ゆる緋の牡丹は優しさ裡に秘め三つ咲き四つ咲き見て飽きぬなり