写真は沈丁花。中国名は瑞香。
「春は沈丁花に乗ってやってきて、リラを追って去っていく」
なあんて言葉はありませんぞ。
沈丁花とリラ(ライラック、ムラサキハシドイとも)は我が家の春の二大香木であります。
クチナシも香木としては、強い香を放つものですが、こちらは初夏の花。
クチナシと聞くだけで汗ばむ思いがするのは不思議です。
クチナシの花後にできる実は割れないので、口無しだと。
さて、沈丁花とリラについて。
沈丁花の名は風雅な趣があります。
おそらく古来の香木「沈香」の香に似て、フトモモ科の丁字花の形そっくりだから「沈丁花」なったのでありましょう。
「沈香も焚かず、屁もひらず」
なあんての、「特別に優れた才能を持つわけではないが、存在が劣悪でもない」ことの喩えでしょう。
Lilacの英語読みはライラック。フランス語読みはリラ。
日本語では紫丁香花(むらさきはしどい)
ライラックと言うより、リラのほうがどこか上品な感じを受けます。
リラの花を片手に、口の中で「ジュブジュブ…」とつぶやけば、フランス帰りの人に見えてしまう。
名前とは不思議なものですね。
ただ今9:30 。
これから「農業団地」の桜並木を鑑賞に出向きます。
駄句5句と愚歌1首。
沈丁花溢るる香り掬ふなり
沈丁花愛する人の雅やか
沈丁花我が家の花は香りよし
沈丁花香り優なり宵闇に
宵闇に香り尋ねて沈丁花
沈丁花 宵闇に咲き 懐かしき 香り溢れ さし招くごと