冬の陽に乳(ち)含ませたる道の神 | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。



写真は道の神。

写真の石像は道祖神なるや、部落の神なるやを知らず。
道標を兼ねているので、母子の道の神である、と思っているのです。
石像背面には江戸中期の年号が彫られています。
母道の神の優しさはどうだろう。

嬰児(みどりご)をそっと抱き、乳を与えている。
この母の面の穏やかさは如何なる彫刻や絵画をも凌ぐ、と思うのです。
我が子を見下ろす顔には、一点の曇りもない。

ところで、我が孫の衆の総領ケタ君は、昨日2校目の私立高校受験でありました。

悠々と食事を済ませ、受験校に赴いたということでした。
外見上は緊張もなく、平常心で試験に臨んだそうで、送り出す両親こそあれこれ心を砕いたのでありましょう。
試験後は、母の問いかけには例の通り「ああ」と「うん」、阿吽(あうん)の対応であったそうな。

でもね、ケタ君も偉いけれど、送り出す母女はもっとエライ!
我が子を信じているのだから。
我が子を見守る母の強さを教えられました。

さて拙老は、かような日には、陶淵明の詩を思い出そうと懸命でありました。
「責子(こをせむ)」
年は取りたくないもの、思いだしたのは書き出しの1行のみ。
まあ、「天運斯くのごとくんば」盃のものをほそう。

駄句5句と愚歌1首。



冬の陽に乳(ち)含ませたる道の神
冬の陽や母子(ぼし)を優しく包むなり
冬の陽と母神の笑顔暖かく
冬の陽や母子の霜を溶かしたり
冬の陽は榎の枯れたる通し来る

いつよりか母なる神は道に居て抱く嬰児(みどりご)すこやか祈る