移住に当たり、検討しておきたいのが移住後の住まいの在り方です。具体的には戸建てを購入するか、賃貸に住むかという点です。ほかに戸建でも賃貸でもなく、マンションを購入するという手もありますが、妻がマンション暮らしは嫌だと言うのでここでは割愛します。
それでは早速賃貸と戸建との比較をしていきます。
ここで想定する条件としては、60歳から85歳までの25年間、鴨川市内で戸建は築25年程度・1,000万以下現金一括購入、賃貸は2LDK程度で月7万円とします。
1.賃貸の場合
7万円×12カ月×25年=2,100万円
※数年に一度契約更新手数料がかかる場合があるがその分は考慮せず。
2.戸建の場合
購入費 10,000,000円
固定資産税 70,000円×25年=1,750,000円
火災・地震保険 60,000円×25年=1,500,000円
修繕費 2,000,000円
合計 1,525万円
上はあくまで簡易的な比較となりますが、戸建ての方が575万円も少ない計算になります。
実際には、私たち夫婦の場合、2LDKでは手狭であると思われるため恐らく3LDKはほしくなります(LDK、寝室、寝室、その他)。その場合はさらに家賃は高くなると思われます。一方で戸建の場合も修繕料を200万円見込んでありますが、これも家の状態やその後のメンテナンス等によって大きく変わります。そのため戸建を購入する際には修繕費などが極力かからないよう、主要な構造に係る部分については妥協せずにしっかりしたものを選ぶ必要があるでしょう。また、戸建の場合、不要になった際に売却したり、子どもたちに譲ることも可能であり、資産としての価値を有する点にも考慮が必要です。
次にそれぞれのメリット・デメリットについても考えてみます。
<メリット>
1.賃貸の場合
・借り替えができる(駅近などより便利な物件や、より安い物件があったり、他の地域に住みたくなった場合でも住み替え可能)
・修繕費がかからない(不意の出費がないため生計を立てやすい)
・一度にまとまったお金を払う必要がない
・駅近など、立地条件がいい場合が多い
2.戸建の場合
・好きなようにリフォーム等できる
・不要になったら売却しまとまった資金を得ることができる(又は子供に譲ることができる)
・やはり自分の持ち家は満足度・幸福感が高い
<デメリット>
1.賃貸の場合
・生涯支払う賃料が高額
・自由にリフォーム等できない
・高齢者は借りれない場合がある
・隣や上下階の方とのトラブル
・ペット可の物件が少ない
・音など隣人への配慮が必要(特に犬を飼っている場合)
2.戸建の場合
・経年劣化、災害、シロアリなどにより想定外の修繕費がかかることがある(保険である程度カバーすることができる)
・維持管理が大変(草刈、家の保全等)※家の状態、庭の広さ等による
・固定資産税がかかる(築25年以上の古い物件ならそれほど高額ではない)
・火災保険等が必要(これもそれほど高額ではない)
・駅近など便利な場所の物件が高額であることが多い(従ってやや不便な立地で妥協が必要となる場合が多い)
いかがでしょうか。
単純な25年間のコスト比較ではその差575万円と戸建に若干分がある上に、さらに不要になれば売却することも可能です。災害や家の劣化など不確実な部分もあるとは言え、戸建の方がコスト的メリットはやや高いと言えそうです。
コスト以外の面でも、自由度や満足度、幸福感が得られるのは戸建ての方でしょう。反面一度購入したらそうそう別の場所に引っ越すことはできないので、所在地については失敗がないよう事前によく検討しなければなりません。
特に私の場合、今の生活に仕事の面でもそれ以外の面でも窮屈さ、不自由さを強く感じており、自由にのびのびと暮らしたいという気持ちが非常に強いです。その点も考慮に入れると、総合的には戸建の方がメリットが高いと言えます。
上記より、私としては移住のスタート時においては戸建がいいなあと思っています。万一歳を取り戸建に住み続けることが困難になった場合は、売却または子に譲るなどした上で賃貸への住み替えも検討したいと思っています。