こんにちは、kammyです!
中国・中国人の面白いところを紹介するブログです。
宴会の席などでよく遭遇する日中の違いとして割と有名なのは、箸の置き方ではないでしょうか。
日本では箸を横向きに置く一方で、中国では箸を縦向きに置きます。
実質的になにか違いが出るわけではないので、どうでもいい違いといえばそうなのですが、気になりだすと気になります。
先日、読んだ本にはそのひとつの仮説が書かれていたので、簡単に紹介です。
張競さんという方が書いた『中華料理の文化史』というちくま新書の本です。
そこでは箸を縦置きに置く背景として、騎馬民族の習慣が入ってきたためではないかと説明されています。
騎馬民族は、牧畜を主としていたので、肉が主食。
肉を食べるには、鋭利なナイフが便利です。
ただ刃物はうっかりすると怪我をしてしまうので、自然とその先端を奥に向けて置いた。
その習慣が箸にも伝染して、中国では箸を縦に置くようになったのではないか、ということです。
ナイフを縦に置いたほうがもろもろ都合がよいのは、西洋料理がカトラリーを縦に置くのを見ても道理がありそうなところ。
具体的には、五代十国時代(907年〜960年)に、騎馬民族が中原に入ってきたときに、この牧畜・肉食文化にともなう箸縦置きが主流になったのではないかとしています。
この五代十国時代は、その名のとおり、5つの王朝と10の地方政権が乱立したまさに乱世。
庶民の生活にどんな影響が及んだのかは想像がつきませんが、さまざまな文化や習慣もまさに混乱の時期にあったのでしょう。
箸もその影響を受けて、横向きから縦向きに変化していったのかもしれません。
ちなみに、ネットで検索してもどれも上記と同じような説明でした。
ただどの説明も出典を明らかにしておらず、本書を参考にしたのか何なのかは分かりませんでしたが…。
では、なぜ日本は箸を横向きに置いたままで、西洋文化が入ってきた後も、横に置き続けるのか?
これについては、「神聖な食事とのあいだを明示する結界の役割をお箸が果たしている」という説明がネット上では目に付きました。
私が見たどの記事も学術的な説得力はありませんでしたが、まぁそんなものなのかなという感じでしょうか。
ちなみに上で紹介した『中華料理の文化史』は、友人と2人でやっているYouTubeで取り上げたことがあります。
睡眠導入剤としてどうぞ♪
なお、同じ内容のものをポッドキャストでも配信しています。
「カミーとチーフの雑談・現代中国」
余談:
箸といえば、そもそもなぜ箸という一見不便な道具を使うようになったのか?
かなり以前、疑問に思って調べたことがあったことを思い出しました。
超ざっくりいえば、スープなどの熱いものの具を食べるのに便利だったから、という感じだったと思います。
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