2019年9月29日(日)

34年目の御巣鷹の尾根

 

再三ブログに記載しておりますように、

本年、御巣鷹の尾根に赴いておりませんでしたので、訪問。

本来なら沖縄便飛行機に搭乗している日ですが、

沖縄への台風襲来うずまきの為、沖縄行をキャンセルして、御巣鷹の尾根へ。

なにかの縁なのかもしれませんねぇ。呼ばれたか・・・

 

尚、御巣鷹の尾根の地図などは

昨年UPしておりますブログに掲載しているので、ご参照下さいませ。

出足車が遅れ、到着が12:00頃となりました。

あら、登山届BOXが出来たひらめき電球

 

三国山、高天原山、大蛇倉山方面に登られる方は

登山届が必要なんですって。

だけどまぁ、ココから山登りってのも・・・

 

さてさて、本年のカウンターですが・・・

 

8月12日以降ですので、4桁ですなぁ、

しかも2,000を超えておりますし・・・

と、毎年のように書いているのですが、

年間2万人程度の方が訪尾根されているとのことですので、

カウンターが何周しているのか分からないのです。

 

歩き始めた所・・・本年はお線香のみ片手に・・・

9月に訪れるのは初めてであります。

6月、7月に訪れる頃は樹々が新緑に輝いているのですが、

9月も後半になりますと、落葉が進んでいる状況

 

最初の”熊よけ鐘”の所ですが、

山に向かって、踏み跡が見えるでしょ!?

写真ですと写真中央から真っすぐ上にトレースがありますが、

U字溝に行くのはココから入って行きますので注意

 

これだけ、トレースがハッキリするほど、U字溝に行かれている方が多く、

ヤマレコなどに掲載されている方もいらっしゃいますので、

U字溝 御巣鷹の尾根”等で検索をし、お出掛け下さいませ。

 

U字溝は容易に行かれるのですが、

一本唐松はねぇ~うーん

 

毎年、U字溝について記載をしておりますが、

なんですのんうーんという方は、そのうち登場します。

 

昇魂之碑まで上がっていきますよぉ

 

年々進化する御巣鷹の尾根

他の主だった遭難場所には行ったことがありませんが、

年々歩道が整備され、歩きやすくなっており、

風化とは逆行しているのかも

 

そういえば、駐車場に管理人の黒沢さんの軽トラックがありませんでしたねぇ。

いつもいらっしゃるのに、体調でも崩されたのかしら・・・

 

上野村中心街より、

幾重ものトンネルを越え、

細い山道車に入りますが、

 

落石防止ネット、落石防止壁等、

年々落石に対する対策をされている道でありますが、

いつもながら、落石がゴロゴロと散乱しております。

走行時の陽の当たり具合だったり、陰ったり、路面反射していたりすると、

落石が見えずらかったりするんですよねぇ。

この時期ですと、落ち葉と区別がつかないこともありますし・・・

 

それでも、黒沢さんを始めとする上野村の方々が、

落石を除去して下さってはいるのでしょうが、

落石を避けながらの運転車となります。

ボーっと走行しますと、なにかにぶつかります注意

 

御巣鷹の尾根駐車場までの道は

燕岳登山口(中房温泉)、常念岳登山口の一の沢までの道と

同じだろーくらいの感覚でいると、

とんでもはっぷん、歩いて58歩になりますよん注意

 

今年感じた大きな変化は、川の対岸の樹木が倒木していたこと。

昨年の台風による影響のようです。

 

進みます

 

階段の左端に、輪切りの丸太が置かれましたねぇ。

それを利用して上ると、1段毎の段差が少なくて済むかも。

 

山小屋が見えてまいりました。

 

昨年までは左手に伸びる階段しかありませんでしたが、

階段奥にはゆるやかなスロープも出来ましたし。

もっとも、階段が出来る前は、そのスロープになっている所が

本道だった記憶もありますねぇ。

 

階段の所にある”御巣鷹の尾根案内図”

 

先程写真を掲載した階段

階段に丸太を置きましたねぇ。

丸太の上を歩いた方が歩きやすいでしょうか。

 

山小屋とトイレの所。

山小屋は休憩所となっております。

トイレは便器の下のバケツに収容されるようになっております。

使用済みトイレットペーパーはゴミ箱へ。

 

この一帯にトリカブトの花が咲いてました。

初めて9月に来たので、トリカブトの花が咲いているのを初めて目にしました。

 

昇魂之碑までの最後の上り

道に砂利が敷かれているので、雨天時でもドロドロにならないかと。

以前は雨上がり後ですと道がドロドロにぬかるみましたもん。

 

両サイドに手すりが出来たので、

階段が狭く感じますが、滑落の心配がなくなり、

精神的によろしいかも。

 

一昨年の相馬さん転落死亡事象以降、

手すりなどが増えたような感じですねぇ。

 

※相馬裕 日本航空安全推進本部ご被災者相談室長遭難当日の

ブログは以下に【31年目の約束の尾根】

https://ameblo.jp/kamizoh/entry-12183966087.html

 

 

昇魂之碑に到着。

ご遺族、航空関係者ばかりでなく、東日本大震災を始めとする自然災害被災者、

公共交通機関従事者が多数訪れ、空の安全、交通安全を祈られております。

しかしながら、言うまでもなく祈るだけでは安全は確保できません。

各々が公共交通機関の安全を維持する為に、絶え間ない日々の精進の上に

安全が確保されていきます。

 

さて、8月12日になりますと、報道各社は、この角度で撮影をするので、

一般の方は周囲、周辺がどのようになっているのか分からないかと思います。

そんなこんなで、本年のブログはいつもより視点を変えた写真を多めに。

 

正面に写っている碑が昇魂之碑

その裏に2リットルのペットボトルが並んでおりますが、

そのペットボトルには水が入っており、

墓標への参拝の折には使用して下さいまし。

これより上には水道はありませんので注意

ライター等はこの周辺の箱に入っております。

 

ちなみに、昇魂之碑はどの方角を向いているのかですが・・・

JAL123便飛行機が飛行してきた・・・

そして最後の2秒となった1本唐松やU字溝方向ではありません。

若干左側を向いております。

 

なので、昇魂之碑の向いている方角がU字溝だよねぇ~

と勘違いをされ、U字溝を探されている方がいらっしゃいますが、

もうちょっと右に45°程度視点を転じて下さいませ。

 

昇魂之碑からのU字溝はこのような感じで見えます。

※1本唐松(カラマツ)は見えません注意

周囲の木が成長した関係で、Uに見えなくなってきましたねぇ。

って、ズームの写真なのでアレなのですが、およそ600m離れておりますので注意

引いた写真を撮り忘れたってことは、お気になさらずパー

 

昇魂之碑から上ってまいりましょう

後ほど、X岩の話題が出ますが、

こちらの碑があるところが墜落地点となります

 

振り返ります・・・

 

ほんのちょっと上がった所に茜観音がございます。

 

その場所から振り返ります・・・

ここからでも、一本唐松(カラマツ)は見えません注意

 

進みます

誰もいない静寂な尾根

6月、7月は昆虫(蝶、蜂や毛虫も)、鳥などが多く飛び交っておりましたが、

この日はそれらの数もすくなく、

スズメバチ、蛇などにも遭遇しませんでした。

 

そんな静寂な尾根は初めてです。

 

10Dより上部には数多の墓標が並びます。

10Dってどこ?

となりますので、先程掲載しました案内図の拡大写真を・・・

 

茜観音より、少し上った所ですねぇ。

その10Dの所には・・

 

いつの間にやら「沈黙の木」というプレートがおーっ!

事故当時、現場の樹木が燃え、それが34年経った今も残っております。

 

上ります

9D手前より9D周辺の写真・・・

ココから右への道を進むと、美谷島さん、大島九(坂本九)さんの

墓標へとつながる道となります。水平移動の道ですので・・・

今回はそちらには向かわずに、来た道をまんま戻りました。

 

 

昨年に比べ、案内表示が新しくなったようですねぇ。

更に分かりやすくなりましたし、

墓標周辺が整備されたようです。

 

御巣鷹の尾根全体図、墓標、墓標の位置などの位置関係、状況につきましては、

今年の日航ジャンボ機(JAL123便)墜落事故関連のテレビを見ておりましたら、

360°カメラによる撮影等を行い、SNSにUPされている方がいらっしゃいました。

 

諸般の事情で御巣鷹の尾根に来られない方でも、

現状が分かるように画像、映像を公開しているそうです。

ですので、墓標の状況等の詳細に関しましては、

それらSNSをご参照下さい。

 

では、今一度、ホー1ってどこかと申しますと

X岩直下になります。

ちなみに、X岩ですが、

岩にX印がされているのは、

そこが墜落地点だと思われている方もおりますが、

現場測量をする際の基準点とする為、

岩にX印をしたものであります。

 

毎年、X岩の写真を撮らないもので、

2015年に撮影をしたX岩の写真を・・・

正面奥に白字で「×」の岩があるかと思いますが、

そちらがX岩です。

 

 

X岩でした。

【30年目の御巣鷹の尾根 約束の場所編】

https://ameblo.jp/kamizoh/entry-12033765198.html

 

 

運航乗務員の供養塔に到着

本年はスズメバチの襲撃に遭わずに平穏に到着にやり

 

上り口にありました登山届が必要な、

三国山、大蛇倉山、高天原山方面への登山口はコチラ・・・

このルートでの山登り・・・人それぞれの感覚、価値観がおありでしょうから、

これ以上は言及しませんが・・・

 

いつもお花が絶えないので・・・

今回はお花は無しでございます。

 

というよりも、今回は東京からでしたので、お花の用意が出来ず・・・というのが正確で。

おらちでしたら、いつでも参拝できるように、

絶えず庭にお花が咲くようにしておりますし・・・

特にお盆花と言われるフロックスは開花期間が長いですしねぇ。

 

それにしても、こちらの線香受けって、

お線香が燃えないで、ほぼほぼ残るんですよねぇ。

ほら、写真でも分かるように、前の方々のお線香がほぼ残っている・・・

 

他の墓標につきましては、

山火事防止の観点から、お線香は消してから帰りましょう・・・

となっておりますが、こちらもそうだったかなぁ~

そうだよねぇ~、山全体でそうしているんだし・・・

昇魂之碑の所は別口のお線香受けですから大丈夫なのかしらん。

 

今度、黒沢さんに確認しよぉ~っと

そうそう、この日、管理人の黒沢完一さんを見掛けなかったであります。

もぅ、76歳でしたっけ!?まだ76歳ですね、あと10年は大丈夫かと・・・

 

運航乗務員の供養塔は

一本唐松、U字溝方面を向いております。

最後の、最期の2秒間の景色です。

 

日本では唯一信州まつもと空港は計器着陸装置(ILS)が設置されていません。

ILSの無い空港への着陸は難しいのは当たり前だのクラッカーとして、

ILSが導入されている空港であっても、そのカテゴリーが高い場合、

着陸決心高が低くなることから、最終的な判断は運航乗務員次第。

航空機がハイテク化されても、最後は運航乗務員の判断、技量による所となります。

 

自動車車は自動運転化へ向けて技術開発が進みますが、

完全自動化はありえず、機械は人の力を補助するにしか過ぎません。

本来、人が主で、自動化(機械/システム)が従であるのに、

あたかも自動化(機械/システム)が主であり続けるような風潮が続きます。

 

航空機飛行機も同様に自動化(機械/システム)は人を補助するにしか過ぎず、

究極的にはその人の知識、経験、技量が劣るならば、

公共交通機関の安全性が失われることにつながります。

 

今後も高濱機長、佐々木副機長、福田航空機関士の

後輩方が空の安全を担う人材となりますことを願ってやみません。

 

 

1段下がった所から、一本唐松、U字溝方面を・・・

上空に航跡があるんですよねぇ。

写真でも飛行機雲が分かるかと思います。

数機の航空機が静かな尾根の上空を

エンジン音を響かせて通過をしていきました。

 

御巣鷹の尾根上空が飛行航路になっているなんて・・・

なんとも言えない気分です

 

1本唐松:右主翼が接触をし、第四エンジンが脱落した地点

U字溝:右主翼が山肌を削り、U字型の溝になった地点

尚、U字溝まで近いように見えるが、昇魂之碑より600m程度離れている

 

今年は綺麗に撮れた、一本唐松とU字溝を・・・

今般、羽田空港新ルート開設に伴い、

都内上空を低空で飛行することによる、

騒音被害、航空機からの落下物リスクなどが懸念事項としてありますが、

利便性を求めることにより、安全性を置き去りにされることが各方面で拡大しているように

感じてなりません。

 

スゲの沢まで下ってまいりまして

写真では分かりずらいかと思いますが、

昨年(平成30年/2018年)の台風24号によりスゲノ沢の斜面が崩落し、

40基以上の墓標が倒れるという被害があったようです。

その墓標を沢の手前(コチラ側)・・・風車の直下に移設をしております。

 

 

 

 

倒木は台風24号の被害によるもの

 

スゲノ沢全体的に整備された感じですね。

 

昨年は認識できませんでしたが、

波多野京子さんの墓標もこちらに。

対馬優美子さん、大野美紀子さん、波多野京子さん・・・

日本航空客室乗務員でございました。

 

 

 

客室乗務員に関しましても、昨年のブログに記載をしておりますので、

興味関心がある方はご参照下さい。【33年目の鎮魂の尾根】

https://ameblo.jp/kamizoh/entry-12391463770.html

 

上野村中心街へ戻ります・・・

 

僕タンは来年42歳になりますし、

黒沢さんに会えなかったのは初めてですし、

もぅ、世代交代なのかもしれませんね。

最後の御巣鷹の尾根になるかも・・・

 

 

慰霊の園に立ち寄りましたっと

JAL123便飛行機にて遭難され、こと半ばにして旅立たれた520名、

そして、登山道整備中に不慮の事故で亡くなられた相馬さん・・・

御巣鷹の尾根に眠られている521名の御霊に、礼。

 

そして、国有林であった御巣鷹の尾根を上野村が買い取り、

以降、維持管理に尽力されている上野村の方々へ、深くお礼申し上げます。

礼。

 

東京オリンピックが閉幕した数日後の

2020年(令和2年)8月12日18:56

35年目のその時を刻みます。

 

ペタしてね