2分の1の魔法(字幕版)(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

2分の1の魔法(字幕版)(ネタバレ)

※今回の記事は、この映画が好きな人は嫌な気持ちになる可能性があるので、読まない方が良いです。

 

 

 

 

2分の1の魔法(字幕版)

 


原題:Onward
2020/アメリカ 上映時間103分

監督・原案・脚本:ダン・スキャンロン

製作:コーリー・レイ

製作総指揮:ピート・ドクター

原案・脚本:キース・ブーニン、ジェイソン・ヘッドリー

編集:キャサリン・アップル

音楽:マイケル・ダナ ジェフ・ダナ

日本版エンドソング:スキマスイッチ

声の出演:トム・ホランド、クリス・プラット、ジュリア・ルイス=ドレイファス、オクタビア・スペンサー、メル・ロドリゲス、カイル・ボーンハイマー、リナ・ウェイス、アリ・ウォン、グレイ・グリフィン、トレイシー・ウルマン、ウィルマー・バルデラマ、ジョージ・パサラ、ジョン・ラッツェンバーガー

吹替版:志尊淳、城田優、近藤春菜、 浦嶋りんこ、新谷真弓、丸山壮史、立木文彦 

パンフレット:★★☆(820円/コラムはないけど、冒険ガイド、呪文リスト、コンセプトアート、写真の並べ方が好き。巻末の広告が3月公開前提だったりしてしんみりします…)

(あらすじ)
かつては魔法に満ちていたが、科学技術の進歩にともない魔法が忘れ去られてしまった世界。家族思いで優しいが、なにをやってもうまくいかない少年イアンには、隠れた魔法の才能があった。そんなイアンの願いは、自分が生まれる前に亡くなってしまった父親に一目会うこと。16歳の誕生日に、亡き父が母に託した魔法の杖とともに、「父を24時間だけよみがえらせる魔法」を書かれた手紙を手にしたイアンは、早速その魔法を試すが失敗。父を半分だけの姿で復活させてしまう。イアンは好奇心旺盛な兄バーリーとともに、父を完全によみがえらせる魔法を探す旅に出るが……。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 


55点
 

 

※今回の記事は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のネタバレに触れているので、未見の人は観てみて!

 

ハッキリ言って、公開延期のせいで予告編を何度も何度も見せられて、若干食傷気味だったんですよ。とは言え、ディズニーの3DCGアニメは出来が良いし、ファンタジー世界も嫌いではないので、観ようとは思ってましてね。愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、9月11日(金)の本日、TOHOシネマズ日比谷6ポイント無料鑑賞サービスを利用して、「字幕版」を鑑賞いたしました。あまり乗れなかったです (´∀`;) アハハ...

 

 

ロビーに公開されない「ムーラン」のグッズが売ってて、少し切ない気持ちに…。

 

8番スクリーン、観客は20人ぐらいだったような。

 

 

まず、超適当なあらすじを書いておくと、舞台は「科学技術が発展して魔法が使われなくなった世界」でして。16歳の少年イアンの誕生日、母ローレルが亡き父ウィルデンから託された「父が1日だけ復活できる呪文&杖」を渡してきましてね(一応、兄バーリーへのプレゼントでもある)。イアンがなんとなく試してみたところ、魔法が発動するも失敗して、下半身だけ蘇った…ということで! ファンタジーオタクのバーリーの知識を使って、父を完全に復活させるために必要な「不死鳥の石」を探す冒険の旅に出る…ってな調子。

 

で、あーだこーだあって無駄足に終わったムードが漂ったので、イアンはバーリーと仲違いするも「そういえば兄さんがずっと父親代わりになってくれてた!→アタシ、バーリーの気持ち、全然分かってなかったんだ… (ノω・、) アタシッテホントバカ「ももへの手紙」ライクに反省&開眼!Σ(°д° ) クワッ! 謎を解いて石を見つけたバーリーを「呪いの守護竜」が襲ってきたところに、母ローレルとマンティコアが参戦しつつ、イアンも数々の魔法を駆使して戦って、バーリーが父親と再会できましてね…。冒険の結果、イアンったら自信がモリモリ状態で同級生とも仲良くなって、バーリーと一緒に新しい車に乗ると、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」っぽく飛んで終わってましたよ。

 

 

最後はこのシーンを思い出しました(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」より)。

 

 

もうね、本作が「アニメとしてクオリティが高い」というのは大前提として、最初に「好きだったところ」を書きますと。自分にも姉が2人いるからなのか、「兄弟姉妹が苦難を乗り越えることでお互いを思いやるようになる展開」に弱くてね…。「弟が魔法使い」となると、すぐ「ドラゴンランス」シリーズのキャラモン&レイストリンを思い出しちゃうワケですが(汗)、イアンが「兄こそ父親に会いたがってた!」ということに気付いて譲る姿勢とか、「ここは僕に任せて!(`・ω・´) キリッ」と「兄と父の逢瀬」を守るために体を張って戦うシーンは、スムースに涙が噴出いたしました ( ;∀;) イイオトウトダナー

 

 

「ドラゴンランス」シリーズ、Kindleの合本版が出てますけど、4万越えとは… (`Δ´;) ヌゥ

 

 

あと、兄弟の母親ローレルが…すごく…良かったです… (´Д`;) ハァハァ もうね、映画序盤、息子イアンと会話しながらも「彼をしっかりと気遣う親の目」が最高でしてね…(あんな演技をさせるのはアニメとしてもスゴい)。じゃれてくるバーリーを投げ飛ばす格闘スキルの高さに、いくら「勇者エクササイズ」をしていたとはいえ、子どもを守るためなら巨大な竜にも立ち向かう圧倒的な親度。「シングルマザーとして苦労して得た強さなのかな…」なんて勝手に想像すると、さらに好感度がバイバインであり、最近のアニメでは一番萌えたキャラクターというか。思わずカタカナで「好ミノタイプダ ( ゚д゚)」とつぶやいたほどでしたよ。その他、オープニングで本作のタイトル「Onward」が出た瞬間、「オンワード樫山」が脳裏に浮かんだ…ってのはどうでも良いですな (´Д`;) スミマセン

 

 

ローレルがバーリーを投げ飛ばした瞬間、僕は渋川剛気ライクに感心しまして(「グラップラー刃牙」第33巻より)。

 

最終的にはこんなジャック・ハンマー気分になったというね(「グラップラー刃牙」第30巻より)。

 

 

ただ、ごめんなさい、世界観がまったく合わなかったです。そもそも「魔法より科学が便利だから魔法が廃れる」って理屈が飲み込めないというか、「魔法がある世界」なら「魔法を前提とした科学」が生まれると思うんですよ。大体、本作のオープニングで描かれる魔法だって「科学で代用できないじゃん」って思うし、いくら才能があろうとも主人公がわずか1日で数々の魔法をマスターしちゃう描写を目の当たりにすると、「魔法がなんで廃れるの?(゚Д゚) ハァ?」としか思えなくないですかね(あんな「死者を復活させる魔法」まであるワケだし)。逆に「科学舐めんな」感もあるし、スゲー雑な世界観だなと。

 

それと、「マンティコアやピクシーの飛べる能力」とか「ケンタウロスの走る能力」とかは魔法とはまた別の話じゃないですか。いくら科学が発達して便利になろうとも自由に空を飛べる奴が飛ばなくなるなんてことありますかね? まぁ、そりゃあ本作の魔法云々は「便利な文明に頼りすぎな現代人のメタファー」やら何やらなんでしょうけど、パトカーを使わずにケンタウロスが走っていくラストとか、全然上手くない例えをドヤ顔で披露された気分になって、なかなかイラッといたしました。感動はしつつも世界観に乗れない…というあたり、なんとなく「アーロと少年」を思い出したりしましたよ。

 

 

正直、本作の世界観や設定については、貝沼文也気分だったのです(「バキ道」第5巻より)。

 

 

その他、思うところを書いておくと、「アメリカ人は、あまり会話したことない同級生を自分の誕生パーティーに誘いたいと思うの?」とか「ケンタウロスは下半身丸出しでいいの?」とか「イアンがバケツリストを作る姿勢は好き」とか「父親をいちいち連れ回す必要なくね?(車で待機させておけよ)」とか「マンティコアの酒場がファミレスに…って場面の演出がズルい。絶対外観が明るいだろ」とか「兄の『直感を信じろ』云々の展開は好きじゃない(あんなの信じられなくて当たり前じゃん)」とか「死んだ夫が蘇ったのにリアクションの薄い妻」(彼女なりに思うところもあるのかもしれませんが…)とか「吹替版はどういうところがローカライズされているのかな…」とかとかとか。まぁ、「子ども向け」と考えると仕方ないのかもしれませんけど、僕的には好きなところも結構あった分、ちょっと残念だった次第 (´・ω・`) ザンネン 何はともあれ、所詮は心の狭い47歳のオッサンが言うことなのでね(苦笑)、興味がある方はこんなブログを気にせずに劇場へ足を運んでみてくださいな。おしまい。

 

 

 

 

デジタル盤のサントラ。CD盤もあります。

 

 

ジュニア向け小説が出てましたよ。

 

 

ダン・スキャンロン監督の前作。僕の感想はこんな感じ。

 

 

僕的になんとなく重なったディズニー作品。僕の感想はこんな感じ。