モンスターズ・ユニバーシティ(2D・字幕版)(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

モンスターズ・ユニバーシティ(2D・字幕版)(ネタバレ)

モンスターズ・ユニバーシティ(2D・字幕版)

三角絞めでつかまえて-モンスターズ・ユニバーシティ

原題:Monsters University
2013/アメリカ 上映時間110分
監督:ダン・スキャンロン
製作:コーリー・レイ
製作総指揮:ジョン・ラセター
脚本:ロバート・L・ベアード、ダニエル・ガーソン、ダン・スキャンロン
音楽:ランディ・ニューマン
出演:ビリー・クリスタル、ジョン・グッドマン、スティーブ・ブシェーミ、ヘレン・ミレン、ピーター・ソーン、ジョエル・マーレイ、ショーン・P・ヘイズ、デイブ・フォーリー、チャーリー・デイ、アルフレッド・モリーナ、ジュリア・スウィーニー、ネイサン・フィリオン、タイラー・ラビーン、オーブリー・プラザ、ボビー・モナハン、ノア・ジョンストン、ボニー・ハント、ジョン・クラシンスキー、ビル・ヘイダー、ベス・ベアーズ、ボブ・ピーターソン、ジョン・ラッツェンバーガー
日本語吹替版:田中裕二、石塚英彦、柳原可奈子
パンフレット:★★(700円/コラムがあまり好きじゃない)
(あらすじ)
幼い頃から怖がらせ屋になることを夢見ていたマイクは、努力の果てに難関を突破し、モンスターズ・ユニバーシティ怖がらせ学部に入学。しかし、怖がらせ屋になるには、見た目がかわいすぎるという致命的な欠点に悩まされる日々を送る。そんなある時、マイクは、名家の出身で怖がらせの才能にあふれたサリーと出会う。マイクはサリーをライバル視するが、自信に充ち溢れたサリーはマイクを見向きもしない。夢をあきらめないマイクは、「最恐の怖がらせ屋」を決める怖がらせ大会に出場するが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※今回の記事は、「モンスターズ・インク」のネタバレに触れているので、知りたくない人は気をつけて!
※今回の記事は、まったく関係のない文章も多く書かれているので、しっかりした感想が読みたい人は他のブログを読んで!
※今回の記事は、非常に残酷でグロい画像や動画が貼られているので、そういうのが苦手な人は絶対見ちゃダメ!


僕がピクサー作品で一番好きなのは「ウォーリー」なんですが、その次が「モンスターズ・インク」でしてね。一昨年、自分に娘が出来てからあらためて観ると、5割増しでグッときたりして、現在、それなりに愛している作品だったりするワケです。


今年2月に公開された「モンスターズ・インク 3D」の予告編を貼っておきますね↓




だから、本来ならその続編である「モンスターズ・ユニバーシティ」が作られたのは喜ばしいハズなんですが…。例えば名作「ロッキー」の続編が観たいかって話ですよ。って、それはスゲー観たかったし、むしろシリーズを重ねることで最高の着地をしたのだけれども(不要な例え)。じゃあ、「ランボー」の続編が観たいかって、それも観て良かったというか、素晴らしい終わり方をしたのだけれども(不要な例え)。う~ん、例えば「耳をすませば」の続編が作られるって聞いたらどう思います? 「10年後、2人は結婚しているものの、ヴァイオリン職人を諦めて派遣社員として働きながらボンヤリと日々を過ごす聖司と、小説家の夢を捨てて一般企業に就職し、キャリアアップと子作りの間で揺れる雫との間に、次第に溝が出来てきてーー」という「レボリューショナリー・ロード」みたいな続編…って、これはこれでスゲー観たい! ああん、例えが全然上手く行かないYO!ヽ(´Д`;)ノ ナニコレ


「タイタニック」の後に「レボリューショナリー・ロード」を観ると台無しになるので、気をつけて!




いや、なんて言うんですかね、続編を作ってもOKな映画とダメな映画があるとしたら、「モンスターズ・インク」はダメな映画だと思うのですよ。最後に世界を支える根本的な価値観が逆転して終わるだけに、それ以上のドラマを作りようがないし、サリーとブーの心の触れ合い描写が素晴らしかっただけに、あれ以上の感動も生まれようがないワケで。まぁ、だから前作の前日譚にしたんでしょうけど…。パンフレットで知ったんですが、「前作で『小学校4年生のころから僕がハンサムだってことに嫉妬してたろ』みたいなことを言ってた」ってのは、雑誌掲載の時は「子どもはいない」って言ってたけど単行本では台詞が変わってたツェペリさんの例もあるから気にしないとしても。将来、「恐怖より笑いがイイ!」と価値観が変わる世界の中で、必死に「怖がらせる技術」を学ぶ姿を描かれたって、なんか飲み込みづらいじゃないですか。


前作の序盤、字幕はこんな感じだったので、気付かなかったんですが…。
三角絞めでつかまえて-字幕はこんな感じ

英語では「You've been jealous of my good looks since the fourth grade,pal.」と言ってたんですね~ (´∀`) シラネーヨ
三角絞めでつかまえて-英語では言ってました


そんなワケで、「観たい映画の覚え書き」でも書いたように、まったく観る気が起きなかったんですが…。僕が愛してるラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の人気コーナー「ムービーウォッチメン」の監視対象に選ばれたということでね、「まぁ、それなりにクオリティは高いんだろうけど… ( ゚д゚) キョウミナシ」と、ユナイテッド・シネマとしまえんに行って来ました。スゲー頑張ってましたYO!ヘ(゚∀゚*)ノ スゲェッ!


ロビーに飾られていたサリーとマイクを貼っておきますね。
三角絞めでつかまえて-サリーとマイクが!


ハッキリ言って、CGのクオリティが予想以上に高くて。普通に観ているとCGに見えなかったりして、そう見えることがスゴイというかさ。かなり前の作品だから仕方ないんですけど、前作を見直すとちょっとキツさすら感じちゃったりもして…。「この10年でここまで進歩したんだなぁ」と感慨深くなりました。

物語とその演出も上手い。予告編ではサリーが出てくると思わせといて、実際は前作で敵だったランドールが同室&しかもイイ奴だったりして、サリーの方がイヤな奴だったのは、すっかり裏をかかれて面白かったです。序盤のスクールカースト描写にはイラついたりもしたんですけど、中盤の「落ちこぼれ軍団のウーズマ・カッパが一念発起して~」的な展開に入ると、スムースに感情移入しちゃって。チームが怖がらせ大会を勝ち上がって行くところや特訓シーンは燃えたし、パーティで「キャリー」有名なプロムのシーンのような目に遭わされた時は憤怒で鼻血が出たし(少しウソ)。モンスターズ・インクに忍び込んで「みんな違ってて、いいんだよ ( ´_ゝ`)」ということを悟って立ち直るシーンはスゲー泣けましたね… (ノω・、)


相部屋はサリーかと思っていたら、これはマイクの部屋に勝手に入ってきた場面でして。
三角絞めでつかまえて-サリーが同室かと思ったら

実はランドールが同室だったというね。この展開は結構愉快でした。
三角絞めでつかまえて-ランドールでした

落ち込んだみんなと工場見学に来て、友情を深める場面は素晴らしいの一言。
三角絞めでつかまえて-見学シーン

そして、こういう特訓シーンは超燃えるのです。
三角絞めでつかまえて-特訓シーン

ちなみに「ションボリするかと思いきや、マイクは気にしてなかった!」という前作のお約束シーンもありましたよ。
三角絞めでつかまえて-お約束


で、何が素晴らしいって、終盤の展開。「ウーズマ・カッパが怖がらせ大会で優勝した…と思いきや、実はサリーがシミュレーターに細工をしていたことが発覚→『名家の出身ゆえに負けることを怖がってた』と臆病な自分をマイクに告白する場面」とか、「サリーとマイクが協力することで大人たちを絶叫させる場面」とかも良かったんですが…。ラスト、ハードスクラブル学長と和解しつつも、2人とも大学を退学させられちゃうからビックリですよ。

「えっ、ここからどうするの?Σ(゚д゚;)」と思っていたら、なんと2人ともメール係としてモンスターズ・インクに入社して(伏線あり)、キッチリ仕事をこなすことで評価を上げて、サリーは怖がらせ屋に、マイクはそのサポートに昇格して終わるんです(「メール係からの立身出世」繋がりで、「未来は今」を思い出したり)。要は、主人公たちに“やったことの責任”を取らせつつ(ここをナァナァにしないところに好感が持てた)、「失敗したって、諦めず努力することで道は開ける」「最初の夢がダメになっても、形を変えて実現することができる」という真っ当なメッセージに着地していてね、「お見事!ヘ(゚∀゚*)ノ ヨクヤッタ!」と心底感心いたしました。


一応、エンドクレジット後の展開を書いておくと、このスラッグがやっと教室に辿り着いてました。
三角絞めでつかまえて-スラッグ


あと、UniBEARsityのストーリークリップの一編に、メール係で働いているころの2人が登場していたので貼っておきますね↓




その他、僕的にグッと来たのが、魅力的なキャラクターたち。主人公たちの友情&成長振りが良かったのはもちろんなんですが、脇役も素敵だったなぁと。特に“ガキっぽくてウザいデブ”担当のスクイシーの可愛いこと! 怖がらせ大会でのゲンナリ顔も笑ったし、今回の映画で彼が一番好きでしたね~。あと、ドラゴン+ムカデって感じのハードスクラブル学長もキモ怖くて良かったです。


ちょっとウザいところが可愛いスクイシー。よくいるキャラですけど、「グレッグのダメ日記」のロウリーを連想しました。
三角絞めでつかまえて-スクイシー

ハードスクラブル学長、飛ぶ時の腹がボテッとした感じが気持ち悪かったです。
三角絞めでつかまえて-ハードスクラブル学長


ということで、映画として非常によく出来ているとは思うんですが、ごめんなさい、この感想文の最初の方に書いた「将来、『恐怖より笑いがイイ!」と価値観が変わる世界の中で、必死に『怖がらせる技術』を学ぶ姿を描かれたって、なんか飲み込みづらい」という印象は、結局、そのまんまでした (´・ω・`) ザンネン いや、むしろ「大学に歴史がある」とか考えちゃうと、より「これって全部ムダだったんだよなぁ」という想いが強くなってしまったというか。「学ぶ内容ではなく、その過程に価値がある」的なフォローを考えても、なんか納得できない感じ。例えば「現在、怖がらせる技術は笑わせることに応用されている」的な場面が描かれていれば、まだ乗れたんでしょうけど、この映画でそんな描写を入れるのは変だし…。難しいところですな。

それと、これはちょっと書き残しておきたいんですけど、マイクってスゲー怖くないですか? これは前作から思ってたんですが、あんな巨大な1つ目と口を持つ緑色の怪物が部屋に入ってきたら、ショック死しますよ、マジで。“そういう話”だから仕方ないのはわかりますけど、あまりに「キャラが怖くない」とか否定されちゃうと、「いやいや、人間からすれば十分恐ろしいよ!」と思っちゃったんですが、どうでも良いですカネー (・ε・) チェッ


とりあえずロビーに飾られているモンスターたちを検証してみましょう。
三角絞めでつかまえて-飾られているモンスターたち

大きな目は「いまだ! キックをつかえ めだ!」といった感じで弱点になりそうですが、恐ろしいのはこの巨大な口!
三角絞めでつかまえて-恐ろしいマイク

「寄生獣」ライクに「ボリン!」と食べられそうで超怖いッ!(((( ;°Д°)))) ヒィィィ
三角絞めでつかまえて-ボリン!

だからこんな風に枕元に立たれたら、笑うどころじゃないと思うのです。
三角絞めでつかまえて-十分怖い!

当然ですが、サリーも驚異的に恐ろしい。この大きな力強い腕でどれだけ残虐なことができるか…。
三角絞めでつかまえて-巨大な手!


たぶんサリーなら「モータルコンバット」のゴロー級の殺し方も可能なハズ(超グロ注意!)。人間はあまりにも無力ですな… ('A`)




ううむ、例によって何が何やらの感想文になっちゃいましたけど、続編を作ることの是非は置いといて、「『モンスターズ・インク』の続編を作れ!」というお題には見事に応えているというか、スゲー頑張ってる映画だと思いました。予想以上に良かったから好きではあるんですが、前作を想うとやっぱり引っ掛かるので、100パーセントは乗れないかなぁ…。あと、同時上映の短編「ブルー・アンブレラ」の感想ですが、「超リアルなCGはスゴいけど、傘をさしながらお茶をするオチはよくわからないや ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」って感じ。何はともあれ、「モンスターズ・ユニバーシティ」が非常に良く出来た作品なのは確かなので、僕のように心が狭い人じゃなければ、観ても損はしないと思いますぞ。




2001年に公開された前作。DVDは持ってるんですが、ブルーレイで買い直した方が良いのかなぁ。
三角絞めでつかまえて-モンスターズ・インク3D
モンスターズ・インク 3D [Blu-ray]


非常に良さげなアートブック。
三角絞めでつかまえて-ジ・アート・オブ モンスターズ・ユニバーシティ
ジ・アート・オブ モンスターズ・ユニバーシティ (ジブリ)


サントラも貼っておきますよ。
三角絞めでつかまえて-サントラ
Monsters University


子供向けのムービーブックだそうで。
三角絞めでつかまえて-子供向けムービーブック
ディズニームービーブック モンスターズ・ユニバーシティ


ノベライズもあります。
三角絞めでつかまえて-ノベライズ本
モンスターズ・ユニバーシティ (竹書房文庫)