山猫は眠らない8 暗殺者の終幕(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

山猫は眠らない8 暗殺者の終幕(ネタバレ)

山猫は眠らない8 暗殺者の終幕

 


原題:Sniper: Assassin's End
2020/アメリカ 上映時間95分

監督:カーレ・アンドリュース
製作:グレッグ・マルコム、ビッキー・ソーサラン
脚本:オリバー・トンプソン
編集:グレッグ・ン
音楽:パトリック・ケアード

出演:チャド・マイケル・コリンズ、トム・ベレンジャー、秋元才加、ロックリン・マンロー、ライアン・ロビンズ、マイケル・ヨンソン

パンフレット:なし

(あらすじ)
外交官が何者かに暗殺される事件が発生し、狙撃兵ブランドン・ベケット(チャド・マイケル・コリンズ)が容疑者にされてしまう。CIAにも追われる身になってしまったブランドンは、狙撃兵を引退した父トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)が生活する山小屋へと向かう。ブランドンはトーマスにこれまでの顛末を打ち明け、事件解決のため協力を求めるが、そんな彼らの前に謎の暗殺者が現れる。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 


70点

 

まず、僕と同シリーズの関係を書いておきますと。1993年に日本公開された1作目は劇場で観たものの(今はなき横浜日劇「沈黙の戦艦」との2本立て)、その後は特に興味はなかったんですが…。たまたまレンタル屋の新作アクション棚で5作目を目撃したことがキッカケとなって、2013年に全作鑑賞して「『ねぇ、山猫は? 山猫は眠らないの?(´Д`;) ネェネェ』特集」なんて記事をアップしまして。その後、2018年にリリース直後の7作目のDVDをレンタル屋で目撃して、また「続!『ねぇ、山猫は? 山猫は眠らないの?(´Д`;) ネェネェ』特集」といった文章を更新した…って感じでございます。まぁ、B級アクション映画として割り切って観る分にはそれなりに愉快なシリーズだし、ここまできたらできる限り続いてほしいと思いつつも、とはいえ、ごめんなさい、他人に積極的に勧めるほど面白くはないし、このまま7作目で終わる可能性もあるよなぁ…なんて失礼なことを思っていたところ! 最新作である8作目に秋元才加さんが出演する&日本で11年振りに劇場公開されることになった(なんと3作目以来!)のだから、「マジか!Σ(゚д゚;)」と。

 

 

“信用できる映画ライター”市川力夫さんによる素敵な紹介記事を貼っておきますね。

 

 

ハッキリ言って、AKB関係に強い思い入れがあるワケではありませんが、秋元才加さんは「ウルトラマンサーガ」のアンナ役でグッときていたし、メンバーの中ではかなり好きな方だったんですよネ (〃∇〃) ウフフ だから、そんな彼女が殺し屋役で同シリーズに出演するなんて、完全に僕好みのお母さん味ごのみ案件であり、「これは絶対に劇場の大画面で観なければ!Σ(°д° ) クワッ!」ということで! 8月31日(月)、仕事帰りに東武練馬のイオンシネマ板橋にてハッピーマンデー割引を利用して鑑賞いたしました。それなりに楽しかったです (°∀°)b ソレナリ

 

 

「レヴェナント 蘇えりし者」以来イオンシネマ板橋秋本さんのサイン入りポスターが飾ってありましたよ。

 

5番スクリーン、観客は僕を含めて10人でした。

 

 

なんて言うんですかね、いわゆるアクション映画やホラー映画のシリーズモノって、基本的には最初から「何部作」と決めて作るのではなく「ヒットしたから継ぎ足していく」というのがほとんどじゃないですか(低予算の作品は特に)。で、昔は続編になると、主人公の俳優が変わったりとか、話や設定がリセットされたりするのも「よくある話」だったと思うのです(ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の「キックボクサー」シリーズとか、枚挙にいとまがない)。ただ、たぶん「ワイルド・スピード」シリーズの大成功以降(2009年の4作目のヒットぐらいから)、「できるだけ整合性をもたせる続編」が作られるようになったイメージがあって、「山猫は眠らない」も5作目ぐらいからその流れに乗ろうとしたシリーズなんじゃないかなと。まぁ、「ワイルド・スピード」シリーズほどではないにせよ、1〜3作目の主人公トーマス・ビケットと4作目以降の主人公ブランドン・ベケットを親子設定にしたり、1作目のもう1人の主人公ミラーを何度も登場させたりと、ちゃんと“共通の世界観”でシリーズを続けてきた努力は買ってあげたい…ってのは偉そうな文章ですな (ノ∀`) スミマセン

 

 

4作目からの主人公ブランドン役のチャド・マイケル・コリンズ。他の作品ではあまり観たことないけど、嫌いではないです。

 

 

あと、本シリーズは、良く言えば「フットワークが軽い」というか(悪く言えば「節操がない」)。勝手な分析ですけど、今から考えると5作目は「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」の「チーム感」、6作目は「アメリカン・スナイパー」の「狙撃に悩みます」要素、7作目は「メキシコ麻薬戦争」などなど、5作目以降は適度に流行を取り入れたアクション映画にしている印象があって。8作目となる本作のストーリーは「暗殺の濡れ衣を着せられたブランドンが父親の隠れ家に行く」と、かなり「エンド・オブ・ステイツ」っぽいんですが(「よくある話」ではあるけど「父親が強い」あたりが似てる)、そこに秋元才加さん演じる新キャラ、“レディ・デス”ことユキ・ミフネをプラス。そのネーミングや「ヤクザの訓練を受けた暗殺者」という設定は、これまでのシリーズのリアリティ・ラインを最近流行のアメコミ映画にモロに寄せてきた感があるんですよね〜。これって監督のカーレ・アンドリュースが実際にマーベルでアメコミを描いてきた人ということも大きいんでしょうな…という、市川力夫さんの記事SHI-RI-U-MA-RIDE!m9・∀・) ビシッ

 

 

秋元才加さん演じる殺し屋の本名が「ユキ・ミフネ」だと判明した瞬間…。

 

劇場内はこんなホッコリしたムードに包まれてましたよ (´∀`*) ンモウ! 画像は「バキ道」第1巻からです。

 

 

まぁ、正直なところ、本作は決して万人受けする作品ではないというか。「何気なく午後ローで放送されているのを観たら、意外と面白くて洗濯物を畳む手が止まった」クラスの映画だと思っていて。もうね、レディ・デスによるオープニングの狙撃シーンの「スマホでニュースを流す演出」が「観客に状況を説明するため」でしかないし、最初にレディ・デスの顔が見えるシーンもヘルメットを被っていてイマイチだし、ブランドンへの濡れ衣の着せ方も雑だし、CIAの内通者が誰だったのか分からずじまいだし(さすがにロックリン・マンローじゃないとは思ってましたが「謎のまま」とは予想外すぎ)、CIAに寝返ったレディ・デスが雇い主ドレイク・フェニックスを騙すくだりもスゲー無理があるし(でも「ステーキを頼んだら焼いて出せ ( ゚д゚)」「私は日本人だから新鮮な魚が好き ( ̄ー ̄し ニヤッ」の会話はよく分からないけど好き)、単身で敵地に乗り込んで捕縛される国土安全保障省のエージェント・ゼロがあまりにも無能だし、ポストクレジットシーンでレディ・デスが大量殺人したにもかかわらず免責される雰囲気なのはどうかと思ったし…といった部分は許すとしても(ただ、「秋元さんの頑張りによって出番が増えて、ラストシーンが追加された」というエピソードを聞くと、良かったとも思うアタシ)。主人公のハズのブランドンが全然有能に見えないんですよね… (´・ω・`) ウーン

 

映画序盤に「ロシアの傭兵軍団に襲われたのを返り討ちにした」のと「何の罪もない警官をボコった」程度で、レディ・デスとのバトルは親父に助けられるわ、最後に敵地へ乗り込んだらアッサリ人質にされて親父に助けられるわと、主役とは思えない活躍振りでガッカリしたというか。いや、僕だってトム・ベレンジャー演じるトーマスが出てくるのはうれしいし、8作目にして初の「親子水入らず」には感慨深いものがありましたけれども。映画中盤、唐突に「これまでの作品では語られなかった父親のトラウマ話」みたいのが出てきたと思ったら、案の定、クライマックスは「そのトラウマを乗り越えた父親が息子を人質にとった敵を狙撃する」という展開になっちゃってさぁ(ちなみに「アウディ・ヴィデ・タチュ(Audi, vide, tace)」とは「(平和に暮らしたいなら)見て、聞いて、黙る」という意味のラテン語だとか (゚⊿゚) ヘー)。別に不快というほどではありませんが、もうトム・ベレンジャーはいろいろな作品で活躍してきたんだから、最後の見せ場ぐらいチャド・マイケル・コリンズに与えてやれよ…って思うのは僕だけじゃないと思うのです。

 

 

トム・ベレンジャー、撮影時は70歳ということで、さすがに「おじいちゃん」になってましたな。

 

ブランドンの活躍シーンの少なさには、すっかり楊海王気分でしたよ(「バキ」より)。

 

 

な〜んて、文句から書いちゃいましたが、しかし。アクションはまぁまぁ楽しめたし、「ゼロを派遣した『大佐』とはデニス・ヘイスバートのこと?」とか想像させる台詞はうれしかったし、ドレイク・フェニックス役の巨漢マイケル・ヨンソンが僕好みのマッチョだったし、最後にベケット親子が交わす「ビールでもどう?」「冷えたのを飲もう」というやりとりが「大味なアメリカ映画の終わり方」ってムードで愉快だったし、何よりも秋元才加さんが素敵だったので(一部、スタントっぽさはあったけど、ブランドンとの縄鏢を使ったバトルでは体を張ってた)、それなりには満足した次第 (°∀°)b ソレナリ さすがに8作目まで付き合うと愛着があって、9作目が作られたら絶対観ちゃうし、そこにまたレディ・デスが登場してくれたらいいなぁと心から思っております。おしまい。

 

 

 

 

すべてはここから始まった1作目。まぁ、これが一番面白いんじゃないかな…という身もフタもない文章。

 

 

11年後に作られた2作目。相棒がボキーム・ウッドバインに。前作と比べるといろいろ雑になった感は否めない。

 

 
前作の2年後に製作されて、日本でギリギリ劇場公開された3作目。バイロン・マンが出てましたよ (´∀`) スキヨ
 

さらに7年後、主人公が息子になってリスタートした4作目。ミラー役のビリー・ゼインの再登場がうれしい。

 

 

4作目の4年後、トム・ベレンジャーとともに復活した5作目。チームモノっぽくなってました。

 

 

「アメリカン・スナイパー」要素を加えた6作目。ミラーがまた出てきて、それなりに愉快だったような。

 

 
「メキシコ麻薬戦争」風味をプラスした7作目。トーマス・ベケットとミラーの再会にはちょっとシンミリ (ノω・、) ヨカッタネー
 

カーレ・アンドリュース監督が参加していたオムニバス映画。前に書いた感想によると、彼のパートは面白かった様子 (・∀・) ウロオボエ