惡の華(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

惡の華(ネタバレ)

惡の華



2019/日本 上映時間127分
監督:井口昇
原作:押見修造
脚本:岡田麿里
製作:松井智、板東浩二、小西啓介、小畑良治、新井重人
プロデューサー:永田芳弘、涌田秀幸
共同プロデューサー:関口周平
アソシエイトプロデューサー:山野邊雅祥
撮影:早坂伸
照明:田島慎
録音:柳屋文彦
美術:鈴木隆之
装飾:相田敏春
衣装:藤山晃子
ヘアメイク:リョータ
小道具:岡安明佳里
VFX:鹿角剛、大畑智也
音響効果:井上奈津子
編集:山本彩加
音楽:福田裕彦
主題歌:リーガルリリー
助監督:南柱根
制作担当:伊東祐之
出演:伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨、飯豊まりえ、北川美穂、佐久本宝、田中偉登、松本若菜、黒沢あすか、高橋和也、佐々木すみ、坂井真紀、鶴見辰吾
パンフレット:★★★(815円/対談での井口昇監督と押見修造先生の相思相愛振りに笑った。あと、小野寺系さんのコラムが良かった)
(あらすじ)
山に囲まれた地方都市。中学2年生の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい日常をやり過ごしていた。ある日、憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を衝動的に盗んだところをクラスの問題児・仲村佐和に目撃されてしまった彼は、秘密にする代わりに仲村からある“契約”を持ちかけられる。この日から仲村に支配されるようになった春日は、彼女の変態的な要求に翻弄されるうちに絶望を知り、自らのアイデンティティを崩壊させていく。やがて「惡の華」への憧れにも似た魅力を仲村に感じ始めた頃、2人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の記事は、映画とは関係のない気持ちの悪い文章が多めなので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。

現在、「2019年に観たにもかかわらず感想をアップできなかった映画」が68本もあるから、毎日毎日なんとかブログを書いているんですが…。昨日、玉城ティナさん主演作(?)の感想をアップしたので、本日は「玉城ティナさん主演繋がり」として、本作の記事を更新しておきますよ。押見修造先生の原作漫画については、以前、尊敬する映画評論家の町山智浩さんが紹介されていて。気にはなりつつも読む気は起きなかったんですけど、僕が好きな井口昇監督が映画化するとなれば、話はべつ!(゚⊿゚) ベツ!

善は急げと早めに前売り券を購入した…までは良かったものの、仕事やら何やらでバタバタしてしまって、気が付くと都内の上映は終わっちゃっててね…(遠い目)。ちくしょう、どうしても前売り券を無駄にしたくなかったので、11月8日(金)、小山シネマロブレまで足を運んできました(その後、「いなくなれ、群青」を観てから移動→ユナイテッド・シネマとしまえん「ターミネーター ニュー・フェイト」を観た)。そんなふうに考えていた時期が僕にもありました ( ´_ゝ`) エラソウ


前売り特典は「オリジナルポストカードセット(2枚組)」でした。


当日のgif。3番スクリーン、人生4度目の1人鑑賞! 危うく全裸で観るところだったぜ…(そっと咲いた惡の華)。


なんとなく達観したムードの範馬刃牙を貼っておきますね(「バキ」より)。



最初に驚くほど雑なあらすじを書いておくと…って、毎回毎回ワンパターンだよな、このブログ。マジで舌を噛み切って死にたい…なんて文章の“面倒くささ”!Σ(°д° ) クワッ! 皮ごと搾ってフレッシュな状態でご提供しましたが、ご賞味いただけたでしょうか。そう、事程左様にブログを書く人間なんて基本的に面倒くさいワケであり、まだそっ閉じせずにこんな文章を続けて読んでいるアナタもなかなか面倒くさい人間なのでしょう。そんな「ワタシもサザエさん (`∀´)」「アナタもサザエさん!m9`Д´) ビシッ」状態の中、結局、いつものパターン通りに雑なあらすじを書いておきますよ(まったく意味がなかった前書き)。


ここまで読んだ人の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



本作は「閉塞感のある地方都市を舞台に、ボードレールの詩集「悪の華」を愛読する中学生の春日高男(伊藤健太郎)と、そんな彼を脅迫してきた仲村佐和(玉城ティナ)が、自分たちなりの破壊工作を繰り返した挙げ句、祭りの日に包丁を振り回しながら焼身自殺未遂事件を起こすパート」と「数年後、高校生になった春日が人生をやり直すために同級生の常磐文(飯豊まりえ)と一緒に仲村に会いに行くパート」で構成されてまして(交互に描かれたりする)。最後は、浜辺であーだこーだと3人で揉めるも、海に入ったことをキッカケに「うふふあはは」なムードになって、「二度とくんなよ ふつうにんげん 川 ゚д゚)」「ありがとう (´∀`) 」ってな調子。春日と常磐が付き合うことになって空を見上げると、彼を見つめていた「惡の華」が消失するも、エンドクレジット後、浜辺にいた見知らぬ少女の前に「惡の華」が出現して終わってましたよ、たぶん。


中学生編の仲村と春日は、祭りの日に騒動を起こしまして。


高校生編では、常磐を交えて、こんな感じになってました。



最後に流れるリーガルリリーによる主題歌「ハナヒカリ」を貼っておきますね↓




井口監督は原作漫画を読んだ時、「日本の映画監督で、この作品に込められた気持ちが一番わかるのは僕しかいない」と思って押見修造先生と接触→2人は仲良しになったそうですが、その自信も頷けるほどスゲー面白い映画でした。「体操着を盗んだのを目撃した少女が少年を脅す」なんて倒錯的な導入から始まる“先の読めないストーリー”が繰り広げられる中、伊藤健太郎さんの思春期全開な煮え切らない演技と、玉城ティナさんの悪魔的な演技(過去の井口作品に出てきた“Sっ気のある女子っぽさ”が爆発!)が見事な化学反応を起こして、今までに観たことがないような「こじらせ青春映画」になっていたというか。しかも、話が重い割には予想外に笑えるシーンが多かったのも楽しかったし、撮影も素晴らしくて、今まで観た監督作の中では、もっとも商業映画としてクオリティが高いと思ったり。ヒットしたかどうかは知りませんが(汗)、井口監督、またひと皮剥けたんじゃないでしょうか。


公式の本編動画↓ Mっ気のある男性には超ストライクでしょうな。




まぁ、刺さる人にはスゲー刺さる映画ですよね。映画ライターの小野寺系さんが本作のパンフに寄稿したコラム「教室の窓際に座っていた“けもの”」の中で、本作の春日のように「“あいつら”とは違う特別な“何か”になりたい」と思っていた学生時代を告白していたんですけど、僕も笑いながらもブンブンと頭部が脳震盪を起こすほどに同意したというか。僕の中学生時代は自己肯定感が低めだったから「周囲の人間は愚かだ」とまでは思っていなかったけど、でも、「いつか僕が書くファンタジー小説が世界的なベストセラーになるのだ!(`∀´) フハハハハハ」的な野望は抱いていて。「ドラゴンランス戦記」やら「エルリックサーガ」やらをパクった小説を書いたりしつつ(でも最後まで書き終われない)、日本のファンタジー小説を読んでは「こういうところが甘いんだよな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」なんてしたり顔だったというね…。ちなみに、押見修造先生は筋肉少女帯が大好きで相当影響を受けたそうですが(ご本人がインタビューで発言しているように、モロに「蜘蛛の糸」っぽい話だし)、僕は本作を観ていたら「やぁ、詩人! 奇をてらったりしないのかい?」なんて部分に死にたくなった「サーチライト」の歌詞が脳裏に浮かんで、「照射!照射!照射!照射!(゚Д゚) ショウシャ!」って感じでしたよ…って、なんだそりゃ ( ゚д゚)、ペッ


一応、筋肉少女帯の名曲「サーチライト」を貼っておきますね↓




ただ、今の僕はさすがに47歳のオッサンなので、100%感情移入するというよりは客観視できた部分が多かった。若いころはすぐに「あいつら」とか「こっち側」とか言いがちですが、そう思われている「あいつら側」だって、たぶんそれなりのこじらせはあるハズであって。仲村は「“何か”ではある人」だったから、春日は惹かれたんでしょうけど、それでも所詮は中高生というかさ。結局、2人の行動や考えていたことなんて、大なり小なり、思春期の若者的にはそれほど異常だったり、特別だったりするものではないんですよね、たぶん。あと、僕的には、春日の前に現れる「惡の華」は“肥大した自意識”というだけでなく、いわゆる「魔が差した」とかで使われる「魔」そのものだとも思っていて。彼らのように「タガが外れるかどうか」なんて、最終的にはその人の運とかタイミング次第なんじゃないかな…なんて思ったりもしましたよ(とはいえ、ここに貧富の差とかが絡むとまた「話はべつ!(゚⊿゚)」なんですがー)。つーか、ごめんなさい、すっかり文章の着地を見失ったというか、何を書いているのかよくわからなくなってきました… (ノω・、) スミマセン


この「惡の華」、チープに見えるかもしれませんが、僕は結構怖かったです。


なんとなく今の僕の気持ちを代弁する範海王を貼っておきますね(「バキ」より)。
ワケがわからない範海王


何はともあれ、そんな面倒くさい思春期特有の心理を見事に描いていて、僕的には「そんなふうに考えていた時期が僕にもありました ( ´_ゝ`)」ってな調子で微笑ましく観られて、とても面白かったです…な〜んて達観したヅラした文章を書きましたが、しかし。なんて言うんですかね、この記事の序盤に「意味のない面倒くさい文章」を垂れ流したように、思春期ほどじゃないにしても、残念ながら現在も“何か”をこじらせている僕がいて。ハッキリ言って、47歳のオッサンなのに、いまだに「あいつら」とか「こっち側」とか言いがちですものね…。とはいえ、ネットには僕よりはるかに年上で頭の良い金持ちでもやはりこじらせている人が相当数存在するから、やはり大なり小なり、人間の内面では永遠に「光と闇の果てしないバトル」が続くのかもしれませんな。おしまい。




すでに配信がスタートしております。ソフトの販売は3月3日から。



CD盤のサントラを貼っておきますね。



押見修造先生による原作漫画。キツそうで、とても読める気がしません… (`Δ´;) ウーン



押見修造先生が町山智浩さんの影響で観たというフランス映画。気になるなぁ。



押見修造先生の漫画を映画化した作品繋がりで。僕の感想はこんな感じ。



一番好きな井口昇監督作はこれです。



高校生の時に読もうとして挫折しました… (´・ω・`) ムズカシイ