ジェミニマン(2D・字幕版)(2K/120コマ/3D/HDR上映・字幕版)(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ジェミニマン(2D・字幕版)(2K/120コマ/3D/HDR上映・字幕版)(ネタバレ)

ジェミニマン(2D・字幕版)(2K/120コマ/3D/HDR上映・字幕版)※いろいろと追記しました(11/19)



原題:Gemini Man
2019/アメリカ 上映時間117分
監督:アン・リー
製作:ジェリー・ブラッカイマー、デビッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、ドン・グレンジャー
製作総指揮:チャド・オマン、マイク・ステンソン、ブライアン・ベル グォ・グワンチャン、ドン・マーフィ
原案:ダーレン・レムケ、デビッド・ベニオフ
脚本:デビッド・ベニオフ、ビリー・レイ、ダーレン・レムケ
撮影:ディオン・ビーブ
美術:ガイ・ヘンドリックス・ディアス
衣装:スティラット・アン・ラーラーブ
編集:ティム・スクワイアズ
音楽:ローン・バルフェ
視覚効果監修:ビル・ウェステンホファー
出演:ウィル・スミス、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、クライブ・オーウェン、ベネディクト・ウォン、ダグラス・ホッジ、ラルフ・ブラウン、リンダ・エモンド、イリア・ヴォロック、E・J・ボニーリャ、セオドラ・ミラン、ディエゴ・アドナイ、リッラ・バナク
パンフレット:★(820円/フッテージプレゼンテーションは読み応えあったけど、ストーリー紹介も企画ページもコラムもナシでこの値段?)
(あらすじ)
史上最強とうたわれるスナイパーのヘンリー(ウィル・スミス)は政府に依頼されたミッションを遂行中、何者かに襲撃される。自分の動きをすべて把握し、神出鬼没な謎の襲撃者の正体は、秘密裏に作られた若い頃のヘンリーのクローンだった。その衝撃の事実を知ったヘンリーは、アメリカ国防情報局の捜査官ダニー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)の協力を得ながら、政府を巻き込む巨大な陰謀の渦中へと身を投じていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




40点
70点


確か「ジェミニマン」って「キン肉マン」の超人にいたような、いなかったような…なんてことはどうでも良いとして。「“若いころの自分”と戦うアクション」となれば、最近は「ターミネーター:新起動/ジェニシス」「LOGAN/ローガン」とかでやってましたな…というのは「映画秘宝2019年12 月号」で“信頼できる映画ライター”のギンティ小林さんが指摘されていた通りでしてね(尻馬に乗った文章)。ハッキリ言って、ウィル・スミス主演作は全体的にそれほど好きじゃないものの(勝手な偏見ですが、独善的な主人公が多いイメージ)、8月に観た「アラジン」が予想外に良かったのと、「vsクローン映画」となればジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作「レプリカント」を紹介できる良い機会だと思って、観る気ゲージは満タンですよ(微笑)。さらに愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題作品になったということで、月曜日に小山で「見えない目撃者」「いちごの唄」を観てから新宿に移動→TOHOシネマズ新宿にて「1ヵ月フリーパス」を使って2D・字幕版を鑑賞いたしました。「ウィル・スミス、合わないな〜 (・ε・)」と思ったり。ハッキリ言って、かなり文句が多めなので、本作が好きな人はここからは読まない方が良いです。


5番スクリーン、22時20分からの回なのも影響したのか、観客は20人程度だった記憶。


ちなみに「キン肉マンⅡ世」の「読者の考えた新超人コーナー」をよく見ると…。


大阪府の米倉一敦さん(25歳)が考えた超人「ジェミニマン」がいたYO! って、どうでも良いね (´∀`;) スミマセン



まず、書いておきたいのは、僕が観たのは「2D・字幕版」であり、本作が力を入れたという「3D+in HFR」ではないということ。こちらの記事によると「史上最高の没入感&臨場感を実現し、なんと通常の35倍もの情報量をもって空前絶後の劇場体験を味わえる」とのことですが、例えば3D鑑賞用に作られた「アバター」を2Dで観てもあまり意味がないように、本作もまた「3D+in HFR」で観ていないと、その「真の魅力」は堪能できないんじゃないかと思っていて。上映館数が少ない上に時間も合わなかったので諦めましたが、その点では少し残念だし、今回そのまま感想を書くこと自体を申し訳なく思ったり、思わなかったり (゚⊿゚) ドッチダヨ


「3D+in HFR」の紹介動画を貼っておきますね↓




で、まず褒めたい部分を書くと、アクション演出はユニークでしたな。予告編でも流れていた「今のウィル・スミス(=今スミス)vs若いウィル・スミス(=若スミス)」によるバイクチェイス&格闘シーン(監督曰く「バイ・フー(BIKE FU)」だとか)は「こんなバイクの使い方があったなんて!(*゚∀゚)=3 ムッハー」と感心するところが多かったし(特にアクセルをふかした状態から手を離してぶつける攻撃が愉快)、全体的に長回しをしたり、面白い構図で撮っていたりと、なかなか工夫されていた印象。ヒロインのメアリー・エリザベス・ウィンステッドがちゃんとアクションに参加するのも良くて(賞味期限切れのクラッカーをボリボリ食うワイルドな性格設定も好きさ!)、序盤のタイマンシーンは眼福だったし、クライマックス、フルフェイスヘルメットの暗殺者(実はもっと若くて痛覚を取り除いたウィル・スミスのクローン)を3人がかりで倒す展開は嫌いじゃなかったです。

ただ、物語があまりにも雑じゃないですかね。もうね、脚本が前時代的というか、「DNAが同じだと性格やトラウマまで同じ」なんてアホな話を今スミスが真剣な顔で若スミスに語ったりするから、「マジか!(`Δ´;) ヌゥ」と。大体、何人もウィル・スミスを作る&育てようとするのが非効率すぎて腑に落ちないというか、今の時代、まだ「DNAをいじってスーパーソルジャーを作りましょう」的な研究の方が飲み込みやすいのでは…なんて疑問は映画が成立しないから置いとくとしても。クライヴ・オーウェン演じるヴァリスを殺せばすべて解決という安易な着地がスゲー居心地が悪かったです(あんな大規模な計画なのに、1人殺せばOKなの?)。

いくらヴァリスがクソ野郎でも長年一緒に暮らしてきた“育ての親”じゃないですか。それなのに若スミスの寝返りが驚くほど早いし、「若スミスの目の前で今スミスがヴァリスを射殺してハッピーエンド」ってのはさすがに人の心がなさすぎじゃないですかね。監督的には「親子の話」を描きたかったのかもしれませんが全然乗れなくて、6ヵ月後に時間が経過したラスト、若スミスが今スミスにすっかり懐いている姿はちょっと見てられなかったですよ。それと、パンフには不気味の谷を越えた」みたいなことが書かれていたけど、ごめんなさい、明るいところで見るフルCGの若スミスは違和感バリバリで気持ち悪かったです(アクションしている時は全然気にならなかったんですがー)。


鑑賞中の僕の気持ちを代弁する徳川光成を貼っておきますね(「バキ道」より)。



というワケで、アクションは嫌いじゃなかったものの、話はつまらないし、なんか全体的に説教臭くて独善的な感じがして全然乗れなくて、「80億円の赤字になった」というのも妙に納得できるというか。あらためて「ウィル・スミス主演作は合わないなぁ (・ε・) ウーン」と実感した次第。ただ、「3D+in HFR」で観ていたら評価は違っていたような気がしないでもないのでね、興味がある方はぜひ「3D+in HFR」で観てみてくださいな。おしまい。




<追記(11/19)>

11月1日にアップした感想では「『3D+in HFR』で観ていたら評価は違っていたような気がしないでもない」なんて書いたワケですが、宇多丸師匠の的確かつわかりやすい時評を聴いてみたら、「『上映形式そのもの』が作品の鑑賞体験に大きな違いをもたらす、というタイプの1本が来てしまった」「画期的な撮影方法、上映方式こそが、最も重要な要素、とさえ言っていい1本」なんて言ってるから、スゲー気になってしまって。ちくしょう、本当は仕事をする予定だったものの、急遽、11月4日(月・祝)、MOVIXさいたまにて「2K/120コマ/3D/HDR上映」の字幕版を鑑賞してきたのです。

MOVIXさいたまに来るのは初めて。8割ぐらい埋まってたと思います。


で、感想を書くと、宇多丸師匠も仰有ってたように、従来の2D上映とは別物でした。もう映像がクリアすぎてリアル感が半端なくて、大きな窓から向こうの風景を眺めている感じ? しかも3Dだから、登場人物が客席の方を向くときとか、顔がヌッと出て来そうでドキドキしましたよ。初めて「アバター」の3D上映を観た時以上の衝撃でした。あと、完全にこの方式用に撮影しているのもよくわかるというか、2Dで観た時は凡庸に感じたシーンも「あ、こういう効果を見せたかったのか!Σ(゚д゚ )」と気づかされて良かったです。もうね、一番スゴかったのはアクションシーンで、この方式で観るとより面白くなっていて。ちょっと感動しましたよ。

とは言え、物語自体は相変わらずどうかと思う内容…というか、やっぱりつまらなかったし、最後の若スミスにも同じような気持ち悪さを感じたので、30点アップの70点という着地。かなり上映館が限られてはいるものの、まだ「3D+in HFR上映」をしているところはあるので(とりあえずMOVIXさいたまはまだやってる)、ぜひ観てみてくださいな。映画として面白いかどうかは置いといても、一見の価値はありますぞ (o^-')b オススメ!




デジタル盤のサントラでございます。



一番好きなアン・リー監督作はこれですかね。まぁ、それほど監督作を観てないんですがー。



今年観たウィル・スミス主演×ガイ・リッチー監督作。僕の感想はこんな感じ



悪のヴァン・ダムを正義のクローン・ヴァン・ダムが追うリンゴ・ラム監督作。大好きです (〃∇〃) ウフフ