スパイダーマン ファー・フロム・ホーム(IMAX3D・字幕版、2D・吹替版)(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

スパイダーマン ファー・フロム・ホーム(IMAX3D・字幕版、2D・吹替版)(ネタバレ)

スパイダーマン ファー・フロム・ホーム(IMAX3D・字幕版、2D・吹替版)



原題:Spider-Man: Far From Home
2019/アメリカ 上映時間135分
監督:ジョン・ワッツ
製作:ケビン・ファイギ、エイミー・パスカル
製作総指揮:ルイス・デスポジート、ビクトリア・アロンソ、トーマス・M・ハメル、エリック・ハウサーマン・キャロル、レイチェル・オコナー、スタン・リー、アビ・アラド、マット・トルマック
原作:スタン・リー、スティーブ・ディッコ
脚本:クリス・マッケーナ、エリック・ソマーズ
撮影:マシュー・J・ロイド
美術:クロード・パレ
衣装:アンナ・B・シェパード
編集:ダン・レーベンタール、リー・フォルサム・ボイド
音楽:マイケル・ジアッキノ
音楽監修:デイブ・ジョーダン
視覚効果監修:ジャネク・サーズ
ビジュアル開発主任:ライアン・メイナーディング
出演:トム・ホランド、サミュエル・L・ジャクソン、ゼンデイヤ、コビー・スマルダース、ジョン・ファブロー、J・B・スムーブ、ジェイコブ・バタロン、マーティン・スター、マリサ・トメイ、ジェイク・ギレンホール、アンガーリー・ライス、トニー・レボロリ、レミー・ハイ、ヌーマン・アチャル
パンフレット:★★★★(1080円/カバー付き&増ページの特別版を購入。ネタバレに触れているコラムは好きだけど、それ前提のジェイク・ギレンホールのインタビューが読めないのは残念…って、やっぱり難しいんでしょうな)
(あらすじ)
夏休みに学校の研修旅行でヨーロッパへ行くことになったピーター(トム・ホランド)は、旅行中に思いを寄せるMJ(ゼンデイヤ)に告白しようと計画していた。最初の目的地であるベネチアに着いたピーターたちは水の都を満喫するが、そこに水を操るモンスターが出現。街は大混乱に陥るが、突如現れた謎のヒーロー、ミステリオが人々の危機を救う。さらに、ピーターの前には元「S.H.I.E.L.D.」長官でアベンジャーズを影から支えてきたニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が現れ、ピーターをミステリオことベック(ジェイク・ギレンホール)に引き合わせる。ベックは、自分の世界を滅ぼした「エレメンタルズ」と呼ばれる自然の力を操る存在が、ピーターたちの世界にも現れたことを告げる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の記事は、そりゃあ「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ エンドゲーム」のネタバレに触れているので、気をつけて!
※本作については、結城了さんの記事が面白いのでぜひ読んでほしいし、劇中で使われた音楽についてはこちらの記事を読むのがオススメでございます。


愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題作品になったので、本作の感想を更新しておきますね。基本的に「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の作品は劇場で観る主義だし、衝撃的だった「アベンジャーズ エンドゲーム」の続きが観られるということで、そりゃあ観る気マンマンであり、前売り券を2枚購入(特典は「US版ポスター」と「くるくるウェブ付きオリジナル・ミニフィギュア」をゲット)。6月28日(金)=公開日にTOHOシネマズ新宿ピザポテト味のポップコーンを食らいつつIMAX3D・字幕版を観てから(あの黒沢薫さんも同じ回を観てたっぽい!)、今週月曜日にユナイテッド・シネマとしまえんにて2D・吹替版を鑑賞いたしました(その後、「メン・イン・ブラック インターナショナル」をハシゴ)。「続行きを!!!ヽ( `Д´)ノ┌┛)`д) ;∴; ゲハッ」と思ったり。


諸々のgifを貼っておきますよ。ピザポテト味はまぁまぁカナー (・ε・)


僕の気持ちを代弁するジャック・ハンマーを貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



最初にあらすじを適当かつ超雑に書いておくと、「インフィニティ・ウォー」のラストでは「サノスによる“指パッチン”」によって消えてしまったピーター・パーカー(a.k.a.スパイダーマン)でしたが、その5年後、「エンドゲーム」での「ハルクによる“指パッチン”」で無事復活しましてね。トニー・スターク(a.k.a.アイアンマン)が死んだ時はションボリしたものの、それなりに立ち直って学生生活を再開したピーターは、夏休みのヨーロッパ研修旅行で気になるクラスメイトのMJに告白する計画を立てていたんですが、しかし。ヴェネツィアに着いてみれば水のモンスターが出現するからビックリですよ。どうしようかと慌てていたら、颯爽と登場した謎の男クエンティン・ベック(a.k.a.ミステリオ)が倒してくれた上に、ニック・フューリーがホテルにやってきましてね。先ほどの怪物は、ベックが住んでいたアース833を滅ぼしたエレメンタルズの1体であり、最強の“炎のエレメンタル”がプラハに出現するということで、ピーターは怪物退治にほぼ強制参加させられるというね (´Д`;) イヤーン


上では省きましたが、映画は謎の男ベックがメキシコで土のエレメンタルと戦うシーンからスタート。


場面変わって、ピーターはヨーロッパへの研修旅行にウキウキ気分だったんですが…。


旅先で水のエレメンタルが大暴れ→ベックが登場したせいで予定が大幅に狂いまして。


ピーターは戸惑いながらも作戦に参加することになるのでした。



で、プラハに着いてみれば、苦戦しながらもベックが「家族の仇だ!(`・ω・´) キリッ」と身を挺して炎のエレメンタルを倒してくれまして。すっかり彼に心酔したピーターは、スタークが自分に託してくれた“防衛システムを起動できる万能メガネ型AI搭載端末”「E.D.I.T.H.(イーディス)」を渡してしまうんですけれども。ベックったら、実は「シビルウォー」に出てきたB.A.R.F.システムの開発者であり、スタークに恨みを持つ元社員でしてね。アース833なんてのは真っ赤なウソであり(苦笑)、「アイアンマン」オバディア・ステイン(a.k.a.アイアンモンガー)にこき使われていた科学者をはじめとする「スタークや彼の会社に恨みを持っているっぽい仲間たち」と手を組んで、ホログラムを投影できるハイテクドローンを使って、エレメンタルズとの戦いを自作自演していたのです。そんなことにはまったく気付かないピーターは、MJと一緒に夜の街を散歩しながら告白しようとしてみれば! MJに正体がバレていた→戦闘中にクモ糸でドローンからもぎ取っていたプロジェクターをMJが拾っていた→ベックに騙されたことが判明→そんな悪人にイーディスを渡しちゃってたから、僕はバカだッ!Σ(°д°;) ドウシヨウ!


プラハでは身バレを防ぐために別コスチュームで戦って、「ナイトモンキー」と呼ばれることに。


任務終了後、ベックにいろいろと相談したピーターは、イーディスを託しちゃうんですが…。


MJに告白しようとしてみれば、正体はバレてるわ、ベックに騙されたことがわかるわと踏んだり蹴ったり。


すっかりガイア気分だった…という不要な刃牙画像(「範馬刃牙」より)。



ピーターはとりあえず「フューリーに伝えなきゃ!(´Д`;)」と急いでベルリンに向かってみれば、ベックにアッサリ騙されて、MJとネッドが自作自演を知っていることを教えちゃった挙げ句、列車に轢かれて死にかけましてね…。オランダからハッピー・ホーガンを呼び出して事情を説明すると、MJたちがいるロンドンに向かって、ベック with ドローン軍団と対決→見事勝利→ベック死亡!m9`Д´) ザマァ! さらにMJから告白&キスをされて、ニューヨークでウェブスイングしたりして、めでたしめでたし…と思いきや! ベックの死ぬ間際の映像がニュースで流れる→ロンドンの騒動がスパイダーマンのせいにされた上に正体もバラされちゃったから、なんですと!?Σ(°д°;) マジカ! 最後は、劇中に出てきたフューリーとマリア・ヒル「キャプテン・マーベル」に出てきたスクラル人のタロスと妻ソレンだったことが判明して、宇宙基地っぽいところで休暇をしていたフューリーが映って、終わってましたよ、たぶん。


ピーターったらベックにだまされてこんな目に遭うも、なんとか生き延びると…(「範馬刃牙」より)。


ミステリオvs合体エレメンタルという自作自演を暴きまして。


最後はMJとウェブスイングをしてハッピーエンドと思いきや、衝撃展開が待っていたというね (´Д`;) タイヘーン!



ごめんなさい、非常にバカっぽい文章を書きますが、スゲー面白かったですYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッタァ! ちょっとアメコミを読んでいる人なら「ミステリオが登場する→どうせ自作自演だろ (゚⊿゚)」と誰もが予想していたワケで、そりゃあ展開自体は予想通りだったものの、「個人ではなく集団でミステリオを作っていた=“映画の中のヒーロー”を重ね合わせられる設定」なのがユニークだったし(わざと自己犠牲っぽいことをしたりとか、良い意味でイヤらしい)、何よりもジェイク・ギレンホールのクズっぷりがたまらなかったというか。フューリーが助けにきた…と思わせて列車に轢かせるとか、君には負けたよムードを漂わせながら射殺しようとしたりとか、最後の最後にフェイク映像を作って正体を全世界にバラしちゃうとか、あまりの精神性の酷さに「なにこのクズ!(´∀`) デモエガオ」と舌つづみを打っちゃう感じ。「ナイトクローラー」でも“最悪な男”を見事に演じていた彼ですが、本作のクズ演技もまた最高で、あまり魅力的な悪役が出てこないと言われがちなMCU作品の中でもベスト3には入れたいくらい好みでしたね。つーか、前作「ホームカミング」ヴァルチャーだけでなく、長編映画2作目の「COP CAR/コップ・カー」に出てきた悪徳警官(ケヴィン・ベーコン)も良かったし、ジョン・ワッツ監督はヴィランの描き方が上手いのかもしれませんな。


ジェイク・ギレンホール、最高でした。僕も思わず奥さんとのセックスレスについて相談したくなりましたよ。


ピーターとのやり取りはクライベイビー・サクラとグレート巽の攻防を連想いたしました(「餓狼伝」より)。



上記の適当なあらすじではあまり触れませんでしたが、青春模様も微笑ましかった。映画開始早々に流れる「学生が作った安い追悼映像&校内ニュース」は好感が持てたし(「新しいフェーズが始まります」という台詞も好き)、「好きな子と過ごすプランを立ててきたんだ (´・ω・`)」というピーターがとにかくいじらしくて可愛いし(トム・ホランド、本当に23歳なの?)、「ムー」「カラパイア」を愛読してそうなMJもまた可愛いし、「ヨーロッパでアメリカの男はモテる」なんて「ホステル」の登場人物みたいな話をしていたくせに、ベティと付き合うことになった途端、「アレはガキの戯言だよ、彼は大人になった ( ´_ゝ`)」なんてしたり顔で語るネッドも可愛いし(つーか、バスローブ姿でベティの部屋へ→童貞を捨てた!? (°д°;) マサカ!?)、そもそもベティ役のアンガーリー・ライスは相変わらず可愛いしと(「ナイスガイズ!」の娘役が白眉)、ああん、本作の若者たちはとにかく可愛いのです (´Д`;) ハァハァ 特に最後、MJがピーターにキスするシーンとか、あまりに素敵すぎて胸が締めつけられるようで、「どれどれ、私も久しぶりに奥さんにキスでもしてみましょうかな(微笑)」と思い立って、先日、不意にキスしようとしたら、三寸だけ退いて避けられたのでしたーー。


不意のキスをかわした奥さんの動きは「烈海王の九節鞭をかわす宮本武蔵」のようであり…。


僕は本部以蔵のように驚いた…って、なんだこの話(「刃牙道」より)。



ラストの「ベックの映像が流れる衝撃展開」については、自分から正体をバラす「アイアンマン」「ホームカミング」でメイおばさんにバレるエンドの合わせ技感があるワケですが、「ずっとウソをついて正体を隠していたことがバレた」というのはミステリオと対になっていて面白いなぁと。ハッキリ言って、あんなに証拠が残りまくっている現場なんだからベックの映像が信じられる可能性は限りなく低いと思うし、そもそもベックの顔が流れた時点で「あいつ、スターク社で働いてた奴じゃね?(゚⊿゚)」的なことになると思うので、3作目では「一般的にはフェイクニュースだと思われているものの、一部の人は信じてる」といった現代の世相を反映した展開になる気がしているんですが、どうでしょうか。

で、正体をバラされたことで厭なクラスメイトだったユージーン・“フラッシュ”・トンプソンが仲間になってくれたらいいなぁと(本作のラストで母親が迎えに来なくてションボリしていたのは伏線なのでは)。それと、サム・ライミ版「スパイダーマン」三部作に出ていたJ・K・シモンズ演じるJ・ジョナ・ジェイムソンが登場したことで、実写版「スパイダーバース」が作られるのでは…というのは妄想が過ぎますかな (´∀`) エヘヘ まぁ、前作も本作もピーターはトニー・スタークのせいで迷惑を被っているので、3作目はピーターがスタークの負の面に向き合いつつ、ヒーローとしての自分を確立する話になるような気がしないでもないと思わないでもないです。


実写版「スパイダーバース」でこのヒーローが参戦したら、間違いなく射精するでしょうな(心が)。




その他、好きなところを書いておくと、アクションは全体的に面白かったし(アクションだけに関して言えば「スパイダーバース」より好き)、ホログラムにまどわされないために目を閉じて「ピーターむずむず(a.k.a.スパイダーセンス)」に頼って戦うクライマックスは「ブラッドスポーツ」オマージュでうれしかったし(勝手な決めつけ)、最後のベックの銃撃をかわすシーンの見せ方は鳥肌が立つほど超カッコ良かった。『バック・イン・ブラック』が流れる中、自分でスーツを作るシーン」がアイアンマンっぽかったりとか、「車のドアをシールド代わりにしてお手製の爆弾を振り回すシーン」が「エンドゲーム」のキャプテン・アメリカっぽかったりとか、イギリス兵がドローンを撃ち落とすシーンとかも好きだったし、エンドクレジットもポップで楽しかったですね〜。


アクション映画や漫画によくある「心眼で戦う場面」、大切にしたいものです(「ブラッドスポーツ」より)。



エンドクレジットで流れるThe Go-Go's「Vacation」も良かったですな。




って、ベタ褒めしてますけど、正直なところ、よくよく考えると「ん?」と思うところも少なくなかったりする面倒くさいアタシ。主要登場人物が軒並み「5年間消えた側」だった…ということは置いとくとして。まず、一番乗れなかったのは「高校生にイーディスなんて危険なシステムを渡すなよ」と。ピーターが恋仇のブラッドをドローンから守るシーン自体は愉快でしたが、「アイツがターゲット」ぐらいの軽い言葉で同級生を殺害できるシステムですよ? まぁ、「そもそも『エンドゲーム』の決戦であのドローン軍団も使えば良かったのに… (`Δ´;)」というのは別の映画だから気にしないとしても、いくらピーターが良い子で「アイアン・スパイダー」は使いこなせているとしてもさ、ペッパー・ポッツとかクリント・バートン(a.k.a.ホークアイ)とかブルース・バナー(a.k.a.ハルク)といった、しっかりした大人に託すレベルのシロモノじゃないですか…って、こんなことを書いたら話が始まらないワケですがー。


イーディス、高校生には荷が重すぎ&危険すぎだと思ったり。



それと「タロスが化けていたフューリーだからベックに騙されたのも仕方ない」的なことにしたかったんでしょうけど、地球人よりはるかに優れた科学力を持つスクラル人たちがベックのヨタ話を何の検証もせずに信じたってのも飲み込みづらくないですかね。いくらおかしなことがいろいろ起きている世界だからって、鵜呑みにするレベルの話ではないよなぁと(むしろ一番調べる部分じゃないの?)。つーか、終盤にドローンを撃ち落としたマリア・ヒルが素敵だっただけに「ソレンが化けていた」というオチも、少し微妙な気持ちにもなりました。大体、ミステリオの「ホログラムをドローンで投影してました」というトリックも相当無理があるし…。あと、吹替版に関してはノーストレスでスムースに楽しめたんですけど、エンドクレジットで日本版主題歌を流すのは勘弁してほしかった。いや、作品に合っていればまだ良いんですが、今回の「凛として時雨」の歌は余韻が台無しだったというか(「スパイダーバース」の時は許せたのに…)。僕は基本的に日本版主題歌の必要性はゼロだと思ってますけど、どうしても入れたいなら、せめて「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のように、吹替版キャストのクレジットの時だけにしてくれないですかね (・ε・) ウーン


この人たちは決して悪くないと思うのですが…。




何はともあれ、例によって文句も書きましたが、トータル的にはスゲー面白いエンタメ青春映画だったワケですけれども。あんな気になる引っ張り方をしておいて、MCUの次回作が公開されるのは2020年5月1日というのだから、ケヴィン・ファイギに「続行きを!!!ヽ( `Д´)ノ┌┛)`д) ;∴; ゲハッ」と蹴りを入れたい強い気持ち、強い愛(通報されそうな文章)。つーか、今の時代、CGで簡単に若返り処理ができますけど、さすがのトム・ホランドやネッド役のジェイコブ・バタロンもいつかは高校生役が厳しくなっちゃうワケで、その前になるべく早く続編を公開してほしいと思っております。


あらためて僕の気持ちを代弁するジャック・ハンマーを貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



おしまい。




デジタル盤のサントラ。輸入CD盤もあります。



トム・ホランド×ジョン・ワッツ監督による前作。僕の感想はこんな感じ



MCUとしての前作。僕が書いた“雑なあらすじ”はこんな感じで、感想はこんな感じ



ジェイク・ギレンホールのクズっぷりが清々しい映画。僕の感想はこんな感じ