「リング」から「ザ・リング リバース」までの雑な11本分の感想文(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

「リング」から「ザ・リング リバース」までの雑な11本分の感想文(ネタバレ)

※今回の記事は「リング」シリーズ全般のネタバレをしまくっているので、気をつけて!

※今回の記事は「ジュラシック・ワールド 炎の王国」のネタバレに触れているので、気をつけて!

 

鈴木光司先生の原作小説を見事に映像化し、全世界にJホラーブームを巻き起こした“ホラー映画の金字塔”「リング」と、その続編やらハリウッドリメイクやらについては、そんなに思い入れがあるワケではなくて。率直に書くと、確かに1本目は怖かったので、そこからシリーズ4本目の「リング0 バースデイ」まではレンタルで観てみたけど、小説3作目の「ループ」がなかなか奇妙なSFだったのもあって(実は「『リング』と『らせん』は仮想世界「ループ」内の出来事だった的な話)、結構どうでも良くなって。ハリウッドリメイク版には興味が湧かなかったし、2012年ごろに公開された「貞子3D」についてもスルーしていたんですけれども。2016年公開の「貞子vs伽椰子」はその企画のバカバカしさに感心した&大好きな白石晃士監督作だったということで、初めて関連作を劇場鑑賞した…ってな調子。

 

そして、今年の話。5月に池田エライザさんを主役にした新作「貞子」が公開されることになって。昨年、邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん」を読んでなんとなく「貞子3D」に興味が湧いていたし(なんと「バトル馴れした石原さとみが華麗な鉄パイプさばきで貞子を次々と粉砕する」という… (`Δ´;) ホント?)、前売り特典の「シャクレル貞子」にも少し惹かれてしまったので、つい前売り券を買っちゃったというね…(遠い目)。で、ボンヤリと検索してみれば、関連作10本「UTAMARU-NEXT」の付き合いで加入したU-NEXTにあったので、それまでのシリーズを一気にチェックしておこうと思った次第。まぁ、感想は超アッサリ気味&雑なので、適当な気持ちで読んでいただけるとありがたいです。

 

 

ちなみに「シャクレル貞子」はこんな感じでございます。

 

 

<1本目:リング(1998):75点>

 

主演が松嶋菜々子さんと真田広之さんで、中谷美紀さんに竹内結子さん、松重豊さんとか、キャストが結構豪華だったんだなぁと。貞子の父親役が伴大介さんだったのは驚きましたよ。まぁ、今観ても面白いというか、テレビ画面から貞子が出てくるシーンはさすがに厭な感じだったし、「ビデオをダビングして他人に見せると助かる」というオチも実に都市伝説っぽくて良いですな(とは言え、「らせん」で違うことがわかるワケですがー)。

 

 

<2本目:らせん(1998):70点>

 

「リング」の直後から始まるワケですが(劇場公開のタイミングも連続してた)、都市伝説的なホラーからSFホラー的なテイストになっているところが結構好き。すっかり忘れてましたが(汗)、最後、佐藤浩一さんの“裏切り”によって、真田広之さんが復活→全人類貞子化計画が始まるラストは、なんとなく「ジュラシック・ワールド 炎の王国」の終末感に似てるなぁと思ったり(って、こっちの方が先ですがー)。あと、人体の解剖描写がそこそこリアルで好きです。

 

 

<3本目:リング2(1999):60点>

 

本当は「らせん」の続きとして「ループ」が製作されるはずだったものの、「映像化が難しい」「内容がSF」「話のスケールがでかくて低予算で作れない」といったことから、「らせん」が「なかったこと」になったパラレルワールド的続編が作られることになった…ってのは、「ループ」を読んだ時点で予想できたことだったりしましてね。まぁ、中谷美紀さんが「デッドゾーン」っぽい超能力者として頑張ってたし、小日向文世さんが若かったし、深田恭子さんの演技が初々しかったです。最後はプールで実験してみたら貞子の井戸に転送されたり、真田広之さんの霊に助けられたり、柳ユーレイさんがフカキョンの霊に取り憑かれたりしてましたが、なんか全体的に理屈がゴチャゴチャしててよくわからなかったカナー(バカっぽい着地)。主題歌が今井美樹さんだったのが、ちょっとビックリ。

 

 

<4本目:リング0 バースデイ(2000):63点>

 

貞子の誕生譚。これも元になった短編集を読んでいた…ってのは、当時の僕はこのシリーズをそれなりに好きだったんでしょうな。これが仲間由紀恵さんの映画初主演作で、この後に「TRICK」でブレイクする…ってのは、なんだか懐かしい話。魔女狩りっぽい流れから劇団員を超能力で殺していく展開は「デビルマン」っぽくて最高だし(山岳ベース事件っぽくもある)、父親が貞子を生きたまま井戸に落とすというオチも悲劇的で好きではあるものの、「“良い貞子”と”悪い貞子”がいた」みたいな設定は、逆に“人間の心の闇”を矮小化しているような気がしないでもなかったです。

 

 

<5本目:ザ・リング(2002):70点>

 

未見だった作品であり、「リング」のハリウッドリメイク(原作小説の映画化ではない)。主演がナオミ・ワッツで、マーティン・ヘンダーソンとかブライアン・コックスとか出ているのはちょっと豪華に感じました。つーか、リメイクなので当たり前なんですが、意外と「リング」に忠実で、“ハリウッド版貞子”のサマラ・モーガンもしっかり怖くて良かったです。そりゃあオチも一緒で、息子にビデオをダビングさせて終わってましたよ。

 

 

<6本目:ザ・リング2(2005):60点>


未見だった作品で、ハリウッドリメイクの続編。なんと「リング」と同じく中田秀夫監督作だったんですね。バカな若者が他人をだましてビデオを見せようとするも失敗して死ぬオープニングはユニークだし(いかにもアメリカのホラー映画っぽい)、「息子がビデオをダビングして生き残ってしまったことに罪悪感を覚えている」という導入は非常に面白いと思ったんですが…。息子がやっぱりサマラに呪われちゃったり、その呪いを解こうとしたりする際の理屈がよくわからないのは、どことなく日本の「リング2」に似てるなぁと(まぁ、僕の理解力が低いだけなんですがー)。個人的には、シシー・スペイセクが出ていたのがうれしかったです。一応、オチを書いておくと、息子を風呂に入れたら憑依していたサマラが逃げたので、主人公はサマラと一緒にテレビの中の井戸に入って対決→勝利って感じでした。

 

 

<7本目:貞子3D 2Dバージョン(2012):65点>

 

未見だった作品であり、邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん」を読んで、スゲー興味を抱いていた1本。ベースになった小説「エス」は未読ですが、内容は結構違っているとか。「貞子3D 2Dバージョン」という何が何やらなタイトルが愉快だし(劇場公開時は3D上映だったから仕方ないんですがー)、「ニコニコ動画で放送された『呪いの動画』を観ると死ぬ」という今どきの設定には感心したし、山本裕典さん演じる“動画の配信者”柏田が「DEATH NOTE」夜神月を意識したっぽいビジュアルなのは好感が持てたし、刑事たちがちゃんと捜査するのも好みだったし、実は超能力者だった教師・鮎川茜役の石原さとみさんも良かったし、蜘蛛のバケモノと化した貞子軍団と戦うシーンも笑っちゃったし、貞子役が橋本愛さんだったのはビックリいたしました。英勉監督、なかなか思い切った内容にしたなぁと。ただ、「呪いの動画」設定がそれほど上手く活かされてなかったと思うし(もっと拡散→死者が大量発生するのかと思った)、「貞子が茜の肉体を使って現世に復活しようとする」という展開もなんだかなー感があったし、正直なところ、「邦キチ!映子さん」の方が面白かった…という身もフタもない文章。最後は、瀬戸康史さん演じる恋人・孝則がスマホを叩き壊すと「勝ったムード」が漂ったものの、エンドクレジット後に山本裕典さんが出てくると、テレビから貞子の手が飛び出して終わってましたよ、たぶん。

 

 

<8本目:貞子3D2 2Dバージョン(2013):60点>

 

未見だった作品で、「貞子3D」の続編。劇場公開時&DVDのリリースから数年の間は、映画とスマホが連動する「スマ4D」という試みをしていたそうで、現在はすっかり配信が終了していたのは残念でしたよ…。主人公は瀧本美織さんに変わっていたものの、石原さとみさんや瀬戸康史さん、山本裕典さん、田山涼成さんなど、前作のキャストが引き続き出演しているのは高ポイント。今回は「前作の主人公である茜と孝則の娘・凪が貞子ではないか?」的な魔少女モノで、それとなく楽しめる感じではありました(奥歯に物が挟まった文章)。一応、オチを書いておくと、あーだこーだあって、「“本当の貞子の子”は数々の電子機器を通じてすでに大量増殖していた」という、飲み込みづらい種明かしをドヤ顔で見せられてエンドクレジットに突入。最後は貞子がこちらに飛び出してきて終わってました。

 

 

<9本目:貞子vs伽椰子(2016):80点>

 

基本的な感想は前に観た時と変わらなかったというか、スゲー面白かったです。特に法柳先生によるお祓いシーンは何度観ても笑っちゃうし、ラストのキレも抜群。正直、「リング」より好きです。

 

 

<10本目:ザ・リング リバース(2017):70点>

 

未見だった作品。一応、「ザ・リング2の続編ではあるんですが、全体的には1作目をやり直したような印象。まず、「大学で『呪いの動画』が本当なのかを実験していた」という設定がアメリカ映画っぽくて好きでしたよ(もちろんそれが原因で次々と人が死ぬ)。ヴィンセント・ドノフリオが出ていたのも良かったです。で、「サマラの過去の因縁を解消すれば呪いが解けるのでは?」という同シリーズお馴染みの展開になるあたりは食傷気味だったんですが、死に顔描写がエスカレートしていたのは楽しかったし(サマラを見る→ミイラ化するレベル)、「結局、呪いは解けずに動画は全世界に拡散されてしまい、主人公のジュリアもサマラ化したっぽい」という絶望エンドはかなり美味しかったです。

 

 

<11本目(番外編):ひきこさんVS貞子(2015):50点>

 

本作は「リング」シリーズと無関係なんですが、一応、タイトルに「貞子」が入っているし、ボンヤリと加入しているNetflixで配信されていたので、つい観ちゃいました。僕は恥ずかしながら、本作で初めて「ひきこさん」という都市伝説があること、そしてそれを題材にした映像作品がシリーズ化されていることを知ったんですけど(汗)、「子どもを引きずって肉塊にする」という設定はなかなか面白いなぁと。ただ、劇中で繰り広げられるイジメ描写がハードなのは良いとしても、ところどころ入る妙なコメディ演出がかなりキツくてね…(しみじみ)。百合や超能力、催眠術といった要素を入れるのも悪くはないんですが、要素が多すぎて話を上手く整理できていなかった印象。ハッキリ言って、それほど楽しくはなかったかなぁ。ちなみに本作の「貞子」は、実在した超能力者の高橋貞子をモデルにした“髙村貞子の亡霊”でして。超能力少女のおかげで復活するも、ひき子さんに敗れて、主要登場人物3人がひき子さんの部屋っぽい場所に並べられて、映画は終わってましたよ。

 

 

 

ということで、韓国版やら「中国共産党に入って大暴れするバージョン」やらは観られませんでしたけど、何とか関連作10本+番外編1本=合計11本を観まして。さらに劇場で「貞子(2019)」を鑑賞したワケですが、おかげさまで自分が好む「リング」関連作の傾向がよくわかったというか。要は「① 貞子の出現ルールが決まっている」「② 破滅的なラストを迎える」作品が好きなんだなぁと。とりあえず今回観た作品でベスト3を選出すると、下記の通りでございます↓

 

 

1位 貞子vs伽椰子

2位 リング

3位 らせん

 

 

何はともあれ、「貞子」というキャラクターはすでにジェイソンやフレディと並ぶホラー界のアイコンになっているのでね、いつかはまた新作やらリメイクやらが作られるだろうし、その時はまた劇場へ観に行こうと思っております。おしまい。