THE GUILTY ギルティ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

THE GUILTY ギルティ(ネタバレ)

THE GUILTY ギルティ



原題:Den skyldige
2018/デンマーク 上映時間88分
監督・脚本:グスタフ・モーラー
製作:リナ・フリント
脚本:エミール・ナイガード・アルベルトセン
製作総指揮:ヘンリク・ツェイン
撮影:ジャスパー・J・スパニング
編集:カーラ・ルフェ
音楽:オスカー・スクライバーン
出演:ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、」ヨハン・オルセン、オマール・シャガウィー
パンフレット:★★★☆(720円/デザインが素敵だし、ネタバレ前提の解説コラムがいいね)
(あらすじ)
過去のある事件をきっかけに警察官として一線を退いたアスガーは、いまは緊急通報指令室のオペレーターとして、交通事故の搬送を遠隔手配するなど、電話越しに小さな事件に応対する日々を送っている。そんなある日、アスガーは、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受ける。車の発進音や女性の声、そして犯人の息づかいなど、電話から聞こえるかすかな音だけを頼りに、アスガーは事件に対処しなければならず……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この映画はネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、未見の人は読んじゃダメ!m9`Д´) ビシッ

「2019年2月公開で観たいと思っている映画の覚え書き」で△を付けているように、最初はそれほど観るつもりはなかったんですよ。ただ、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」「映画『ギルティ』公開記念。研ぎ澄まされた<音>と<声>の演出について、プロの意見に耳を傾けよう特集」なんてやったり、尊敬する映画評論家の町山智浩さんにその魅力を語らせたりするから、いつの間にか「気になるアイツ (・ε・)」気分になっちゃった…というよくあるパターン。で、3月1日(金)=映画サービスデー、ユナイテッド・シネマとしまえんにて、「アリータ バトル・エンジェル」とハシゴ鑑賞してきました。「チョット残念かな… (´∀`;) エヘヘ」ってな感想でしたよ。


9番スクリーン、半分ぐらいの入りだったような。



あらすじを超雑に垂れ流しておくと、勤務中に問題を起こしたせいで、緊急通報指令室のオペレーターをする羽目になった刑事アスガーが、翌日に何らかの裁判を控えている→少しイライラした状態で適当に仕事をこなしていたところ、イーベンという女性の緊急通報を受けまして。その内容は「男に無理矢理さらわれた」って感じであり、正義感をボーボー燃やしたアスガーったらすっかり事件に夢中になりましてね。「さらった男はイーベンの夫ミケル」とか「子どもが死んでいた」といった事実が次々と明らかになって、すっかり妻サイドに感情移入していたところ、なんと「子どもを殺したのは心の病を抱えていたイーベンだった!Σ(゚д゚;) ナンダッテー」ということが発覚するのです(ミケルは息子を殺した妻を精神病院に連れて行こうとしていただけ)。

この事件に付き合っているうちに自分自身の倫理観と向き合ったアスガーは、最終的にイーベンの自殺を止めるために、「ムシャクシャしてやった。誰でも良かった (´・ω・`)」と、翌日に裁判予定の“正当防衛と主張していた被疑者射殺事件”が実は故意だったことを告白しながら説得しましてね。結局、彼女は自殺を思いとどまって、アスガーは周囲に微妙な目で見られながらも「今は反省している (´・ω・`)」と、それとなく人間性を取り戻したムードであり、放送作家の古川耕さんは「映画 ホタルノヒカリ」を少しだけ褒めた罪で「ギルティ古川」と呼ばれるようになったのでしたーー(唐突にまったく関係ない文章)。


要はタイトルの「ギルティ」は主人公のことだったのです(デンマーク語の原題「Den skyldige」も似た意味)。



基本的には楽しかったですよ。公式サイトに載っていた真鍋大度さんの「耳で観る映画」というコメントがピッタリで、設定を聞いた時は「ザ・コール 緊急通報指令室」を連想しましたが、実際に観ている時は“トム・ハーディの1人電話芝居映画”「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」を思い出しました。もうね、「現場の映像をまったく見せずに音だけで想像させる」というのがユニークだし、「夫が悪いと見せかけて、妻の方に問題があった」という脚本もよくできていると思ったし、「主人公が己の罪と向き合う」という展開も面白かった。グスタフ・モーラー監督はこれが長編デビューだそうですが、才能あるなぁと。世間の高評価もうなずけるクオリティであり、誰が観てもそれなりには満足できるんじゃないかしらん。

ただ、正直なところ、観る前に高評価を聞きすぎて、期待値コントロールに失敗したところがあって。ううむ、期待が高まるあまり、つい「たぶんさらった男の方ではなく、さらわれた女の方に問題があるのでは?」とか「このタイトル、実は主人公の罪が暴かれるのでは?」といった予想をしてしまって、結構「その通りの展開」になっちゃったので、よくできた作品だとは思いつつも、「こんな映画だったとは!Σ(゚д゚;)」的な衝撃はゼロだったんですよね…。あと、監督は現地の緊急通報指令室を実際に取材したみたいだから、デンマーク警察的にはリアルなのかもしれませんけど、日本の場合、僕が警察で働いていた20年前ですら110番通報を受ける通信指令室は相当しっかりしたシステムになっていて。本作のアスガーのような自由すぎる行動は100パーセント無理だから(別室で個人が通報を受けるなんて不可能)、すみません、絵空事に見えて乗れない部分も少なくなかったのです。つーか、こんな事件が日本で起きたらNシステムですぐ捕まりそうだし、そもそも母親が息子を殺した時点でいくら警察に不信感があっても通報するだろ…って、身もフタもない文章を書いちゃってゴーメンナサイヨ!( ゚д゚) ゴーメンナサイヨ!


ということで、鑑賞後の僕はガイア気分だったのでした(「刃牙道」より)。



な〜んて、警察描写警察的な駄文を書き散らかしちゃいましたが(汗)、前述の通り、トータルすると楽しかったですヨ (・∀・) ヨカッタ! 良い音響システムで観た方が間違いなく面白いので、まだ上映されているみたいだし、興味がある方は映画館に足を運んでみてくださいな。




設定を聞いた時にすぐ連想した映画(未見)。こちらも評判はよござんす。



鑑賞中に思い出したトム・ハーディ主演作。僕の感想はこんな感じ



古川耕さんが「ギルティ古川」と呼ばれるようになったキッカケの映画。僕の感想はこんな感じ