グリンチ(吹替版)(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

グリンチ(吹替版)(ネタバレ)

グリンチ(吹替版)



原題:The Grinch
2018/アメリカ 上映時間86分
監督:スコット・モシャー、ヤーロウ・チェイニー
製作:クリス・メレダンドリ、ジャネット・ヒーリー
製作総指揮:ラティファ・ワウ、オードリー・ガイゼル、クリス・ルノー
原作:ドクター・スース
脚本:マイケル・ルシュール、トミー・スワードロー
音楽:ダニー・エルフマン
声の出演:ベネディクト・カンバーバッチ、ラシダ・ジョーンズ、キーナン・トンプソン、キャメロン・シーリー、アンジェラ・ランズベリー、ファレル・ウィリアムス
声の出演(吹替版):大泉洋、杏、秋山竜次、横溝菜帆、宮野真守
パンフレット:★★★★(720円/表紙の折り返し部分がドアになっていたりとか、デザインが素敵でクオリティ高め)
(あらすじ)
幼い頃はつぶらな瞳が愛らしかったが、成長してすっかりひねくれてしまったグリンチ。洞窟の中で暮らす彼は、愛犬マックスの献身的な愛にもぶっきらぼうに対応し、山麓の村人たちに意地悪ばかりして楽しんでいた。いつも不機嫌で孤独なグリンチは、村人たちが大好きな「クリスマス」を盗んでしまおうと思いつくが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の記事は、「ミニオンズ」というキャラクターが好きな人はかなり不快になると思うので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、映画とは関係のない心の狭い文章がダラダラと書かれているので、読まない方が良いです。
※この映画については、はちごろうさんのブログを読むと良いザンス。


僕は「ミニオンズ」というキャラクターが大嫌いであり、そこからイルミネーション・エンターテインメント自体も嫌いになったということで(詳細は「SING」の感想を参照)、まったく本作を観る気はなかった…と書きたいところですが、しかし。ジム・キャリー主演の実写版「グリンチ」が好きだったので、「娘とクリスマスの時期に観るなら良いカナー (´∀`=) ウフフ」と前売り券を購入。公開される日を心待ちにしていたのに、ちくしょう、「ルイスと不思議の時計」のせいで、すっかり娘が映画嫌いになってしまったという心底残念な展開。結局、年明けの1月6日(日)、横浜の親友夫婦と一緒にTOHOシネマズ川崎にて鑑賞いたしました(その後、「シュガー・ラッシュ オンライン」をハシゴ)。「これも悪くない ( ´_ゝ`)」と思ったり。


前売り特典は「ベビーグリンチひねカワストラップ」でしたよ。


3番スクリーンで鑑賞。劇場はほぼ満席だったような。


鑑賞後の僕の気持ちを代弁するグレート巽を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。
これも悪くない


ハッキリ言って、鑑賞前の気分は最悪だったんですよ。まず、TOHOシネマズ川崎のロビーにあるミニオン大型フィギュアにムカついたのはもちろんのこと、TOHOシネマズ幕間CM「シネマチャンネル」やら「グリンチ」のシネマイレージカードに入れCMやら、「ペット2」の予告編やら、映画が始まる直前の「イルミネーション×TOHOシネマズムービングロゴ映像」やらのあちらこちらにミニオンどもが登場するから、心底ウンザリしましてね。その上、「ミニオンのミニミニ大脱走」なんて1ミリも興味がない短編を観せられるんだから、たまったもんじゃねぇなと。「よーく考えたら、予告編で観た大泉洋さんの『頑張ります!(°∀°)b』も好きじゃなかったな…」なんてネガティブなことを考えながら本編を迎えたんですが、わたしは間違っていた (°д° )


見かけると蒸着並みの速度でイラッとするミニオン大型フィギュアを貼っておきますね。


間違いを認める割には偉そうなアレクサンダー・ガーレンを貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
わたしは間違っていた


ウソ、おおげさ、まぎらわしさなどを適度に散りばめながら、本作のあらすじをザッと書いておくと、村外れの洞窟に愛犬マックスと住むひねくれ者のグリンチが、クリスマスを祝う「フーの村」の住人たちにムカついたので、計画を練って準備を重ねて、クリスマスイブの夜にサンタクロースに化けてプレゼントを強奪したものの! プレゼントを奪われた村人たちがめげずにクリスマスを祝う光景を目撃して、「わたしの敗けだァァッッ!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!」と号泣&改心。村人たちに謝罪してプレゼントを返すと、ションボリして洞窟に引きこもるんですけれども。村人からパーティに招待されたので、ドキドキしながら足を運んでみれば、みんなとても優しくてね… (ノω・、) ヨカッタネー グリンチも地域社会に溶け込めるようになって、めでたしめでたしでしたよ、たぶん。


なんとなく敗北を認めたように見えるドリアン海王を貼っておきますね(「バキ」より)。



ちくしょう、そりゃあイルミネーションが作るワケですから、グリンチが作る発明の数々は観ているだけでも楽しかったし、3DCGアニメ表現のクオリティが高いのはもう当然として。原作となった絵本に関しては、現在、amazonで「大型本 ¥ 9,198 より」ってな調子なので読むのを断念したため、2000年に作られた実写版と今回のアニメ版のどっちが原作に近いのかは不明なんですけど、両者を比べると、ところどころ違う部分があって。例えば「グリンチが社会に背を向けた理由」ですが、実写版では「体毛が緑色のせいでいじめられたせい」だったから、グリンチのひねくれ振りにも「さもありなん」感があったんですが、アニメ版では「愛を知らない孤児だったせい」になっているから、「そこまでひねくれなくても… (´・ω・`) ウーン」と思わなくもなかったというか(しかも、慕ってくれる愛犬や隣人もいるのに!)。実写版と比較すると、少しクリスマスを盗む動機が弱くなっているような気がしましたよ。あと、実写版は少女のシンディが何度もグリンチの凍った心を溶かそうとするのが好きだっただけに、本作でその要素が薄まっていたのは、残念でしたね。


「ひねくれたのは孤児だったから」というのは引っ掛かるところがなくはない。


アニメ版の愛犬マックスは、人間並みに賢い&慕ってくれるし…。


優しくしてくれる人も普通にいるので、孤独感が薄めだったような。



ただ、アニメ版ならではの良さもあって。実写版よりもはるかに「クリスマスを盗むシーン」がダイナミックかつ面白くなっているし、「シンディは“シングルで大変な母親”をサンタクロースに助けてもらおうとする」という改変は「現代っぽいなぁ」と感心したし(「SING シング」でも主婦の大変さを描いてましたな)、エンドクレジットでグリンチの発明がシンディの母親の家事を助ける場面ではね、「良い発明ダナー ( ;∀;) ヨカッター」涙が止まらなかったです。それと、実写版もアニメ版もナレーションが多くてうざく感じなくもないんですけど、「絵本の雰囲気をそのまま出そうとしている」と考えれば、仕方ないかなぁと(世界中で50年以上も読まれている本だから、オリジナルの言い回しとかも大事にしてるっぽい)。僕は昨年から読み聞かせボランティアに参加するようになったことで以前より絵本を読むようになったこともあって、許せる範囲でしたね。


実写版とシンディの役割が変わっていましたが、これはこれでアリでしたな。



で、つくづく思ったのは、僕はこの話がスゲー好きなんだなぁと。例えば、独り身だったころは「クリスチャンでもないのに!( ゚д゚) コロスゾ」なんてクリスマスや世間を呪っていたくせに、恋人や奥さんができて一緒に祝うようになってからは「クリスマスは優しい気持ちになるための日だね (´∀`=) ウフフ」なんて言い出した自分を振り返ると、驚くほど節操がないワケですけど、とは言え、人間、そんなものではないか。「グリンチ」はクリスマスが舞台になっているけど、それだけではなくて。基本的には「はみ出し者が地域社会に溶け込もうとする話」であり、「地域社会がはみ出し者を受け入れる話」じゃないですか。前者の目線で観ると「大事な機会を自分から遠ざけているんじゃないの?」って問い掛けになっているし、後者の視点だと「孤独な人に手を差し伸べるのも大事」ってメッセージというか、「旅人のコートを脱がすのは北風ではなく太陽」という話でもあると思うのですよ、なんとなく。


最後のパーティシーンも実写版とは違う味付けで、僕はこちらの方が好みでしたよ。



まぁ、そりゃあいわゆるKO-KO-U的というか、「やっぱりおおかみ」な生き方も大事なんですけど、それはそれとして。腐ったことが普通にまかり通る世の中ですが、「善良な心」だって確実にあって。お互いに歩み寄れば、両者が幸せになる道というのはあるんじゃないか。ううむ、すみません、自分でも何を書いているのかよくわからなくなったのでここら辺で止めておきますが(汗)、この映画を観たら自分なりにとても優しい気持ちになれたのでね、「(実写版も好きだけど)これも悪くない ( ´_ゝ`)」と思った次第。ちなみに、大泉洋さんを始めとする日本語吹き替えキャストは違和感がなくて良かったです。もうね、本作鑑賞後の僕がどれほど優しくなったかと言うと、ミニオンズへの憎悪が溶けて、「イルミネーション×TOHOシネマズムービングロゴ映像」を観ても、すっかり許せるようになったほどだったんですが、しかし。先日、最近Blu-rayで買い直した「サドン・デス」を観ようとしたら、「飛ばせない警告画面」でミニオンどもがしゃしゃり出てきたから、てめぇら、ブッ殺すぞ!


僕はこんなクソつまらない寸劇を観るためにBlu-rayを買ったワケじゃないんですけどね!



おしまい (´・ω・`) ナニコノオチ




ロン・ハワード監督×ジム・キャリー主演による2000年の実写版。好きです。



ドクター・スースによる原作絵本。中古本が高騰してる… (´Д`;) ヒエー



サントラを貼っておきますね。



映画のノベライズでございます。



ドクター・スース原作の映画化作品。未見ですが、評判は良さげ。