パンとバスと2度目のハツコイ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

パンとバスと2度目のハツコイ(ネタバレ)

パンとバスと2度目のハツコイ



2017/日本 上映時間111分
監督・脚本:今泉力哉
撮影:猪本雅三
照明:安部力
録音:根本飛鳥
美術:禪洲幸久
編集:相良直一郎
音楽:渡邊崇
主題歌:Leola
出演:深川麻衣、山下健二郎、伊藤沙莉、志田彩良、安倍萌生、勇翔、音月桂
パンフレット:★★☆(800円/デザインは素敵だけど、もう少し内容を充実させてほしい)
(あらすじ)
パン屋で働くふみ(深川麻衣)はある日、中学時代の初恋相手・湯浅たもつ(山下健二郎)と偶然再会。ふみはプロポーズされたものの結婚に踏ん切りがつかず恋人を別れたばかりで、たもつは離婚した元妻のことを今でも忘れられずにいたが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の感想は、よくわからない文章をダラダラと書いた気がするので、藤原奈緒さんの記事とか梅澤亮介さんの記事を読むと良いザンス。

今年の2月に公開された本作に関しては、ハッキリ言って、まったく興味がなかったんですけれども。先日、非常にありがたいことに、Twitterのアカウント今泉力哉監督にフォローしていただきまして。今泉力哉監督と言えば、映画仲間のスケルティアさん&フワリコさんがプッシュしてて、僕もその影響で「サッドティー」を観たら結構面白かったことを思い出したりしましてね。それ以来、作品をチェックしてなかったことが、なんとなく申し訳ない気持ちになったので、7月上旬某日、未だにやっていた立川シネマシティで鑑賞いたしました(その後、「OVER DRIVE」をハシゴ)。素敵な恋愛映画でしたな (´∀`=) イイワァ


ロビーには深川麻衣さんのサイン入りポスターが! 高く売れるかな…(犯罪の臭いがする文章)。


劇場は「h」。観客は10人ぐらいだったような。



乱暴にあらすじを書くと、生真面目で頭が良いがゆえに「JAROってなんじゃろ?」「好きってなんだろ?」的に考えがちな女性ふみが、初めて告白された女性さとみや、初恋の男性たもつと再会して対話することで、悩みながらも自分の「好き」を取り戻す…って、わかりにくいですかね、すみません (´∀`;) エヘヘ オチを書いておくと、朝焼けの光の中、ふみとたもつが“親しいながらも付き合うかどうかわからない距離感”のまま、ふみの「その魅力の本質を知ってしまっても、憧れ続けられるなら」というナレーションが流れて終わってましたよ、たぶん。


Leolaさんによる主題歌「Puzzle」を貼っておきますね↓




なんて言うんですかね、穏やかな恋愛映画というか。「自分に自信がない」ところは共通しつつも、僕は「己の中の野獣を繋ぎ止められないタイプ=人を好きになったら即行動する派」だし、「少しだけ好きということーー。それは永遠に好きということ」という片岡輝夫的な思想で奥さんと結婚したので、本作の主人公ふみとは大違いではあるんですが、しかし。正直、彼女のような“迷う恋愛観”ってスゲー大事なんじゃないかと思ってて。近ごろは「若者の恋愛離れ」なんてニュースが流れがちですが、それは単に昔より「頭が良い人」が増えているからじゃないかと。自分を振り返ると、ある意味、恋愛や結婚はバカじゃないと出来ないと思うんですよ。結局、冷静に考えてマイナス面が目につくと、なかなか一歩を踏み出せなくなるし、踏み出さない方が良い気もするだろうし、だったら無理して踏み出さなくても良いし(まぁ、本作の登場人物たちは最終的に踏み出しまくってましたがー)。そもそも昔の結婚率の高さなんて強制だったり、離婚しづらかったりした状況が支えていたワケで、「孤独」を飼い慣らせるのなら、別に1人で生きたって良いじゃないですか。


すぐ野獣が出そうになる僕を代弁する丹波文七を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。



ううむ、ごめんなさい、何を書いているのか自分でもサッパリになってきましたけど(汗)、要は本作の登場人物たちの「理性的かつ穏やかに悩む姿」が新鮮だったんですよ。これは今泉監督の作風というだけでなく、今どきの若者は実際にこういう人が多いんじゃないかって、自分の周囲の人を当てはめて考えたりして。たぶん「こじらせて悩む」って「旧態依然とした常識」から脱却するために必要なことであって、それをわからない人からは“草食系”なんて思考停止なレッテルを貼られがちですが、本作で描かれた“穏やかさ”は人間の進化の1つのような気がするんですよね…って、慣れないことを書いたせいで知恵熱が出てきましたーー ('A`) アタマイタイ


ここまで読んだ人の心境を代弁する素敵な曲を貼っておきますね↓




閑話休DiE!m9`Д´) ビシッ 今泉監督の演出の力も大きいのかもしれませんが、役者さんたちがまた素晴らしくて。現在、情報源は「アフター6ジャンクション」「バラいろダンディ(金曜日)」のみという生活を送っている→かなりの情弱なので、恥ずかしながら主演の深川麻衣さんが乃木坂46の元メンバーだなんて全然知らなくてね…。普通に「世間には良い女優さんがまだまだいるんだなぁ」なんて思っていただけに、鑑賞後にパンフを読んでビックリしました。まぁ、たもつ役の山下健二郎さんは「HiGH & LOW」を観て知ってましたけど、彼もしっかりと「普通の素朴な若者」になっていて、見直しましたね(別に見損なっていたワケではないんですが)。あと、他の役者さんたちも軒並み良かったんですけど、特に妹役の志田彩良さんが超キュートでした (〃∇〃) ウフフ


深川麻衣さんと山下健二郎さん、普通に良い役者さんだと思ったり。


志田彩良さんもリアルな妹感があって良かったです。



その他、思ったところを書くと、「間と雰囲気で笑わせる作風は好きかも」とか「コインランドリーにいた少年は夢か現実か」とか「夢を諦めた人を肯定しているのがイイ!」とか「パンが食べたくなったけど、太るから…」とか「最後のナレーションにグッときた(なぜなら僕は今も奥さんに憧れ続けているからーーというNO-RO-KE!m9`Д´) ビシッ)」とか「相手を信用しなければ、ずっと片想いでいられる→『好き』が続くのでは?」とかとかとか。何だか取り留めのない感想文になっちゃいましたが、それだけ本作は語りがいのある余白の多い作品というか。劇的なことは何も起きなくて全体的に地味ではありますけど、誰かと感想を話したくなる素敵な恋愛映画でしたヨ (´∀`=) ヨカッター ちなみに入場時、劇場の人に「Adam's awesome PIE(アダムスオーサムパイ)」のカードを渡されたので何事かと足を運んでみたら、ロケ地だったということで、思わずミートパイを食べちゃった次第


まさかこの店がロケ地だったとはな… (`Δ´;) ゴゴゴゴゴ


ダイエット中なので、ガマンしてミートパイを1つだけ摂取。ちくしょう、美味だったぜ!



おしまい。




評判の良い今泉力哉監督作。僕の感想はここの2本目



Leolaさんによる主題歌のDVD付き初回限定版。少しほしい。