海は燃えている イタリア最南端の小さな島(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

海は燃えている イタリア最南端の小さな島(ネタバレ)

海は燃えている イタリア最南端の小さな島

海は燃えている

原題:Fuocoammare
2016/イタリア、フランス 上映時間114分
監督・製作_撮影:ジャンフランコ・ロージ
製作:ドナテッラ・パレルモ、セルジュ・ラルー、カミーユ・レムル、ロベルト・チックット、パオロ・デル・ブロッコ、マルティーヌ・サーダ、オリビエ・ペール
編集:ヤコポ・クワドリ
出演:サムエレ・プチッロ、ジュゼッぺ・フラガパーネ、ピエトロ・バルトロ
パンフレット:★★★★(720円/タメになるコラム3本に参考資料も付いていて、良い感じ)
(解説)
イタリア最南端にある小さな島、ランペドゥーサ島。北アフリカにもっとも近いこの島で友だちと手作りのパチンコ遊びに興じる12歳の少年サムエレをはじめ、島の人々はごくありふれた毎日を送っている。そんなランペドゥーサ島には、アフリカや中東から命がけで地中海を渡り、ヨーロッパへ密航する難民や移民たちの玄関口というもうひとつの顔があった。漁師たちが静かに暮らす島で巻き起こる事件を、12歳の少年の視点で静かに映し出していく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
※この映画に関しては、町山智浩さんの映画紹介とか大場正明さんのコラムとか読むと良いんじゃないかな。


もうすぐ5月だというのに、2月公開作の感想を垂れ流しておきますよ。尊敬している映画評論家の町山智浩さんが「たまむすび」で紹介したということで、放送は聴いていないながらも(最近はネタバレを防ぐため、観た映画の分しか聴かなくなっちゃった…)、少し気にはなっていましてね。で、先々週某日、ちょうど町田方面に用事があったタイミングで、新宿から町田に向かう間の新百合ヶ丘にある川崎市アートセンターにて上映されていたので、メンズデーを利用して観てきました。「タメにはなったけど… (`Δ´;) ヌゥ」と思ったり。


客席、7割ぐらいは埋まっていた気がします。
川崎市アートセンター


内容を雑に描くと、アフリカや中東からヨーロッパへ密航する時の玄関口的な役割となっているイタリア最南端の島、ランペドゥーサ島。そこで暮らすサムエレ少年と、命懸けで海を渡ってくる難民を交互に映していきまして。少年は左目が弱視だったので治してみたり、謎の不安症に襲われたりするボンヤリした日々を送っていて、難民たちの方は狭い船倉に押し込められた人たちが病気になったり死んだりする地獄のようなエブリデイ。少年と難民は直接交わらないものの(島の医師ピエトロだけが両者と交流する)、少年は微妙な息苦しさを覚えているーーみたいなムードで終わってませんでしたっけ、確か。いや、なんとなく「難民の映画なんだろうな」とは思っていましたけど、船倉に押し込められた人たちが大量に死んだりと(死体もキッチリ見せられる)、突き付けられた現実が想像以上にヘビーだったので、非常にゲッソリいたしました ('A`) ゲッソリ


ううむ、もっとこのイエモンの曲みたいな映画かと思っていました…というのは、さすがにウソ (ノ∀`) スミマセン




僕の鑑賞直後の感想はパンフで池田香代子さんが書かれていたことに近くて、少年と難民が直接関係しなくても、彼らを交互に映すことで「平穏な日常を送っている人も難民になり得る」ということを表しているんだろうなぁと。難民たちはまさに命懸けで、「そうだ難民しよう!」なんて下品な表現ができちゃうほど恵まれた国に暮らしていることをありがたく感じたし、結局、見て見ぬ振りをして日常生活を送る自分に気まずさも覚えましたよ。ただ、想田和弘監督の観察映画のように、状況を説明するナレーションや具体的な説明描写がないので、ごめんなさい、非常にタメにはなったけれども、少年のパートは結構退屈に感じてしまったという残念なアタシ。いくら映画を年間140本ぐらい観ようとも、リテラシーが養われるとは限らない。そんな文章を残して、この駄文を終えようと思います (・ε・) オシマイ




ジャンフランコ・ロージ監督作。かなり評判が良いですな。



本当は想田和弘監督の「牡蠣工場」にしたかったんですけど、ソフト化されていないので、こちらを貼っておきます。