ベテラン(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて
2015年12月31日

ベテラン(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2015)
ベテラン

ベテラン

原題:Veteran
2015/韓国 上映時間123分
監督・脚本:リュ・スンワン
製作:チョ・ソンミン
撮影:チェ・ヨンファン
美術:チョ・ファソン
衣装:チョ・サンギョン
編集:キム・サンボム、キム・ジェボム
音楽:パン・ジュンソク
武術監督:チョン・ドゥホン
出演:ファン・ジョンミン、ユ・アイン、ユ・ヘジン、オ・ダルス、チャン・ユンジュ、オ・デファン、キム・シフ
パンフレット:★★☆(700円/悪い作りではないです。出してくれただけ、ありがたい)
(あらすじ)
悪は絶対に許さない武闘派ベテラン刑事ドチョル(ファン・ジョンミン)を筆頭に、個性的な5人による特殊強力事件担当・広域捜査隊。あるパーティーでドチョルが出会った財閥3世テオ(ユ・アイン)の同族会社社員が自殺を図った。この自殺の裏にテオが絡んでいると疑うドチョルは、単独で捜査をはじめるが、財閥の息がかかった警察上層部の圧力により、捜査の打ち切りを迫られてしまう。チーム一丸となって事件の核心に迫るドチョルたちをあざ笑うかのように、テオが金と巨大な権力をバックに包囲網からすり抜けていくが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




91点


※今回の記事は、微妙に下ネタが書かれているので、そういう文章が苦手な人は読まない方が良いです。
※今回の記事は、残酷な記事へのリンクや残酷な動画が貼ってあるので、そういうのが苦手な人や18歳未満の人は気をつけて!


本当に申し訳ないんですけど(苦笑)、「ベテラン」というタイトルがピンと来ないし、ポスターのデザインもあまりカッコ良くないので、最初はそれほどときめかなかったんですけれども。僕のベストムービーである「クライング・フィスト 泣拳」のリュ・スンワン監督作であり、「新しき世界」での“人懐っこいけど凶暴なヤクザ役”で僕のハートを射止めたファン・ジョンミン主演と言うことで、応援の意味を込めて前売り券を買いまして。先週の日曜日、シネマート新宿で観てきました。超僕好みでしたYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッタァ!


新宿文化ビルに到着。このビルには角川シネマ新宿シネマート新宿が入っているのです。
新宿文化ビル

本作の展示は力が入っていて、エレベータを出てすぐのロビーに飾られたポスターに監督のサインが入っているだけでなく…。
サイン入りポスター

ロビーの上の方にはチラシで「ベテラン」の文字が! この手作り感、嫌いじゃないぜ!
チラシで文字を!

サントラだって販売中なのです。
サントラ販売中

そして、記事の切り抜きと一緒に飾られているあのポスターは一体!?
記事の切り抜きと素敵なポスター

なんと平松伸二先生と豪華すぎるコラボ! ただ、刑事側も悪人ヅラをしているような…? (`Δ´;) ヌゥ
平松伸二先生とのコラボ

さらに入場者特典としてドリームチケットが! ぐるなびギフトカードが当たりますように、ぐるなびギフトカードが当たりますように(必死な願い)。
ドリームチケット!


もうね、僕の理想の「はみだし刑事」映画というか。いや、この「はみだし刑事」というのは、ズボンのチャックから陰嚢がポロリ→「先輩ったら、すぐはみ出しちゃうんだから!(´∀`) ンモウ!」ということではなく(不要なボケ)。要は、警察組織や社会のルールからはみ出しながらも、自分が信じる正義を貫く刑事(デカ)のことであり、まぁ、みんなも大好きということで、映画やドラマなどで腐るほど作られてますな。で、そんなはみだし刑事たちもさまざまで、いわゆる「事件は現場で起こってるLove Somebody刑事」「事件を解決すると川柳を詠む刑事」「相棒と一緒に知った風な口を叩くキザな眼鏡刑事」「あぶない刑事」などなどいろいろいますけれども(1つだけそのまんま)、僕的には「カッとなって被疑者を撲殺しちゃったけど、まったく悪びれない刑事」を愛してる。まぁ、そこまで行かなくても、基本的には「愛嬌があって、悪党にはちゃんと暴力で対抗する刑事(なるべく素手)」が大好物なのです。


僕の理想の「はみだし刑事」松田鏡二さんのナイスな1コマを貼っておきますね(「ブラック・エンジェルズ」より)。
理想の刑事・松田鏡二さん


さて、今作ですけれども、ファン・ジョンミン演じるドチョル刑事に関しては、荒野の一軒家のロッキングチェアに10年腰掛けていたらやっと待ち人が現れたような気分(なんだこれ)。彼は、① 熱い正義の心を持っている ② 愛嬌がある ③ 悪党には即暴力(素手)と、僕が求める「はみだし刑事」要件を見事に満たしていて、④ 足が臭いというのも僕も非常に臭いだけに親近感がグングン湧く感じ。明るく人懐っこく、でも決して心は折れないキャラクターは「新しき世界」のチョン・チョンが刑事になったかのようで、マジで最高でしたよ。


ドチョルは素手での戦闘力がべらぼうに高いため、1対多でもまったく怯まないのです。
はみだし刑事ドチョル


しかも、アクションがまたドチョルの魅力を引き出していて。周囲にある物を利用するケンカ殺法かと思いきや、ちゃんと小手返しっぽく手を固めたりと、逮捕術も活きているファイトスタイルは「現場で磨いてきた」雰囲気があって実に美味。しかも、今どき流行のパルクール風にビルから飛び降りればしっかりダメージを受けたりとか、ところどころに“笑い”を入れてくる姿勢も良くてね。物語自体はかなりイヤ~な話だけに、ドチョルの明るいキャラクター&愉快なアクションにはスゲー救われました。


倉庫での捕り物シーンでも、コンテナに挟まったりとか、楽しかったですな。
倉庫での乱闘


脚本も良かったと思います。そりゃあ「大企業のクズな御曹司が悪事を隠そうとする→暴く!」というストレートかつよくある展開ではありますが、しかし。クズすぎる悪役、不憫な被害者、そして熱い正義の心を持つ刑事たち(でも、少しバカっぽい)という魅力あるキャラクターを配置し、さらに経済格差や低所得問題、韓国映画でお馴染みの警察と企業の癒着問題などを盛り込んでいて、実に溜飲の下がるエンタメ作品に仕立て上げた印象。アクションもその場面場面の状況によって工夫されていたし、「よく考えられてるなぁ… (`Δ´;) ヌゥ」と感心しまくりでした。


被害者になってしまう貧乏なトラック運転手(チョン・ウンイン)。未払いの賃金を払ってほしかっただけなのに…。
父親(チョン・ウンイン)

子どもの目の前でボコボコにされた挙げ句、階段から投げ落とされるのでした (iДi) アンマリダー
子どもの目の前で!


特に感動的なのがラスト。一応、クライマックスの展開を雑に書いておくと、「いろいろと証拠が固まったので、ドチョルたちは御曹司テオを別件で逮捕しようと画策したらテオが暴走→追いかけたドチョルは衆人環視の前であえてテオにブチのめされる→傷だらけになりながらも逮捕する」んですね。で、最後は被害者の意識が戻って、ギブスにマジックで書かれた「お父さん、頑張って」の文字がアップになってエンドクレジットに突入するんですが…。この作品、もし僕が監督だったら、御曹司がマジでクソすぎてムカついたので、「テオを輸送する飛行機が南米ペルーのジャングルに墜落→現地の部族に美味しくいただかれる」という展開にしたと思うんですけど、実際は作品内で最も踏みつけられた被害者家族に寄り添って終わったんですね。要は、一番大事なものがそこにあって、それを守るためにドチョルたちは必死に戦ったんだなって思わせる見事なエンディングであり、僕は短絡的かつ浅薄な自分を猛省しながら号泣ですよ。リュ・スンワン監督、さすがは「クライング・フィスト 泣拳」を撮った男、ですな(知った風な口調で)。


テオにはこんな目に遭ってほしかった…って、R18のグロ動画なので気をつけてぇ!ヽ(´Д`;)ノ




その他、好きな場面を書いておくと、ドチョルの奥さんジュヨン(チン・ギョン)がチェ常務(ユ・アイン)に賄賂を超カッコ良く突き返しながらも、ドチョルに「少し心が動いた」ことを告白するシーンは泣けましたね…。というか、今作で描かれているクズな金持ち問題って、韓国だとナッツ・リターン事件とか思い出したりするワケですが、残念ながら日本でもあることじゃないですか。ううむ、もし僕がこの映画の被害者の父親の立場だったら「お金をもらったから、ガマンしよう ('A`) シカタナシ」とすぐに話が終わりそう。チェ常務に賄賂をもらう場面だって、「じゃあ、夫を説得しますネ! 川o^-')b マカセテ!」と二つ返事で癒着サイクルに組み込まれそうだなぁと…。だから、それに抗う人たちというのは、フィクションの中でも超カッコイイし美しい。僕もね、今作を観て、そんな低い精神性じゃダメだと。もし買収されそうになっても「HELL NO! m9`Д´) ビシッ」と即答しようと誓った…という情報を聞きつけた邪悪な金持ちが、僕を試すべく多額の賄賂をくれたりしないものか。ああ、僕はいつからこんな汚れた大人になってしまったんだろう… (ノω・、) カアサン...


ここまで読んだ人の心を代弁する素敵な曲を貼っておきますね↓




ドチョル役のファン・ジョンミン以外も役者さんはみんな素晴らしくて、クズの御曹司テオ役のユ・アインは100点の憎らしさでしたな。宣伝でコラボしてましたけど、確かに平松伸二先生の漫画に出てくるような外道であり(携帯電話に入れている名前が「○○のCMの女」だったりとか、細かい部分も徹底してクズ)、そんな役を見事に演じきっていて、「ワンドゥギ」の子だとは全然気付かなかったです。ちなみに、テオの「総合格闘技を習っている」という設定は、「ラストスタンド」の“ブラジリアン柔術に長けていたマフィアの息子”を連想したりしました。


最凶の御曹司テオ。妾の子として不遇な立場みたいだけど、それにしてもやることが酷すぎるクズ野郎なのです。
最凶の御曹司テオ(ユ・アイン)

僕的には平松伸二先生の漫画でよく見た金持ちのドラ息子を思い出しましたよ(「ブラック・エンジェルズ」より)。
クズな御曹司


ユ・ヘジンとかオ・ダルスといったコクのある顔面ユーザーの方々も相変わらず良い仕事をしてましたな~。広域捜査隊チームの描き方もちゃんとそれぞれのキャラが立っていて、もっと彼らの活躍が見たくなってしまうほど魅力的でした。チャン・ユンジュ演じる紅一点のミス・ボンが前蹴りや飛び蹴りを多用するのはね、最近の韓国映画にありがちな流れというか(苦笑)、「勝ち気フェイスな女性が飛び蹴りをすれば、何でも喜ぶような安い男じゃないんだぜ?┐(´ー`)┌ バカニスンナ」と反発を覚えながらも…なんていうか…その…下品なんですが…フフ……勃起…しちゃいましてね……(アウトな文章)。すっかりファンになってしまった次第。


ユ・ヘジン、本当に“イイ顔”ですよね。終盤、会長たちとの食事シーンが哀れすぎて笑っちゃいました。
チェ常務(ユ・ヘジン)

広域捜査隊チーム、どのキャラも個性的なんですが…。
広域捜査隊チーム!

この“妥協なき蹴撃手”ミス・ボンが最高!ヽ(`Д´)ノ 「蹴られたい会議」のメンバーの方々にもぜひ見ていただきたい逸材なのです。
ミス・ボンの前蹴り一閃!


「最初は捜査に乗り気じゃなかった上司が、部下が刺されたことでやる気になるくだりも警察官だったころを思い出してグッときた」とか「ケガ自慢合戦」とか、書きたいことはいろいろあるんですが、凄まじく長くなるので割愛! 本当は100点を付けたいぐらいストライクな映画だったんですが、91点なのは「悪党をブチ殺すはみだし刑事」の方が好きだからーー(酷い着地)。もちろん悪党にも事情があるのはわかるし、悪党の人権や命も大事ですが、フィクションなんだからやっぱり悪は即、斬してほしいという男心なのでした。何はともあれ、ドチョルの所属が広域捜査隊ということで、同じリュ・スンワン監督×ファン・ジョンミン主演作の「生き残るための3つの取引」とはポジとネガのような関係のようですが、僕はもう一回観に行こうかと思っているぐらい、こっちの方が断然好きですね(いや、向こうも好きではありますが)。続編、スゲー期待しております。とにかく「はみだし刑事」モノが好きな方は要チェックですぞ。




サントラでございます。



リュ・スンワン監督×ファン・ジョンミン主演作。僕の感想はこんな感じ



僕が観たリュ・スンワン監督作の中で一番好きなのはこれ。僕の感想はこんな感じ



ファン・ジョンミンが準主役で活躍するバイオレントな映画。僕の感想はこんな感じ







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