セッション(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

セッション(ネタバレ)

セッション※ムービーウォッチメンのリンクなどを追記しました(4/29)

セッション

原題:Whiplash
2014/アメリカ 上映時間107分
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
製作:ジェイソン・ブラム、ヘレン・エスタブルック、ミシェル・リトバク、デビッド・ランカスター
製作総指揮:ジェイソン・ライトマン、ゲイリー・マイケル・ウォルターズ、クーパー・サミュエルソン、ジャネット・ブリル
撮影:シャロン・メール
美術:メラニー・ペイジス=ジョーンズ
衣装:リサ・ノーシア
編集:トム・クロス
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー、オースティン・ストウェル、ネイト・ラング 
パンフレット:★★★(720円/コラムと監督インタビューが良かった!)
(あらすじ)
世界的ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマン(マイルズ・テラー)は、伝説の教師と言われるフレッチャー(J・K・シモンズ)の指導を受けることに。しかし、常に完璧を求めるフレッチャーは容赦ない罵声を浴びせ、レッスンは次第に狂気に満ちていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※今回の映画の感想は、カゲヒナタさんのブログか(情報多め)、チルさんのブログ(熱量多め)、はちごろうさんのブログ(元吹奏楽部)あたりを読むと良いんじゃないかな。
※今回の感想は、ジャズやこの映画が好きな人は不快になりそうな気がするので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、無駄な自分語り要素があるので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、どこかにグロ動画へのリンクがあるので、気をつけてぇ!


「自分はジャズがわからないが、ジャズ専門家が観れば駄作なんだろうな」と思ったので、観ないつもりだったーーというのは真っ赤なウソです、すみません (ノ∀`) テヘ 尊敬する映画評論家の町山智浩さんが「たまむすび」で紹介していたのを聞いたら非常に面白そうだったし、さらに毎週愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の人気コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画にもなったので、先日、いそいそとTOHOシネマズ新宿で観てきました。面白かったですヨ (・∀・) ヨカッタ!


TOHOシネマズ新宿で映画を観るのは初めて! まぁ、だからなんだって話ですが。
TOHOシネマズ新宿

このゴジラヘッドが目玉なんですよね。新宿ピカデリーの上の階からも見えるのです。
ゴジラが!

ちなみに近くのバーも便乗してゴジラを飾ってたりして。こういうの好きよ。
近くのバーも便乗!

スクリーン6は満席でした。スゴイね!
スクリーン6


最初に若干の誇張を交えながら、話の内容を雑に書いておきますね。世界的ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマンは、伝説の教師と言われるフレッチャー教授の指導を受けることになったんですが、この男が超非道い。「ファッキン、テンポ!ヽ(`Д´)ノ」と連呼しながら、罵ったり、イスを投げたり、スナッピーにビンタしたり、鼻の穴にカラシを詰めたりとやりたい放題であり(1つウソ)、ニーマンったら思わず泣いちゃうんですが、しかし。指導の前に、優しい雰囲気でフレッチャーから「チャーリー・パーカーのシンバル事件」を聞かされていただけに、何とかこらえるんですね。

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この「チャーリー・パーカーのシンバル事件」について、勝手な創作要素を加えながら説明をしますと、
そこそこサックスの名手だった10代のチャーリー・パーカーが演奏中に失敗
ジョー・ジョーンズにシンバルを投げられる→みんなが笑ってる&お日様も笑ってる
→ステージを降りて帰宅し、枕を涙で濡らすチャーリー・パーカー→翌朝から発狂寸前の荒行を敢行
→1年後、同じステージで最高のシンバル投げを披露してジョー・ジョーンズの首を切断したーー

って、もちろん実際は「1年後に同じステージで見事なソロを披露した」ということらしいんですが、
プロレスに例えると、「鈴木みのるvsモーリス・スミス」みたいなものですな、たぶん。

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そんなエピソードを胸に「オレは偉大なドラマーになるんだ!ヽ(`Д´)ノ」と、指から出血しても叩き続けるほどの練習を重ね、フレッチャーに認められようとするものの、教授ったら意地悪でなかなか認めてくれないのもあって、ニーマンも自分の中の“イヤな奴”成分が増強(もともと友だちがいない→性格に難があるタイプでもある)。自分から誘って恋人になったニコル(メリッサ・ブノワ)に「お前はオレが偉大なドラマーになるためには邪魔な存在!m9`Д´) ビシッ」と超勝手なことを抜かすほど狂ってしまいまして。さらには大会の日、交通事故に遭いながらも無理にステージに立って失敗→錯乱してフレッチャーに殴りかかって、学校を退学になってしまうというね。


初デート、店選びのセンスがない割には、すでにニコルを小馬鹿にするムードが漂っていたんですよね…。
ピザ屋で初デート


人生の目標を失ったニーマンが漫然と過ごしていたら、偶然、フレッチャーと再会。どうやら昔の教え子が自殺&ニーマンがハードな指導をチクッたせいで、大学をクビになったらしいんですけど(笑)、口を開けば「もしあの時、チャーリー・パーカーがシンバルをキャッチして、ジョー・ジョーンズに投げ返していたらー?」と、彼の信念は今も揺るぎないのです(もう、よくわからない文章)。

ただ、ちょっと険が取れて優しくなって、「今度の演奏にドラムで参加してよ (^ε^) ウッフン」なんて言ってきたから(部活の顧問のOBに対する態度を連想)、「まぁ、それもそれでアリか (´∀`) ユルス」とニーマンもホッコリつい“超偉そうな口調で振った元カノ”のニコルに「演奏、聞きに来てよ」なんて調子に乗った電話をしてみたら、「アタシ、もう新しい彼氏がいるから!川`∀´) チンカスヤロウ!」と、やんわり断られるから超ざまぁだったりしてね(爆笑)。

で、なんだかんだと迎えた本番、ステージで演奏をしようとしたら、自分だけ教えられていた曲目が違う→フレッチャーったら「私をナメるなよ! 密告はお前だな?(`Δ´) クソガ!」とキツ~いひと言。なんと「ニーマンに恥をかかせて復讐するため、バンドに誘った」という、まさに猫の額クラスの心の狭さであり、ニーマンも最初はションボリしながらステージから立ち去ろうとしたものの、「やっぱり許せねぇ!ヽ(`Д´)ノ」とハーツ・オン・ファイヤー! 勝手にドラムを超高速で叩いてみれば、いつの間にか2人は恩讐を越えて、音楽の世界に没頭していくのでしたーー ( ´∀`)(´∀`) オシマイ


この映画、主人公がずっとこんな顔でドラムを叩いているイメージでしたね。
死にそうな顔で叩け!


いや、スゲー面白かったですよ。とにかくJ・K・シモンズの鬼教師振りが最高でした。なんて言うんですかね、顔だけでなく、上腕二頭筋のキビキビした隆起っぷりがツボに入ったというか。まさかサム・ライミ版「スパイダーマン」のイヤな編集長と同一人物とはまったく思えなくて、アカデミー助演男優賞とかいろいろ受賞したのは超頷けたし、かなり見直しました。主演のマイルズ・テラーも実際に出血しながら叩いていたそうで、大したものだなぁと。ニコル役のメリッサ・ブノワもかなり好みのタイプでしたね…(なんだこれ)。


主役の子も頑張っていたけど、今作のJ・K・シモンズは半端じゃないスゴさ。
鬼教授フレッチャー

役作りにはジャン=クロード・ヴァン・ダムを意識した…というのは勝手なデマです、ごめんなさい 。
JCVDを意識!?その1

すみません、もう1枚だけ貼らせてください… (ノω・、)
JCVDを意識!?その2


あと、ドラムプレイはド迫力でしたな~。特に終盤の編集はアクション映画みたいでした…って、バカっぽい感想な気がします。その他、親戚の家での自慢合戦もイヤな感じで良かったし(ニーマンの“上昇志向の強さの源”がよくわかる)、主人公のお父さんがポップコーンを食べる時、別で買ったレーズンを中に入れる場面では、「そんな楽しみ方があったか!Σ(゚д゚;)」と感心。いや、恥ずかしながらレーズン自体は苦手なんですが、あの技をチョコで応用したらーー? ううむ、ちょっとお腹が空いてきました。

そんなワケで、基本的には楽しかったです。ただ、「今年ベスト!m9`Д´) ビシッ」というほどのテンションにならなかったのは、期待しすぎちゃったから。正直、もっと鬼コーチかと思ってた。なんて言うんですかね、例えば、体育会系の部活とかに所属してた人なら、このぐらいの目に遭ったことって普通にあるじゃないですか。あの「5時間以上ぶっ続けで演奏させる場面」はさすがに非道いと感じましたが、さらにスゴい惨劇が起きると思ってドキドキしていたので、少し拍子抜けしちゃったんですよね…。まぁ、そこは監督が意図したバランスなんでしょうけど(実際、あれ以上に非道かったら、ニーマンが後半で許すのが不自然に感じそうだし)。


有名な佐山サトルさんの動画を貼っておきますね↓ バイオレントなので注意!




ごめんなさい、ここで唐突に自分語りを始めますと、僕が若かったころの体育会系って、今では即問題になりそうな体罰やシゴキ(性的な意味じゃないヨ (o^-')b ネンノタメ!)が日常茶飯事でして。特に僕は無駄に体格が良かったため、高校でのバレーボール部や警察での剣道&逮捕術などでは常に目をつけられて、「でくの坊」だ「ウドの大木」だのと罵られたり、至近距離で何度も顔面にボールをぶつけられたり、竹刀で叩かれたり、ビンタされたりと、散々な目に遭ったものですよ…(遠い目)。しかも、その指導者たちってフレッチャーと違って別に実績もないから、なんか釈然としないというか。まぁ、僕はニーマンとは違って反骨精神はゼロ→すぐにションボリするだけなので、しばらくするとみんな指導を諦めてましたけどね(苦笑)。…あれ、なんだろう、涙でモニターがよく見えないや…。


有名な前田日明さんの動画を貼っておきますね↓ バイオレントなので注意!




というか、ラスト、ニーマンが音楽の力でフレッチャーと繋がる瞬間は確かに感動的だったけれども、その前段階の「ステージで恥をかかせる」という“復讐の小ささ”がバカバカしく感じちゃったんですよね。教え子が自殺したのを交通事故として生徒たちに伝えてた時点で、悪質な人間であることはわかっているワケですが、あまりにも器が小さいというか。そんな人がクビになったとは言え、音楽学校のあの地位まで行けるものかと思っちゃう。それと「最後に2人が恩讐を越えられたのは、結局、フレッチャーのサディスティックな指導があったからこそ」と考えると、ああいう“パワハラ丸出しな指導”は認めたくない僕的にはどうにも座り心地が悪くて、微妙に好きになれない…って、面倒くさくてスミマセンネー (・ε・)

で、僕はこの映画がムービーウォッチメンの課題になった時に、菊地成孔さんと町山智浩さんの戦いを知ったんですが…。関連エントリを時系列的に並べてみると、こんな感じですな↓

4/8 「セッション!(正規完成稿)~<パンチドランク・ラヴ(レス)>に打ちのめされる、「危険ドラッグ」を貪る人々~」
4/11 マンガを愛好する皆様に陳謝致します
4/17 菊地成孔先生の『セッション』批判について
4/19 町山さんにアンサーさせて頂きます(長文注意)
4/22 <ビュロ菊だより>No.64「町山さんに激敗(笑)+」
4/22 『セッション』菊地成孔さんのアンサーへの返信


こんな黄金聖闘士同士の千日戦争というか、ロック様vsジェイソン・ステイサムみたいな争いは、僕のような凡人は遠巻きに眺めるぐらいしか出来ないワケですけど、一応、両者とも大好きな人なので、ボンヤリとした意見を残しておきますよ(このブログでは菊地成孔さんについて全然書いてないけど、kamiproKAMINOGE繋がりで「サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍 ~僕は生まれてから5年間だけ格闘技を見なかった~」「あなたの前の彼女だって、むかしはヒョードルだのミルコだの言っていた筈だ」などの著作は読んでおります)。

「リアリティがなくて乗れない」「ジャンルへの愛が感じられなくて腹が立つ」ってことがあるのはわかるなぁと。たぶん自分が詳しかったり、思い入れが強かったりする分野のフィクション作品では、そう思う確率って結構高かったりしますよね。例えば、かなり昔ですけど、僕は警察にいただけに、“ある程度のリアルさ”を売りにしながらも違うことを描かれるとイラッとしてしまうので、「弾倉の一発目は空」なんて描写をしちゃった「ポチの告白」は好きなのにムカつく作品でもあるという矛盾。「ミリオンダラー・ベイビー」もボクシングシーンのリアル云々じゃなくて「悪質な反則を繰り返すボクサーをファンが支持する」という描写が不快だし…。ただ、僕も「詳細な酷評は公開が始まってからアップするのがマナー」な気がするので、発端となった記事は公開日にアップすれば良かったのになぁとも思った…って、なんか日和見な意見っぽいですかね? (・∀・) ネェネェ 


「ポチの告白」、微妙なところはあるけど良い映画なので、興味がある人は観てみて。




ということで、映画単体が面白かったのはもちろんのこと、周辺事情もなんとなくドキドキさせられて、非常に楽しい映画体験でした。これ、人によって刺さり具合がだいぶ変わる作品なので、一見の価値はありますよ、マジで。何はともあれ、当ブログは「Good」「Job」の2つの言葉が何よりも好きということで、苛立つ部分があったりしても決して叩いたりしないで、気軽に褒めていただければ幸いです(甘えた文章)。

ちなみにこの記事がアップされる4月23日(金)は深夜0時からTBSラジオで「菊地成孔の粋な夜電波」の放送がありまして。そして、その翌日である4月24日(土)の22時からはTBSラジオで「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」が放送→菊地成孔さんと町山智浩さんの千日戦争宇多丸師匠も参戦されるということでね(僕は「ミッション:8ミニッツ」ぐらいの熱量なんじゃないかとYO-SO-U)、興味がある人はリアルタイムでぜひ聴いて!m9`Д´) センデンッ

宇多丸師匠の超わかりやすい時評がアップされたので、ぜひ聴いて! 「ダース・ベイダーの手を握ったルーク」という例えが素晴らしいですな~。
※さらに菊地成孔さんのアンサーが投下されたので、貼っておきますね↓


4/28 「町山さん手打ちにしませんか(笑)」




サントラです。



デイミアン・チャゼル監督が脚本を担当した作品。ちょっと観たいです。



町山智浩さんが引き合いに出されていた映画。結構面白そう。



僕的にドラマーといえば、このドラマのイメージ。