オール・ユー・ニード・イズ・キル(2D・字幕版)(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2D・字幕版)(ネタバレ)

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2D・字幕版)

オール・ユー・ニード・イズ・キル

原題:Edge of Tomorrow
2014/アメリカ 上映時間113分
監督・製作総指揮:ダグ・リーマン
製作:アーウィン・ストフ、トム・ラサリー、ジェフリー・シルバー、グレゴリー・ジェイコブズ、ジェイソン・ホッフス
製作総指揮:デイブ・バーティス、ジョビー・ハロルド、福原秀己、ブルース・バーマン
原作:桜坂洋
脚本:クリストファー・マッカリー、ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース
撮影:ディオン・ビーブ
美術:オリバー・スコール
衣装:ケイト・ホーリー
編集:ジェームズ・ハーバート
音楽:クリストフ・ベック
視覚効果監修:ニック・デイビス
出演:トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソン、ノア・テイラー、キック・ガリー、ドラゴミール・ムルジッチ、シャーロット・ライリー、ジョナス・アームストロング、フランツ・ドラメー、羽田昌義、トニー・ウェイ
パンフレット:★★★★(820円/実に良いパンフ。「タイムループ現象のマップ」が親切!)
(あらすじ)
戦闘に対して逃げ腰な軍の広報担当官ウィリアム・ケイジ少佐(トム・クルーズ)は、戦闘経験が全くないにもかかわらず最前線に送り込まれてしまい、あえなく戦死。しかし、死んだはずのケイジが意識を取り戻すと、周囲の時間は戦闘が始まる前に戻っていた。再び戦死するとまた同じ時間に巻き戻り、不可解なタイムループから抜け出せなくなったケイジは、同様にタイムループの経験を持つ軍最強の女性兵士リタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)に訓練を施され、次第に戦士として成長していく。戦いと死を何度も繰り返し、経験を積んで戦闘技術を磨きあげていくケイジは、やがてギタイを滅ぼす方法の糸口をつかみはじめる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※今回の感想に関しては、映画とは関係のない文章が多く書かれているので、マジで小覇王さんとかそーす太郎さんの記事を読んだ方が良いですぞ。
※今回の感想は、原作小説コミカライズ版のネタバレにも触れているので、気をつけて!


突然、人として器の小さい文章から書き始めますけど(苦笑)、以前はトム・クルーズがアクションやSF映画の主演を張るのって、心からは喜べなくて… (´・ω・`) M:Iシリーズは全然良いとしても、トムみたいなイケメン大スターは「7月4日に生まれて」みたいな映画に出て「ペニス、ペニス!ヘ(゚∀゚*)ノ」って叫んでいれば良いじゃないですか(酷い文章)。例えば、「アウトロー」も嫌いじゃありませんが、もっとアクション畑で苦労している人に主演を張ってもらいたかったというか(そうなると企画自体がなくなりそうだけど)。

とは言いつつも、よくよく考えれば、トム・クルーズ自身、自らアクションに挑む姿勢→下手なアクション俳優よりも体を張ってたりしてさ…。そう、単に僕は妬んでいるだけであり、いい加減、「トムは信用できる男」と素直に認めてもいいんじゃないか(どことなく上から目線な文章)。最近、そんな風に反省したこともあって、前売り券を購入。ちょうどムービーウォッチメンの課題映画になったので、先日、ユナイテッド・シネマとしまえんに足を運んできました。


本当はIMAXで観ようと思ってたのに、ムビチケが使えなかったので、断念… (ノω・、) クヤシイ
UCとしまえん

ちなみに6月末ごろ、新宿の地下道で大々的に宣伝されてまして。
新宿の地下

サインなどが飾られていた上に、漫画の試し読み小冊子が配布されていたのです。
試し読み小冊子

そんなワケでゲットしたものの、中身は全然大したことないので、わざわざ買う必要はないですぞ。
試し読み小冊子


この手の長いタイトルの映画って、窓口で伝えるのが本当に大変なんですが、僕はすでに“ビートルズの有名な曲”「All You Need Is Love」を連想すれば大丈夫というメソッドを確立済み(そのせいで「ニード・フォー・スピード」の時に恥をかきましたが…)。無事にチケットを購入したものの、なんとパンフレットを買う時に油断して、「『オール・ユー・ニード・イズ・ユア・キル』ください… Σ(゚д゚;) ハッ」なんて言ってしまって…。ところが、なんと売店の店員さん(女性)も「『オール・ニード・ユー・イズ…ゴニョゴニョ』ですね (´Д`;しアアン」と言い間違えたことで、「アハハ ( ´∀`)(´∀`し ウフフ」と劇場内に溢れるシンパシー。ハッキリ言って、僕が妻帯者じゃなければ恋に落ちていたーー。そんな素敵な出来事があったことを書き残しておきますよ (・ε・) ナンダソリャ


この歌を念頭に置いとくと間違えづらいと思います、たぶん。




さて、感想ですけど、「なんだよ、このハッピーエンド! (ノ∀T) ンモウ!」といった感じ。これからネタバレ全開の駄文を垂れ流しますが、そんなに意外な展開はないものの、基本的にはネタバレを知らない方が面白いのは間違いないので、未見の方は読まない方が良いと思うのですよ。で、それは原作小説コミカライズ版にも当てはまるので、僕的には映画→原作小説コミカライズ版の順で楽しむことを推奨いたします (o^-')b オススメ!


全部、Kindleで読みました~。
kindle版を読みました


そりゃあ、僕的に100点の映画ではないんですけど、この原作をトム主演で映画化するならこれがベターだとは思った…って、伝わりますかね。見終わってからすぐに原作小説を読んで、より評価が高まったというか。映画と原作小説はこんな風に違うんですよ↓


<映画版>
・主人公ウィリアム・ケイジは広報担当の少佐→クソ野郎だったので、脱走兵として前線送りに
・戦場はノルマンディー
・タイムループ能力を身に付けたのは、特殊なギタイを倒して、その体液が混ざったから
・ケイジは早い段階でリタにタイムループしていることを伝えて、鍛えてもらう
・リタは輸血によりタイムループ能力をなくしている
・特訓により戦闘能力は高まるも、戦況を変化させるほどではない
軍はタイムループ云々を信じていない(技術者が1人だけ信じてくれている)
・敵のギタイは侵略者であり、実は1つの生物→管理中枢であるオメガを倒せば戦争に勝てる
・秘密裏に作られた装置を使って、オメガがパリのルーブル美術館の地下に隠れていることを発見
・途中で輸血により、タイムループ能力をなくす
・仲間を引き連れて、オメガを襲撃→手榴弾を使って刺し違える
・オメガの体液がケイジに混ざり、タイムループ能力が復活
・一番最初の時間軸に戻るも、戦争は終結→リタに再度会いに行って終了
(ノω・、) イキテテヨカッタヨ-



<原作小説版>
・主人公キリヤ・ケイジは新兵
・戦場はジャパンのボーソー半島近くのコトイウシ島
・タイムループ能力を身に付けたのは、特殊なギタイを倒して、脳が予兆をキャッチできるようになったから
・ケイジがリタにタイムループしていることを伝えるのは、十分強くなってから
リタもタイムループ能力を備えている
・ケイジもリタも敵を皆殺しにできるほど戦闘能力が高い
軍の上層部はタイムループを把握している
・敵のギタイは異星人のテラフォーミング用兵器
・サーバとバックアップのギタイを倒せば、その戦闘には勝てる(戦争自体は終わらない
・ケイジとリタの脳はバックアップ・アンテナ化しているため、どちらかが死なないとループが終わらない
・泣く泣く殺し合う2人→ケイジが勝利…
オレたちの戦いはこれからだ!
ヽ(`Д´)ノ
ウォォォ!



間違っているところがあったら申し訳ありませんが(汗)、大体こんな感じかと。コミカライズ版に関しては、原作小説を上手く省略&読みやすく漫画化していて(グリーンティーのくだりとか、わかりやすくなってる)、これまた非常に良い出来なんですが、それは置いといて。とにかく原作小説と比べちゃうと、“物語のコク深さ”が損なわれているのは否めないのです。

特に、原作を読む前でも、ルーブル美術館のオメガ襲撃あたりの微妙な失速感にはかなり失望したというか(つーか、あれで仲間たちの信用をゲットできるなら、軍の上層部も十分説得できるんじゃないの?)。それまでも全体的にアクションは“流し気味”であり、僕的にはずっと機動スーツ(exo suit/原作では機動ジャケット)での“斬新で燃えるバトル”に期待していただけに(「エリジウム」も物足りなかったので…)、クライマックス、ケイジもリタも着ないのは超ガッカリしましたよ。ラスボスを倒せば万事解決オチは嫌いじゃないけどさ、だったらせめてラストの戦闘ぐらいは盛り上げて欲しかったなぁ…。

って、不満点から書いちゃいましたが、たぶん原作をそのまま映画化するのは結構難しかったとも思ってて。例えば「大きなバトルアックスを振るって、敵を全滅させるほどの強さを発揮する兵士」ってのは、小説や漫画だと楽しいんですけど、実写だと絵空事に見えちゃうんじゃないかと。というか、ごめんなさい、いくら150回以上の実戦経験を積もうとも、機動スーツが運動能力をフォローしようとも、さすがに原作通りの“鬼神のような強さ”を描くのは無理だった気がしたんですよね(もっと漫画っぽいノリになると思う)。

だから、もともと原作小説自体が「ゲームのプレイ日記」から着想したそうですが、映画版は「パターンを覚えて成長して行く要素」を強めたのが実に素晴らしい(現実的にそれが可能かは別として)。もう、ケイジがループに囚われたことを自覚してからの試行錯誤描写は、まさに映画ならではの“ゲーム的な表現”でしてね(車に轢かれる場面が最高!)。先ほどは否定気味に書きましたけど、そう考えるとアクションが“流し気味”だったのも、“パターンを覚えて戦闘をそつなくこなす描写”として意図的にやったのではないかと思ったりもして(とは言え、やっぱりつまらないワケですが)。


「メットを装着しない」のも、なんとなくゲームっぽいような。
戦場で強くなるケイジ


あと、リタがケイジを鍛える&タイムループ能力を失っている設定にしたのも良かった! 最初は鍛えられる立場だったのに、いつしか彼女を超えてしまって、さらに一方的な恋心も抱いてしまって…という切なさにグッとくる。ダムに向かうくだりで、どうやってもリタが死んでしまうことに悩んだ挙げ句、ケイジが単身で敵地に臨むくだりは、1人だけ時間に囚われた男の孤独が伝わってきて、ちょっと「恋はデジャ・ブ」っぽさを感じたというか。あの場面までは非常に面白かったです。


唐突ですが、こういうビジュアルも良かったなぁと思います。
戦場の牝犬


というか、トムの“クソ野郎からの成長演技”と、エミリー・ブラントの存在感がとにかく素敵でしてね…(しみじみ)。なんて言うんですかね、文句はつけたものの、この2人を観ていると好きにならざるを得なくて。オメガ云々の展開に失望したのは確かですが、最後、都合良く時間が戻って全員が生きてて、成長したケイジがリタの目の前に立つラストはね、実はスゲー泣いた。『敵を倒したら死んだ人たちも復活』って、スーパー戦隊のオチかよ!(ノ∀T) ンモウ!」と、ツッコミながらも泣き笑いだった次第。


この初対面のシーンのエミリー・ブラントは素敵すぎ (´Д`;) ハァハァ 原作の“前支え”オマージュなのかしらん。
初対面のシーン


ということで、長々と書いて来ましたが、基本的には好きな映画でしたヨ (´∀`) ウフフ 話は別物になってますけど、なかなか愛のある映画化作品ではないでしょうか。思いっきりネタバレしちゃいましたが、原作小説コミカライズ版も面白いので、興味がある人はぜひ読んでみてくださいな。それと、日本のコンテンツは今後もハリウッドで映画化されていくと思うんですけど、実は僕的に“ある場面”でダグ・リーマン監督が日本の某名作漫画へのオマージュを捧げている気がしたというか。もしかするとその作品が海外で実写映画化される日も近いのかもしれませんな…(知った風な口調で)。


この場面で脱ぎ捨てられた機動スーツの形が…。
脱ぎ捨てた機動スーツ

範馬刃牙」第6巻の「オリバが脱ぎ捨てたタキシード」に激似だったのは、果たして偶然なのでしょうか…(考えすぎな文章)。
オリバのタキシード


おしまい ┐(´ー`)┌ スミマセンネー




桜坂洋先生による原作小説。新書版もアリ。僕はkindle版で読みました。



小畑健先生によるコミカライズ版で、2巻で完結。これもkindle版で(ry



サントラでございます。



ダグ・リーマン監督作で一番良かったのはこれかなぁ。



なんだかんだ言って、トム・クルーズ主演作で一番好きなのはこれかも。



タイムループ系映画では超引き合いに出されるので、観といた方が良いですぞ。町山智浩さんの解説も超オススメ。