指輪をはめたい(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

指輪をはめたい(ネタバレ)

指輪をはめたい

三角絞めでつかまえて-指輪をはめたい映画

2011/日本 上映時間108分
監督・脚本:岩田ユキ
製作総指揮:木下直哉
プロデューサー:武部由実子、平林勉
原作:伊藤たかみ
撮影:翁長周平
美術:井上心平
照明:柴田亮
録音:小宮元
音楽:加羽沢美濃
出演:山田孝之、小西真奈美、真木よう子、池脇千鶴、二階堂ふみ、山内健司、佐藤貴広、マギー司郎、水森亜土、杉山彦々
(あらすじ)
製薬会社に勤務する29歳独身の片山輝彦(山田孝之)は、ある日営業先のスケートリンクで転倒し頭を打ち、気を失ってしまう。目覚めた彼はカバンの中に婚約指輪を見つけるが、その指輪を誰に渡そうとしていたのかまったく思い出せない。そんなとき、輝彦の前にまるでタイプの異なる3人の女性が現われ、3人とも自分が輝彦と付き合っていると主張し……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




60点


※今回の記事は、原作小説のネタバレにも触れているので、知りたくない人は気をつけて!
※今回の記事は、本当に面倒くさい上に気持ち悪い文章を書きました。だから、単純にこの映画の感想に興味がある人は読まなくて良いと思うし、山田孝之さんが好きな人は絶対満足すると思うから、こんなブログを読むのはやめて、さっさと観に行った方が良いと思うのです。


予告編を観た時も、別にすごく惹かれたワケじゃなかったんですよ。ただね、非常に気になってしまって、新宿バルト9で観てきました。かなり個人的な感想になっちゃいますが(いつもそうだけど)、結構好きな映画ではありましたヨ (・ε・)

簡単に書くと、最初はファンタジックなボンヤリムードの世界観の微妙なコメディ映画だったんですけど、後半に少しどんでん返しがあって、寂しいけど前向きな雰囲気で終わる感じ。よく考えると話の辻褄が合わない気もするんですけど、細かいところに関しては、ううむ、僕は好きだから許せちゃったかなぁ。

一応、映画を観た後に原作小説を読んだんですが、原作を簡単に説明すると「指輪をはめたい=結婚することで大人の男になる」という「40歳の童貞男」的なテーマというか、通過儀礼に向き合えなかった男の話でして。オチも読者に対して「あ、こういうことだったのかな…?」程度のカタルシスしか与えなくて、主人公は大人になりきれずに迷ったまま終わるワケです。一応、小説の感想を書いておくと、結構面白かったけど、主人公がスムースにモテる奴なので死ねば良いと思いました。あと、職場の小便器で自慰行為をするのが常識のように書いてあったのはビックリしましたよ(みんな、他人に見られても平気なの?)。

で、映画の方なんですが、ストーリーが小説とほとんど違うんですね。「記憶をなくした男が結婚指輪を持っていて、彼女が3人いて、謎の少女が絡んでくる」以外は、主人公の設定も女性たちの設定も別モノ。ファンタジックなムードにして、女性たちのキャラクターもステレオタイプにして、失恋から立ち直る男の話にすることでスゲー飲み込みやすくしたというか。パンフレットのインタビューで監督が「登場人物の成長物語にした」とおっしゃってましたが、正解だったんじゃないでしょうか。原作小説を読んで、逆に映画の株がちょっと上がりましたね。

一応、適当にオチを書いておくと、結局、主人公が持っていた指輪は同棲してた元カノ・絵美里(二階堂ふみ)にプロポーズするために買ったモノでして。彼女にフラれてしまって、その当て付けに次々と女性たちと付き合ってみたけど、結局、忘れられなくて。記憶をなくした時に現れた少女エミ(二階堂ふみ)は元カノの幻だったと。その幻は彼が都合良く作った存在でしかないから、本物の元カノには冷たくあしらわれてしまって。ドン底に堕ちた主人公は、過去に囚われてしまったことで“3人の彼女たち1人1人とも大事な時間を過ごしていたことを忘れていた自分”にも気付いて、やっと大好きだった元カノに「さよなら」を言うんですね…。


このシーン、かなりグッときました。
三角絞めでつかまえて-3人との思い出


ハッキリ言って、ちくしょう、好きなところが多くて。ファンタジー描写&コメディ要素はイラッとするところもなくはなかったけど、後半、主人公が夢から覚めて現実に戻った時とのメリハリが利いてたから全然OK。あとね、主人公が3マタをかける女性たちも、真木よう子さんが演じた風俗嬢のキャラクターに関しては、あまりにステレオタイプすぎて気になったりもしたけれど、でも、やっぱりみんな素敵だったから愛してる。そして、二階堂ふみさんはエミが超可愛かったのに、その後の絵美里役が恐ろしく冷たくて胸が痛くなったけど愛してる。


3人が揃う修羅場シーンもありました。真木よう子さんの「チンコ切れ!」って台詞がナイス (o^-')b
三角絞めでつかまえて-素敵な3人

超可愛かった二階堂ふみさん。スケートの上手さにも感動しました。
三角絞めでつかまえて-二階堂ふみさん


でもね、この作品を素晴らしくした最強の要素は、何と言っても山田孝之さんでしたYO!ヽ(`Д´)ノ もうね、3マタしてる主人公という設定だけで、アゴを蹴り砕いてやりたい気分になるのが人情じゃないですか。で、確かに序盤から中盤にかけては「コイツ、殺す!ヽ(`Д´)ノ」くらいに憎いんですけど、山田孝之さんの演技が素晴らしくて、なんかね、徐々にほだされるんですよ…。まぁ、僕もそんなに山田孝之さんが出ている作品をチェックしているワケではありませんが、今までで一番良かったというか、特に最後の「さよなら」のシーンはね、死ぬかと思いました… (ノДT)


非常に魅力的だった山田孝之さん。「クローズZERO」の人と同じとは思えない。
三角絞めでつかまえて-駄目な主人公


で、すみません、ここから、ここから面倒くさい文章になるんですが…。前にも書いたことがあると思いますが、僕も昔から結婚願望が強かったりしまして。初めて付き合った彼女とは本当に結婚したくて、指輪を買ってプロポーズしたんですが、結局、婚約破棄になりまして…。この時の僕は外見的にも内面的にも恐ろしく醜かったんですが、彼女と別れてからは、とにかく「ふ、2人で出せなかった答えは今度出会える君の知らない誰かと見つけてみせるんだからぁ!ヽ(TДT)ノ」と思って生きてきたんですけど…。正直なところ、今でも彼女のことが忘れられないというね。

いや、もちろん僕は結婚しているし、当時を振り返っても僕はこの映画の主人公のように彼女の幻に恋をしていただけだから、どうなるワケでもないし、どうしたいワケでもないんですけども。あんなに好きだったハズなのに、非常に険悪なムードで終わっちゃったから、思い出すと胸が痛くて仕方がなくて。僕もね、ちゃんと「さよなら」って言えば良かったって、心底思ってね、死ぬほど泣いたワケです。もうね、非常に辛かったです…。

とは言いつつも! 完全にマッチポンプ的な文章を書きますが、いつまで未練を引きずってんだYO!ヽ(`Д´)ノ 「テメェは一体、何年間ウジウジ言ってやがんだ!」と、娘・マナ子が生まれたことで体内から過剰に分泌されるテストステロンが僕の中の父性を増強! 十数年前の恋愛沙汰をわざわざ記憶の底から引っ張り出してきて「胸が痛い~ ヽ(´Д`;)ノ」なんてチャンチャラおかしいというかね(苦笑)、僕はね、もう全然負けませんよ!(キッパリ)


まったく関係ありませんが、今、僕の中で流れる曲を貼っておきますね↓




だから、この映画も確かにグッときたし、なんて言うかな、作風は違うんだけど「台北の朝、僕は恋をする」的な“いくら隙があっても僕の心が「好きよ(はぁと)」と思っちゃうムードの映画”なんですけど、娘を持つ怒れる父の心境としては3マタをするような奴は死の翼触れるべし!ヽ(`Д´)ノ ということで、点数は60点! 役者さんたちが実に魅力的なので、たぶん出演者のファンなら観ても損はしないぜ!




伊藤たかみさんによる原作小説。面白かったですよ。
三角絞めでつかまえて-指輪をはめたい小説
指輪をはめたい (文春文庫)


岩田ユキ監督作。才能がある人だと思ったので、作品をチェックしたい気分ではある(偉そうに)。
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