台北の朝、僕は恋をする(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

台北の朝、僕は恋をする(ネタバレ)

台北の朝、僕は恋をする

$三角絞めでつかまえて-台北の朝、

原題:Au revoir Taipei
2009/台湾、アメリカ 上映時間85分
監督・脚本:アーヴィン・チェン
製作総指揮:ヴィム・ヴェンダース、メイリーン・チュウ
出演:ジャック・ヤオ、アンバー・クォ、ジョセフ・チャン、トニー・ヤン、クー・ユールン、カオ・リンフェン、ポール・チャン、ヴェラ・ヤン
(あらすじ)
パリにいる恋人に会いたい一心で、台北の書店でフランス語の本を読みあさるカイ(ジャック・ヤオ)。しかし、一方的に振られて焦ったカイは、パリへの旅費を調達しようと怪しい小包を届ける仕事を引き受ける。親友のカオ(ポール・チャン)と一緒に小包をピックアップし、パリへ発とうとする夜、カイは書店員のスージー(アンバー・クォ)と遭遇し、三人でご飯を食べることになる。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




71点


※今回の記事は、恐ろしくどうでも良い自分語りが長く、さらに“性”の話も含まれており、そういうのが苦手そうな人は確実に気持ち悪くなると思うので、絶対読まない方が良いです。
※というか、今回の記事は、かなりダラダラしてまして、僕自身、何を書いているのかよく分からないけど、時間がないということでアップしてしまったので、読む人は気をつけて!


まず、上に貼った予告編を見てくださいよ。なんかオサレかつキュートなラブコメ感というかさ、音楽も気が利いてる感じだしさ、ハッキリ言って妬ましい!ヽ(`Д´)ノ だって、この画像とか見てくださいよ↓


てめえら、本屋でウキウキ踊ってんじゃねーよ!
三角絞めでつかまえて-踊る2人


もう、どうしてそんな状況で踊ってるのか知りませんけど(ミュージカルシーン?)、あの“ちょっとはにかんでいるような2人の表情”がピンポイントで憎い! ねぇ、台湾といえば「モンガに散る」みたいな男臭い国なんじゃないの? “神心会のデンジャラスライオン”加藤清澄さんがこの予告編を見たら、間違いなくこんな感じのリアクションをとると思いますよ↓


そうだそうだ! 言ってやって、言ってやって!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-バカバカしい


…ただね、頭の良い方はお気付きでしょうけど、妬ましいということは、裏を返せば「憧れている」ということ。普段はやたら筋肉だバイオレンスだゴア描写だと騒いでいても、実は心の奥底ではこういう世界への憧れを秘めている…。ボンクラな男にはそういう一面もあるのではないでしょうか。僕は相原コージ先生×竹熊健太郎先生の“漫画史に残る傑作”「サルまん」が大好きなんですが、その中でも心から愛さずにはいられない“1コマ”があるんです。それは少女漫画の描き方をレクチャーした話のラストカット。


少女漫画のウケる話を教える竹熊先生。相原先生は「ヘッ」と興味なさげですが…。
ヘッ!!

この回の最後のコマでは、登場人物に対する“憧れ”が顔に!
最後のコマ

アップにしてみました。これだ、この顔に真理があるんだ!
チュー。


童貞時代、僕はずっと「チュー」がしたかったんです。いや、高校生のころ、友人と話す時はちょっと粋がった風で「お前、キスとかしたことあんの?」って感じでしたが、夜中、布団を抱きしめながら1人つぶやいたりする時は「チューってどんな感じなのかなぁ」「チューとか一生できないのかなぁ…」と脳裏に浮かぶ単語は「キス」ではなく「チュー」だったワケですよ。いや、もちろん連夜“己を慰める行為”にも励んでいたし、セックスもしたかったけれども、僕のような人間にはハードルが高い気がしまして。好きなあの子の手を握って、抱きしめて、チューをする…ここまででいい! ここまでで良いから、神様お願いします…なんて祈ったりしたことがあるのは、僕だけじゃないですよね? ね?

だから、ビッグコミックスピリッツ「サルまん」の連載を読んでいた当時、あの1コマを見た時は「これは僕だ!」と凄まじく胸を打たれまして。「僕が今、一番欲してるのは“理想の愛”であり、“理想のチュー”なんだ」「分かってくれる人がここにいた!」と…。って、すみません、何を書いているのか自分でもよく分からなくなってきました。

いや、何が言いたいのかというと、こういう“性の匂いがあまりしない気が利いた感じのちょっとオサレな素敵恋愛映画”って、イラッとするけど憧れちゃったりもするんですYO!ヽ(`Д´)ノ 合わないと烈火の如く怒ったりするんですけど(面倒くさい観客)、例えば毛色は違うけど、「恋する惑星」とか反吐が出るほど大好きだったりしましてね。今でも観ると「チュー。」という気分になってしまうワケです…。


フェイ・オンが歌う「恋する惑星」の主題歌。クランベリーズのオリジナルよりもこっちの方が好き。




というワケで、前置きがバカみたいに長くなってしまいましたけど、どうしてもどうしても気になってしまったので、仕方なく新宿武蔵野館に行ってきました。感想は、ちくしょう、結構好きな映画でしたよ… (´・ω・`)


ロビーの展示はこんな感じ。武蔵野館でお馴染みの“水槽の展示”は英国王が占領状態だったり。
三角絞めでつかまえて-台北展示

エレベータ前には、サイン入りポスターが飾ってありました。
三角絞めでつかまえて-ポスター

タイアップも「モンガに散る」の鶏モモとは大違いだよなぁ…。
三角絞めでつかまえて-タイアップ


まず、話を個条書きでザックリ書くと、こんな感じでした↓

恋人がフランスに行ってしまったので、カイは書店でフランス語の本を座り読みするのが日課に
→なぜか書店員のスージーが好意的に話しかけてくるようになる
→フランスに行った恋人にフラれてしまうカイ。彼女の愛を取り戻すべく自分も渡仏を決意
→知り合いのヤクザ・パオ(カオ・リンフェン)から金を借りるも、代わりに小包を運ぶことに
→ヤクザの甥のホン(クー・ユールン)と子分のチンピラ3人組がそれを横取りしようとする
→偶然、街でカイに会ったスージーも巻き込まれる
→親友のカオ(ポール・チャン)がさらわれたり、刑事のチーヨン(ジョセフ・チャン)に追われたり
→すったもんだの挙げ句、「実はカイは囮で、渡された小包の中身は大したモノじゃなかった」ことが発覚
→ホンが逮捕されて騒動は終了
→カイはタクシーに乗って、一旦はスージーと別れるものの、渡仏を止めて書店へ
→2人は良い雰囲気になり、店内で踊るシーン(最初に貼った画像)が流れて終了



主人公のカイは、僕が最も嫌いな“何の努力もしないくせに可愛い子にモテるボンヤリ野郎”で、心底どうでも良かったです。話自体も、ハッキリ言って大したことはなくて、コイツが本屋で座り読み(台湾では当たり前なのかもしれないけど、かなり腹立つ行為!)をしていると、書店で働いているスージーがなぜか一方的に好意を持って話しかけてくるワケですから、序盤からまったく納得がいかないんですよね。


良いところがまったく見えない主人公。さらわれた親友を見捨てなかったのは偉いけど…。
三角絞めでつかまえて-腹立つ主人公


ただ、そのスージーが超可愛くて… (´∀`) パンと牛乳、トリプルHとスレッジハンマーなど、世の中には様々な“ベストの組み合わせ”が存在しますが、僕的には“女性と本”という組み合わせが大好物だったりしまして。例えば、女性が図書館にいたりとか、本屋で働いていたりするだけで勝手に好感度アップ! 僕の初恋は図書室にいた女の子だったし、新宿の紀伊國屋書店には実に僕好みの“メガネをかけた可愛い女性店員さん”がいて、本を買うときはなるべく彼女のレジに並んだりしているということで(そういう時は間違っても「バキ特別編SAGA」みたいな本は買わない)、初期設定からすでにタイプなワケですよ。


アンバー・クォ演じるスージー。マジで可愛かったなぁ… (´Д`;)ハァハァ
三角絞めでつかまえて-可愛いヒロイン


その上、アンバー・クォ自体も“素朴で真面目で可愛い女の子”感に溢れている女優さんということでね、彼女を観ているだけで楽しい…。彼女を観ているだけで楽しいんです! 原付でチンピラの車を追うシーンで芯の強さが垣間見えたりするのも良かったなぁ。

しかも、終盤、非常に胸を打つシーンがありまして。カイと別れた後、彼女が1人で自分のアパートの部屋に戻るんですが、スゲー寂しそうなんですよ・°・(ノД`)・°・ もし「『ただいま』を言う相手もいない… (´・ω・`し」と彼女が切なくつぶやいたとしても、決して小さいカバどもが「ど~お?」とか言いながらうがい薬を薦めて来たりはしない、完全なる孤独がそこにあったワケです…。これか、これが台北砂漠か!

それまでは「もう、スージーったら、いくらカイに気があるとしても、ちょっと積極的すぎじゃないの? ( ^∇^)σ)゜ー゜) 」と思うところもあったんですけど、この描写だけですべての疑問が氷解。「あんな明るく振る舞ってたけど、本当は寂しかったんだなぁ…」と号泣ですよ。だから、カイは全然好きになれなかったけど、ラストシーンで彼女が幸せそうに踊る姿が観られたのはスゲーうれしかったです。
 

というワケで、もう一度貼っておきます。スージー、良かったね、良かったね、良かったね…。
三角絞めでつかまえて-踊る2人


あと、僕的にグッときたのが親友カオのエピソード。彼は徴兵に行くことになっていて、その前に片想い状態のコンビニの同僚の桃子(ヴェラ・ヤン)に告白しようとするんですが、どうしても伝えられないんですよ。で、それをチンピラ3人組やホンに相談したりしてね(ここら辺のシーンは非常にとぼけていて、場内では爆笑が!)。事件が終わった後、コンビニに戻った彼は桃子に意を決して伝えようとするんですが、結局、伝えられないという…(「バカ…カオはバカよ! (/Д`)」という気持ちに)。このシーンは本当に素晴らしくて、ここだけでももう一度観たいくらい好きでした。


ちょっとボーッとした感じのカオですが、スゲーいいやつ!
三角絞めでつかまえて-ボンヤリした友人

カオが片想いしている桃子。映画ではこの画像の10倍は可愛いとだけ言っておこう(偉そうに)。
三角絞めでつかまえて-可愛い桃子


まぁ、基本的には予告編通りの空気感で進んで、別に大したことも起こらないし、ヤクザですら善人という非常にヌルく甘ったるい映画なんですよ。テーマソングも気取った感じだしさ、僕的にはこういう曲とかこういう曲を支持する男でありたいワケですけど…。でも、たまにはヌルいお風呂に浸かるのも良いような気がしないでもないじゃないですかぁ~(突然、馴れ馴れしく)。


洒落たムードのテーマソング↓ 僕のMP3プレイヤーになんか絶対入れないんだから! ヽ(`Д´)ノ




残念ながら僕はあまり映画の教養がないので、似ている作品とかホイホイ挙げられませんが、アーヴィン・チェン監督はパリを意識したということで、「フランス映画に似た雰囲気の作品がありそうだな~」とか思ったりしたけど、まぁ、そんなことはどうでもいいザンス ┐(´ー`)┌ 僕は…久しぶりに「チュー。」という気分になりましたYO!ヽ(`Д´)ノ なんか万人には薦められないと思うけど、興味があってヒマな人は観ても良いんじゃないですかね。以上、なんかまとまりのないダラダラした感想になっちゃって、すみませんでした…。




サントラです。さぞオサレなんでしょうな。



アーヴィン・チェン監督は、故エドワード・ヤン監督の最後の弟子なんだそうで。1本も観たことありませんが…。



あまり関係ないけど、思い出したので貼っておきますね。