スパルタの海(ネタバレ)
スパルタの海
![三角絞めでつかまえて-スパルタの海](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/cb/3a/j/t02200308_0343048011598604482.jpg?caw=800)
1983/日本 上映時間105分
監督:西河克己
製作:天尾完次
プロデューサー:伊藤勝幸
原作:上之郷利昭
脚本:野波静雄
撮影:山崎善弘
美術:野尻均
出演:伊東四朗、小山明子、平田昭彦、牟田悌三、横田ひとみ
(あらすじ)
非行少年や不登校児の更生施設として有名な愛知県美浜市の戸塚ヨットスクールに、東京から家庭内暴力を起こした俊平(辻野幸一)が送り込まれてくる。入校初日から校長(伊東四朗)の激しい体罰を食らっても反抗を止めない俊平だったが、嫌々ながらもヨット訓練に参加する。そして壮絶なしごきや突然の仲間の死など、俊平はさまざまな経験を積んでいく。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
85点
戸塚ヨットスクールに関しては、知らない人はwikipediaを読むとか、上之郷利昭さんがヨットスクールの合宿所に泊り込んで取材した「スパルタの海―甦る子供たち」
を読むとか(このサイトで読めるっぽい)、「無限回廊」さんの「戸塚ヨットスクール事件」を読んだりしてほしいんですが、僕的にはずっと「狂人が狂人の理屈
で青少年を更生させようとする暴力施設」だと思ってたんですね(ここまでほぼコピペ)。
ただ、今年の2月、戸塚ヨットスクールの今を描いたドキュメンタリー「平成ジレンマ」を観てから、非常に考えさせられまして…。僕的に体罰は肯定できないけど、「じゃあ、その少年たちは誰が救うのか?」と言われたら口ごもるしかないというか、僕にはあまりに問題が重すぎるというか…。「こうなったら、積極的に目を逸らすしかないな (`・ω・´)キリッ」と、愉快な映画を観たり、美味しい物を食べたり、可愛い我が娘と戯れたりしてきたワケです。
そんな折、1983年に作られたものの、長らく封印されていたこの「スパルタの海」が公開されるということでね。ううむ、やっぱり気になってしまったので、シアターN渋谷で観てきたんですが、思ってた以上に良く出来た映画でしたよ。ハッキリ言って、この映画については深町秋生先生や真魚八重子さんのブログを読めば十分なんですが、一応、感想を書き残しておきますね。
記事の切り抜きやTシャツが飾られてました。ほしいけど、サイズがない…。
![三角絞めでつかまえて-展示1](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/69/70/j/t02200165_0640048011598604484.jpg?caw=800)
なんとジャージまで! ほしいけど(ry
![三角絞めでつかまえて-ジャージ](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/c1/70/j/t02200293_0360048011598604483.jpg?caw=800)
何がスゴイって、映画としてオーソドックスに面白いんですよ。オープニング、暴れる少年・俊平をヨットスクールのコーチたちが無理矢理拉致→車の中から俊平が家に向かって「お母さーん!」と叫ぶ→割れた窓ガラスがクローズアップ→タイトルがドーン!という流れから、「おおっ!Σ(゚д゚;)」と胸をワシ掴みにされまして。
このタイトルが出るシーン、かなりカッコ良かったです。
![三角絞めでつかまえて-タイトルがドーン!](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/cc/a5/p/t02200117_0624033311598604485.png?caw=800)
その後も、俊平へのハードな教育、世間からのバッシング、少年たちの成長、ある少年の死と暴走、校長の苦悩、理解者との触れあい、俊平と明子(横田ひとみ)のほのかな恋愛、そして、校長と俊平との和解…といった感じで、予想以上に“普通に楽しめる作り”になっているというか、乱暴に言うと“暴力マシマシ脂多めな「スクール・ウォーズ」
”というかね。オチを書いておくと、少年は成長して卒業するものの、相変わらず学歴偏重主義の親に愛想を尽かして、スクールに戻ってきちゃいまして。「オレ、先生みたいに太平洋横断レースに出るんだ! ヘ(゚∀゚*)ノ」「こいつぅ… (ノ∀`)」って感じで終わってました。
すっかり仲良しになった2人。微笑ましいですな。
![三角絞めでつかまえて-じゃれ合う2人](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/14/kamiyamaz/f3/95/p/t02200117_0622033211598673182.png?caw=800)
昔の作品なだけに古さを感じるところも多いんですが、暴力描写がとにかくイヤ~な感じだし(地味にハード)、何よりも校長を演じた伊東四朗さんの恐ろしさが際立っていて、非常に退屈しないんです。キッチリ鍛え上げた肉体に狂気が宿っている雰囲気が超素晴らしくて、この映画の伊東四朗さんを観られただけでも劇場に足を運んだ甲斐があったと思いましたね…。
パンフレットに載っていた素敵な2ショット。世界タッグに出たら優勝を狙えるチームかもしれぬ。
![三角絞めでつかまえて-素敵な2ショット](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/85/9c/j/t02200157_0640045711598604486.jpg?caw=800)
まぁ、ちゃんとヨットスクールを批判する描写を盛り込んでいたけど、全体的にはやっぱりプロパガンダ的なニュアンスが強いのは確かですよ。ただ、そこら辺はそんなに問題じゃないというか、「当時、こういう社会問題があって、こういう作品が作られた」ということを踏まえて、よく出来た劇映画として楽しめばいいんじゃないでしょうか。で、僕的には、この映画がキッカケになって戸塚ヨットスクールに興味を持った人には、ぜひ「平成ジレンマ」もチェックしてほしいですな。
「平成ジレンマ」の予告編を貼っておきますね↓
おしまい (・ε・)
戸塚宏さんの著作。読んでみようかなぁ。
![三角絞めでつかまえて-本能の力](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/14/kamiyamaz/a5/a4/j/t01490240_0149024011598673181.jpg?caw=800)
本能の力 (新潮新書)![](https://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=kamiyamaz-22&l=as2&o=9&a=4106102129)
スパルタ繋がりでこういうのを貼ったからって、別に面白くはないですよね…。
![三角絞めでつかまえて-300](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/14/kamiyamaz/04/33/j/t01730240_0173024011598673180.jpg?caw=800)
300 <スリーハンドレッド>(Blu-ray Disc)![](https://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=kamiyamaz-22&l=as2&o=9&a=B000U5HX2S)
![三角絞めでつかまえて-スパルタの海](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/cb/3a/j/t02200308_0343048011598604482.jpg?caw=800)
1983/日本 上映時間105分
監督:西河克己
製作:天尾完次
プロデューサー:伊藤勝幸
原作:上之郷利昭
脚本:野波静雄
撮影:山崎善弘
美術:野尻均
出演:伊東四朗、小山明子、平田昭彦、牟田悌三、横田ひとみ
(あらすじ)
非行少年や不登校児の更生施設として有名な愛知県美浜市の戸塚ヨットスクールに、東京から家庭内暴力を起こした俊平(辻野幸一)が送り込まれてくる。入校初日から校長(伊東四朗)の激しい体罰を食らっても反抗を止めない俊平だったが、嫌々ながらもヨット訓練に参加する。そして壮絶なしごきや突然の仲間の死など、俊平はさまざまな経験を積んでいく。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
85点
戸塚ヨットスクールに関しては、知らない人はwikipediaを読むとか、上之郷利昭さんがヨットスクールの合宿所に泊り込んで取材した「スパルタの海―甦る子供たち」
ただ、今年の2月、戸塚ヨットスクールの今を描いたドキュメンタリー「平成ジレンマ」を観てから、非常に考えさせられまして…。僕的に体罰は肯定できないけど、「じゃあ、その少年たちは誰が救うのか?」と言われたら口ごもるしかないというか、僕にはあまりに問題が重すぎるというか…。「こうなったら、積極的に目を逸らすしかないな (`・ω・´)キリッ」と、愉快な映画を観たり、美味しい物を食べたり、可愛い我が娘と戯れたりしてきたワケです。
そんな折、1983年に作られたものの、長らく封印されていたこの「スパルタの海」が公開されるということでね。ううむ、やっぱり気になってしまったので、シアターN渋谷で観てきたんですが、思ってた以上に良く出来た映画でしたよ。ハッキリ言って、この映画については深町秋生先生や真魚八重子さんのブログを読めば十分なんですが、一応、感想を書き残しておきますね。
記事の切り抜きやTシャツが飾られてました。ほしいけど、サイズがない…。
![三角絞めでつかまえて-展示1](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/69/70/j/t02200165_0640048011598604484.jpg?caw=800)
なんとジャージまで! ほしいけど(ry
![三角絞めでつかまえて-ジャージ](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/c1/70/j/t02200293_0360048011598604483.jpg?caw=800)
何がスゴイって、映画としてオーソドックスに面白いんですよ。オープニング、暴れる少年・俊平をヨットスクールのコーチたちが無理矢理拉致→車の中から俊平が家に向かって「お母さーん!」と叫ぶ→割れた窓ガラスがクローズアップ→タイトルがドーン!という流れから、「おおっ!Σ(゚д゚;)」と胸をワシ掴みにされまして。
このタイトルが出るシーン、かなりカッコ良かったです。
![三角絞めでつかまえて-タイトルがドーン!](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/cc/a5/p/t02200117_0624033311598604485.png?caw=800)
その後も、俊平へのハードな教育、世間からのバッシング、少年たちの成長、ある少年の死と暴走、校長の苦悩、理解者との触れあい、俊平と明子(横田ひとみ)のほのかな恋愛、そして、校長と俊平との和解…といった感じで、予想以上に“普通に楽しめる作り”になっているというか、乱暴に言うと“暴力マシマシ脂多めな「スクール・ウォーズ」
すっかり仲良しになった2人。微笑ましいですな。
![三角絞めでつかまえて-じゃれ合う2人](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/14/kamiyamaz/f3/95/p/t02200117_0622033211598673182.png?caw=800)
昔の作品なだけに古さを感じるところも多いんですが、暴力描写がとにかくイヤ~な感じだし(地味にハード)、何よりも校長を演じた伊東四朗さんの恐ろしさが際立っていて、非常に退屈しないんです。キッチリ鍛え上げた肉体に狂気が宿っている雰囲気が超素晴らしくて、この映画の伊東四朗さんを観られただけでも劇場に足を運んだ甲斐があったと思いましたね…。
パンフレットに載っていた素敵な2ショット。世界タッグに出たら優勝を狙えるチームかもしれぬ。
![三角絞めでつかまえて-素敵な2ショット](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/13/kamiyamaz/85/9c/j/t02200157_0640045711598604486.jpg?caw=800)
まぁ、ちゃんとヨットスクールを批判する描写を盛り込んでいたけど、全体的にはやっぱりプロパガンダ的なニュアンスが強いのは確かですよ。ただ、そこら辺はそんなに問題じゃないというか、「当時、こういう社会問題があって、こういう作品が作られた」ということを踏まえて、よく出来た劇映画として楽しめばいいんじゃないでしょうか。で、僕的には、この映画がキッカケになって戸塚ヨットスクールに興味を持った人には、ぜひ「平成ジレンマ」もチェックしてほしいですな。
「平成ジレンマ」の予告編を貼っておきますね↓
おしまい (・ε・)
戸塚宏さんの著作。読んでみようかなぁ。
![三角絞めでつかまえて-本能の力](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/14/kamiyamaz/a5/a4/j/t01490240_0149024011598673181.jpg?caw=800)
本能の力 (新潮新書)
スパルタ繋がりでこういうのを貼ったからって、別に面白くはないですよね…。
![三角絞めでつかまえて-300](https://stat.ameba.jp/user_images/20111108/14/kamiyamaz/04/33/j/t01730240_0173024011598673180.jpg?caw=800)
300 <スリーハンドレッド>(Blu-ray Disc)