英国王のスピーチ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

英国王のスピーチ(ネタバレ)

英国王のスピーチ※シネマハスラーへのリンクなどを追加しました(3/26)

三角絞めでつかまえて-英国王のスピーチ

原題:THE KING'S SPEECH
2010/イギリス、オーストラリア 上映時間118分
監督:トム・フーパー
脚本:デヴィッド・サイドラー
出演:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、デレク・ジャコビ、ジェニファー・イーリー、マイケル・ガンボン
(あらすじ)
幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




91点


※今回の記事は、よく分からないんですが、書いているうちに何か盛り上がってしまって、かなりコレ→ヽ(`Д´)ノを入れてしまったので、ウザイと思う人は読まない方が良いです…。

「キラキラ」で町山智浩さんがオススメしてたので、一応、観るつもりではありまして。で、新宿武蔵野館に行ってきたワケですが、僕が観たのがアカデミー賞受賞直後だったからなのか、劇場は満席状態。立ち見も出てましたよ。


新宿武蔵野館でお馴染みの水槽を使った展示。
三角絞めでつかまえて-水槽

なんか説明が書いてありますが、理屈はよく分かんなかったり。
三角絞めでつかまえて-水槽の説明

まぁ、可愛いから良し! 頑張れ、武蔵野館!
三角絞めでつかまえて-可愛い水槽


感想は…素晴らしかったですYO! ヽ(`Д´)ノ そもそも、このパターンの話を嫌いな人ってあまりいないじゃないですか。モロに「友情・努力・勝利!」の見事なコンビネーションであり、僕的には80年代の「少年ジャンプ」を読んでいるような気分でしたよ。「ドッ硬連」とか「Letsダチ公」とか懐かしいなぁ…って、それは「少年チャンピオン」でしたな ┐(´ー`)┌ヤレヤレ まぁ、師匠と弟子の友情要素が強いと考えれば、「酔拳」とか「ロッキー」とか「ベスト・キッド」とか「カンフー・パンダ」みたいなモノということで、これが燃えずにいられようか! ヽ(`Д´)ノ 特訓シーンのコミカルな感じがまた「酔拳」ライクで素敵でしたなぁ…(しみじみ)。


いつだって、特訓シーンは男心を刺激しますよネ。
三角絞めでつかまえて-特訓!


さらに主人公が英国王ということで「身分の差があってなかなか素直になれない→スピーチ矯正の専門家ライオネルとケンカした後、渋々謝りに行く→『王の謝罪を待つ人は、長く待たなくちゃダメなんだからね! ヽ(。`Д´。)ノ』という鮮やかなツンデレ要素」だけでなく、ライオネルの「実は何の資格も持ってなかった→王の取り巻きどもにバカにされる→『男は実力で勝負だ!ヽ(`Д´)ノ』という負け犬燃え要素」すらも加わるというスキの無さ。人妻にメロメロな兄貴(ガイ・ピアース)もイヤミな感じでイラッとするし(「ジョージ、負けるな!ヽ(`Д´)ノ」気分が一気に加速!)、しかも、彼を待ちかまえている最大の敵があのヒトラーなワケですから…。もう、こんな完璧なお膳立てがあるかと。

当然ながら、その“燃え”が絶頂に達するのは最後のスピーチシーン。アレは形を変えたジョージvsヒトラーのタイマンであり、さらにジョージvs父親&兄貴=王室でもあり、ジョージvsジョージでもあって、気分はもう「やっちまえ、ジョージ! ヽ(`Д´)ノ」一色! セコンドに立つライオネルは見守るしかない…見守るしかないんだけれども! 今までの特訓を信じつつ、ジョージの目の前でセコンドとして出来る限りのフォローをするワケですよ。本当にこのアクションシーンは完璧! ここだけ何度でも観たいくらい感動しましたね。

しかも! しかもですよ、決戦を終えた後のみんなの褒めっぷりとか(もう「みんな、褒めてあげて、褒めてあげて! ヽ(`Д´)ノ」という気分)、「机に座ってスピーチしました」的なニセ写真を撮る愉快なシーンも素晴らしかったんですが、最もグッときたのは、ジョージの表情! 試練を乗り越えたジョージの瞳にはいつしか眩しい男の光が宿ってまして、これが泣かずにいられるかと…。別に吃音症が治ったワケではないし、これからもジョージは王として果てしなく遠い男坂を登り続けなければならないんですが、とりあえずはよくやった、ジョージ! 大英帝国、万歳! ヽ(`Д´)ノ

ちなみに役者さんたちは全員素敵すぎ。 コリン・ファースなんて最高としか言いようがなくて、今、あらためて「シングルマン」を観直せば、「なぜジョージ5世が映画に出てるの?」と思ってしまいそうなほど(だからなに?)。ジェフリー・ラッシュもスゲー良かったし、ヘレナ・ボナム=カーターなんてまさに“理想の奥さん”でしたよ。脇役の人たちも味があって良かったですな~。


この3人は観ているだけで楽しかったです。
三角絞めでつかまえて-仲良しな3人


その他、「適度にユーモアも入ってる脚本がスゴい!」とか「実際にシーンで見せないけど、演技だけで辛い過去にあったことを観客に上手く伝えてる!」とか、褒めるところはいろいろあるんでしょうけど、どうせダラダラと長くなるだけなので割愛!ヽ(`Д´)ノ 僕的にはかなり良い映画でした。「英国王室を美化してる」とか「歴史が違う」的なツッコミもあるのかもしれませんが、そこは1つ、“王室ファンタジー”ということで勘弁していただけないでしょうか。「王室」という設定に感情移入できないのなら、「造り酒屋の次男坊」とかに置き換えて観ても全然OKな気がしないでもなかったり。まぁ、よっぽど「オレは“王”なんて存在自体が許せねーんだよ ( ゚д゚)、ペッ」的な思想の人以外は、過剰な期待をしなければ誰が観ても楽しめる愉快な作品だと思いますよ~。

※宇多丸師匠による非常に分かりやすい批評がアップされたので、ぜひ聴いてみて!




トム・フーパー監督作。それなりには面白そうですな。



トム・フォード監督が撮ったコリン・ファース主演作。僕の感想はこんな感じ





※おまけ

ちなみに、新宿武蔵野館のロビーの奥の方には「アンチクライスト」の展示があったりしまして。ヒューマントラストシネマ有楽町には良い感じの展示がなくて、ちょっと寂しかったので、つい写真を撮っちゃいました。


いやな雰囲気が漂ってますな~。
三角絞めでつかまえて-アンチクライスト展示

窓に近づくと主人公夫婦が! ちょっとビックリしたり。
三角絞めでつかまえて-不穏な窓


おしまい。