歯医者さんの豆知識:ほうれい線が目立ちはじめた…! のは、食いしばりが原因? | デンタルケア神谷町の独り言 φ(.. ) Deep breathing of dental care Kamiyacho

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2012年7月よりスタートしました当院ブログ!!これからも歯科の豆知識から雑学!!スタッフの小言などジャンルを問わず気まぐれに記載していきますのでどうぞよろしくお願いします(^ ^)/

女性の大敵であるほうれい線。原因は「加齢や紫外線などによる肌のたるみ」だということは広く知られており、マッサージやエステなどさまざまな対策が考案されています。しかしこれに加え、実はストレスや睡眠不足、食生活の乱れ、そして女性に多いと言われる無意識の歯ぎしりや食いしばりもほうれい線を深める原因になってしまっていることは、あまり知られていません。マッサージや健康的な食事をしても、ほうれい線が目立ち始めたという場合、食いしばりが原因かもしれません。空き時間で簡単にできる、食いしばりのセルフチェック法を紹介します。

1)まずは全身の状態をチェック!
「食いしばり」とはストレスや緊張が原因で、無意識に奥歯に力が入ってしまった状態のこと。この時、奥歯にはおよそ自分自身の体重と同じくらいかそれ以上の力がかかった状態となっており、長時間続くことで、口周りだけでなく体のあちこちにも影響 が出てきます。まずは、次のような症状がないかチェックしてみましょう。

<肩こり・偏頭痛>
食いしばりは顎の筋肉に大きな負担をかけるため、肩や首が凝ったり、偏頭痛が出やすくなります。

<目の痛み・耳鳴り>
食いしばりは顔の周りの筋肉のこわばりにもつながります。その結果、目の痛みや耳鳴りが起きる場合があります。

<顎関節症>
口を開く時に顎が「ガクン」と鳴ったり、「バキン」と音がする、口の開閉をすると顎の骨が痛いなどが顎関節症の症状です。食いしばりだけが原因ではありませんが、食いしばり癖があると顎関節症になりやすくなることがわかっています。

<エラが張る>
食いしばりの癖があると顎の筋肉のバランス が崩れ、エラの張りが目立つようになります。

2)口の中を覗いてみよう
全身の症状に思い当たるところがあれば、今度は鏡を用意して実際に口の中を覗いてみましょう。もし当てはまっていれば、食いしばり癖がある可能性は極めて高いと言えます。

<奥歯の表面が平らになっている>
普通の状態では歯は食事の時しか噛みあわず、その時間は1日にほんの7~15分ほどです。歯は年月と共に少しずつ磨り減っていくと言っても、20代~40代頃ではまだそう大きく削れていることはありません。しかし、食いしばりの癖があると歯の磨耗が激しくなり、早い時期から表面が平らになってしまいます。

<舌の周りに歯型がついている>
朝起きて、舌の周りにギザギザした歯 形がついているなら、夜眠っているうちに食いしばりをしているサイン。舌が歯に押し付けられるため、このような跡がついたものです。頬の内側に凹凸の形がつくのも同様です。

<顎関節を押すと痛い、エラの部分の筋肉を押すと痛い>
顎関節は耳の穴の約1cm手前にあります。そこを指で押すと痛い場合、またエラの筋肉が張ってしまい指で押すと痛い場合も、無意識の食いしばりをしてしまっている可能性大です。

3)食いしばりの治療方法は?
食いしばりの大きな原因はストレスや緊張なので、生活を改善してストレスや緊張を取り除くことが一番の治療法だと言えます。しかし、仕事のプレッシャーや人間関係が原因なら、そう簡単に環境を変えられないことの方が多いもの。 そこで、意識して食いしばりを抑えることと、生活習慣を改めること、マウスピースなどを使った対処法の3つが治療の中心となります。

<意識して抑える>
実は日中無意識に行ってしまう食いしばりの大部分は、「食いしばりに注意する」と意識することで改善することができます。仕事でプレッシャーがかかった時などに上下の歯が接触しているのに気付いたら、一息入れてリラックスするようにしましょう。

<生活習慣を改善する>
良い姿勢をとること、食事はゆっくり丁寧に噛むこと、睡眠を十分とること、バランスのよい食生活を心掛けることなどはどれもストレス軽減につながり、食いしばりの改善にも役立ちます。

<マウスピースや専用の器具を使う>
歯医者さんで作ってもらうマウスピースや舌の位置を調整するサブリンガルプレートなどの器具を使い、物理的に食いしばりを予防します。上記2つと並行して行います。また、噛み合わせの悪さが食いしばりの原因になっているようなケースでは、矯正治療を受けることで劇的に治まる場合もあります。

食いしばりの癖はほうれい線を悪化させるだけにとどまらず、体にもさまざまな悪影響をもたらします。食いしばりの癖があるかな? と思ったら、一度歯医者さんに診てもらい、きちんとした治療に取り組むのがおすすめです。
※現在、ほうれい線へのアプローチとしてヒアルロン酸やボトックスを応用した治療がありますが、それのみにとらわれず根本的な原因を追究することも重要となります。