”喪失の悲しみから逃げると” | トラウマから自由にするRCメソッド (株)RCM社長 高橋万紀子のブログ

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心の整理と心の外科手術専門のカウンセラー
養成もしています。

以前心理学者のどなたかの講演で

「僕は死刑に反対です。
ちょっと普通の反対とは違う理由なんです。
殺人犯が死刑執行されちゃうと
遺族がどーんと落ち込むんですよ。
憎しみを向ける対象が
いなくなっちゃうわけですから。
悔しさや憎しみを向けられる存在として
生き続けてもらった方が良いんです。」

という内容のことを聞きました。

そっか。
そういう考え方もあるか
と思うと同時に
遺族のグリーフケアが
正しくなされれば
犯人を憎み続けなくて良いのに
とも思いました。

被害に遭った人は
どんなにか苦しめられたことでしょう。

残された人間は
死ぬまでに被害者がどんなに苦しんだかを
想像して苦しくなります。

でもね。
その苦しみは終わったのですよ。
亡くなった方は、
もう苦しみを感じていません。
それが死だもの。

苦しみ終わっているのに
その人を苦しんでいる最中で
イメージする必要はありません。

こうやって整理をしてから
怒りではなくて
もっと一緒にいたかった
こんなところが好きだった
もう会えないのが悲しい
こういう本当の気持ちを
しっかり味わう必要があります。

そこから回復が始まります。

時間をかけて良いです。
でもその時間は
憎い加害者のために使うのでなくて
自分と亡くした大切な人のために
しっかり使いましょうよ。