11【チクリ】
チクリの電話が入った
しかも、お客様からだった!
「ちょっと、オタクのスタッフさんゴミ箱にリーフ捨ててるよ!」
お客様に言われたゴミ箱に先輩スタッフに、捨てられたリーフを回収にいかせた。
ゴミ箱の場所が駅の近くにある自動販売機の隣に設置されてるカンやペットボトルのゴミ箱だった。
その年は連日記録的な暑さで世間を騒がしている、もっとも暑い昼下がりだった。
先輩スタッフが回収してきました。
「ありました!」
無残に折り曲がったリーフを先輩スタイリストが持ってきた。
今行ってた2人ってだれ?
2人に話を聞こうと思った。
部屋に入ると2人とも下を向いていた。
外は灼熱だが俺たちのいる部屋には静寂が音もなく包み込んでいた。
「そうか・・・・この暑さじゃキツイよね~~。つらいよな~~リーフ配るの?」
「・・・・。」
下を向いていた2人が少し顔をあげた
「 暑い時は我慢しないで、すぐ帰ってきていいんだよ。ただリーフを捨てるのはやめて、これ一枚一枚お金だから、これ捨てるのはお金を捨てるのと一緒だから、先輩たちがお客様をデザインして接客する。そして、繰り返しお客様が戻ってくる。リーフ配りは恩返しだよ。そして、一人一人お客様が来店するの大変なことも学べるでしょう!現実は来ないことが当たり前なんだよ!どこの馬の骨とかわからない人にデザインしてもらおうなんて誰も思わないよ!でも、配ってる人が、めちゃくちゃ感じよかったら・・・。」
めちゃくちゃ叱られると思っていた2人は号泣していた。
昔、師匠に言われたことを思い出した
「リーフ配りの方程式ってあるんだよ!」
「そんなのあるんですか?」
「今、何枚配ったら、1人くる?」
「200枚くらいだと思います」
「それってどういう意味かわかる?」
「どういう意味ですか?200枚で1人くるだけだと思います。」
「違う!」
「違うんですか?」
「200枚で1人来店ってことは、逆に言うと1人の人が来店させるには、その人に200枚配らないと来ないってことだよ。だから、一回拒否されたから、配るのあきらめちゃだめってことだよ。お店を構えるってそういうことなんだ」
はじめて数学的観点から集客の心得を学んだことを思い出した。
多謝