ぬばたまの黒女 | 作家・神永学公式ブログ「担当さん、〆切り待ってください!!」

本日、ご紹介する本はコチラ!


阿泉来堂先生の「ぬばたまの黒女」です。




以前にも書いたのてすが、先日、阿泉来堂先生と対談させて頂きました。

(作家さんとの対談は2回目w)


デビュー作である「ナキメサマ」のときからずっと注目していたんですよね。


ナキメサマ 


阿泉来堂先生との対談は、とても刺戟的で楽しいものでした。


近々、動画などもアップする予定なのでしばしお待ち下さい。


と、話が逸れてしまいましたね。


本題の「ぬばたまの黒女」のお話ーー。


妊娠中で精神不安定な妻から逃げるように、故郷である村を訪れ、同級生たちと再会する井邑陽介ーー。


そこで陽介は、村の神社が火災により焼失しただけでなく、憧れだった少女が亡くなっていることを知らされる。


それだけではなく、新たに建立された神社で、全身の骨を折られた死体が発見されるという、凄惨な殺人事件が起きていた。


さらに、陽介たちは夜中に徘徊する亡霊を目にするのだが……。


ホラー作家にして怪異蒐集家、那々木悠志郎が活躍するシリーズ第二弾!!


第二弾と書きましたが、それぞれ独立した話なので、読む順番とか気にしなくても大丈夫です。


対談のときもお話したのですが、阿泉来堂先生の作品は、作品のテイストが二転、三転します。


序盤は、横溝正史先生の金田一耕助シリーズのように、おどろおどろしい空気感で進むーー。


ホラーとミステリーが混じり合い、読者の緊張感を極限まで煽っていく。


中盤で、ノスタルジックなラブストーリーを思わせつつ、登場人物たちの心情を掘り下げる。


単に感情を羅列するのではなく、後の展開への布石になっています。


終盤はもう、これでもか!!ってくらいに容赦のない殺戮が繰り広げられる。


阿泉先生!!やり過ぎでしょ!!

と叫びたくなります。


混沌に満ちたクライマックスは、恐怖と興奮とで、読んでいるだけでパニック状態です。


そしてーー。


ラストにはあっと驚く大どんでん返しが待っているのである。


これぞエンターテイメント!!と感嘆するしかありません。


「ぬばたまの黒女」においても、阿泉来堂節は健在!!


最後の一行まで読者を飽きさせない展開に、嵌ること間違いなし!!


皆さんも、阿泉ワールドに浸ってみてはいかがですか??

 

 

前作の「ナキメサマ」も面白いよ〜