笹木太夫「14歳で、この部屋?出ていける?て、言ったってね。もう、何も、誰も、覚えていて、くれていないんだよ。」
笹木太夫「悔しい。」
三郎「あの、お部屋?入っても?宜しいでしょうか?」
笹木太夫「へい、お入りなさいまし。」
三郎「この間?短冊?余り?で、俺は、升に、こんな感じでね?」
笹木太夫「ああ、可愛い、ありがとう。」
三郎「なんか、あったんですか?」
笹木太夫「いいえ、あの、子ども時に、お正月て、まだまだ、小さい男の子で、寂しかったんでね。」
三郎「今は!豪華で?良いじゃ、ないですか。」
笹木太夫「そうだね、こんなに、大きく、なったんだしね。」
三郎「へー、小さな着物だ。なんか、可愛いですね。」
笹木太夫「まぁね、あ、これに?お香?いいかしら?」
三郎「ええ、良いですよ。お支度致します。」
笹木太夫「いつも、いつも、手紙ばかり、増えたって、相手は、ほとんど、同じ女だしね。」
劇作 園章