太郎「おや、あんたは?おいくつ?」
禿「ええ、8歳です。」
太郎「ここに?親は?来るんですか?」
禿「いいえ、親は、とっくに、おっとうも、おっかも、死んでおります。」
太郎「で、あんたは?まだまだ?働きたいんですか?」
禿「ええ、そーです。そうなりたいと、思います。宜しゅう、お願い申し上げます。」
笹木太夫「この子?働きたいんですけど、あの、あたしにも、お客を?願えますか?」
太郎「ええ、常連衆が、いいと言えば、はからいます。」
笹木太夫「御常連衆が、なのね。」
太郎「まぁ、お初の、お客様?てのは、お似合いに?なれないように?とは、思いますよ。」
太郎「あ、これね、俺が、頂いて、数が、多いんでね、お召し上がりなさいませ。」
禿「はい、おありがとうございます。」
次郎「おお、美味しいですね、太夫?」
笹木太夫「別に、男だから、おあがりなさいね。」
禿「太夫、御馳走様です。頂きます。」
禿「これ、ご一緒に。」
禿「ええ、まぁ、綺麗。」
次郎「何か?」
太郎「あの、みなしご?8歳なのか?源氏屋?いるか?」
次郎「へい、ここには、2年前で、6歳でした。」
太郎「あの娘?14歳で?買えるんでね。親父に、聞いてもらえるか?」
次郎「へい、いいですよ♪毎度有り。」
太郎「6年後?14歳ならば、売れそうだね♪」
次郎「松竹梅♪ですし、お気に入り?なんですね。」
太郎「ああ、いい顔で、これが、欲しいんだよ♪」
次郎「へい、親父に、売るでしょうね。楓さんの、次に?」
太郎「そーねぇ、俺は、楓と、名のらしたんだけど、次の娘は、橘に、してぇ、んだよ。」
次郎「橘さん、俺には、菖蒲さん、ぽい。」
太郎「ああああ、なるほどね。」
劇作 園章
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