「美しい字で、字を書く楽しさを」

上蒲田書道教室です。

 

今日は、こちらの本のレビューを。

 

知っておきたい!手書きの常識ー活字から始めるきれいな字ー

 

 

 

 

 

 

きっかけ

教室を始めてから、しばらくの間、図書館から手あたり次第書写の本を借りました。

たぶん蔵書の8割くらいは手に取ったのではないでしょうか。

その中で、群を抜いて手元に置いておきたい!と思うこちらの本を購入しました。

 

感覚的なきれいな字を書くだけの「HOW TO本」が多い中、

こちらは論理的な説明がされていました。

 ・図形的要素(きちんとした正しい文字)

 ・運動的要素(図形的要素を加えて、きれいな整った文字)

 ・内面的要素(個性的な美しい文字)

など、美しく見えるための要素の話は他の本にはない部分でした。

 

さすが、教科書の手本を24年間書き続けた著者。すごい。

しかも、どの字も美しいと思えるものでした。

やはり「美しい」「きれい」「整っている」と思える人の字で学びたいものです。


そこで、図書館からお借りしていましたが、改めて購入にいたりました。

 

 

内容

 第1章 楷書をきちんと〈正しく〉書く

 第2章 楷書をきれいに〈整えて〉書く

 第3章 仮名もすっきりと〈整えて〉書く

 第4章 行書をなめらかに〈速く〉書く

 第5章 社会で必要な書式を〈マナーよく〉書く

 第6章 きれいな”字”から個性的で〈美しい〉”書”へ

 

 

まえがき

私的には、まえがきから有用な情報でした。

 

『視写やなぞり書きを繰り返すだけではうまくならない。』

 

『きれいな字のメソッドを系統的におさえ、他の文字に応用する。』

 

ほんま、それな!!!物申す

 

頭を縦にぶんぶん振りたいような話ばかりでした。

私も教室で硬筆の宿題を出していますが、やはりメソッドや法則を覚えた方が伸びが早い。

 

いろんな書体の派生から、手書き文字と明朝体の比較について書かれています。

高校の書道の教科書より、正直専門的で分かりやすい。

 

みんなお悩み「令和」の「令」問題についても言及されています。

「点か棒か?」問題。

教科書体や明朝体などの活字体と、手書き文字との違いが説明されています。

 

『「令」の点か棒か?問題』は途中第1章のコラムでもさらに掘り下げてあります。

明朝体は碑を彫る時の彫りやすさから直線的に発展していきました。

今思えば中国の「明の王朝」から明朝体か!と気付かされました。

(え、今更ガーンですよね。 察しが悪くてすみません。)

 

これだけでも、まえがきの情報量多い。

 

 

 

 第1章 楷書をきちんと〈正しく〉書く

ここででてくる黄金比

1:(1+√5)/2ですね!!!!スタースター

いや、字の美しさを説明するときに黄金比出しますか爆笑

もう数学の免許持ってるものとしては、理屈っぽくて興味深すぎて面白すぎるのですが!!笑

 

このシリーズ(3冊)にも黄金比、白銀比の話があったと思います。

数学の本も家にたくさんあるのですニコニコ

 

 

漢字の外形についてのデータまでとってあります。

常用漢字の構成比率を文字のパターンについて分かりやすく分類してあります。

こうやって一般化してもらえると大変助かる。

字のどこを注目して書いたらいいのかが分かりやすい。

 

さりげなくコラムで、武田鉄矢さんの「人という字は支え合って〜」が否定されている笑い泣き愛

 

そのあとは、〈正しく〉書くメソッドについて書かれています。

このメソッド超重要。すっごく勉強になるからぜひ見てほしい。

 

 

第2章 楷書をきれいに〈整えて〉書く

この章、〈整えて〉書くことが書かれています。

以前「教科書では教えてくれない書写」シリーズを書いていたのですが。

この本にほとんど書いてある魂が抜ける

(真似したわけじゃないですよ、知らなかったのです)

 

 

 

 

 

色々と昔から先生から学んでいたことをメモしていて、それを記事にしようと思っていたのですが、ほぼ書いてある。にっこり笑

 

もう、記事書きにくくなっちゃいましたよね。ほんっと。苦笑。

「大事なものはすべてここに置いてきた!」的な感じですよ。

 

漢字を美しく書きたい人は、1章と2章を重点的に読んでください!

字を視写するより、メソッドを覚えるほうが絶対早いです。

 

私的には、教科書体では形が違う「なつあし」の書き方が勉強になりました。

「愛」「友」「夏」「変」「綾」などのあのはらい。

教科書体では1つ目の左払いって短いんですよね・・・。

みんなが視覚で認識している字と違うから、まず教室では説明から入っています。

言わないと教科書体のようにはらいを短く書いちゃうんですよ。

ちゃんとそのあたりも言及していただいていています。

 

 

第3章 仮名もすっきりと〈整えて〉書く

 
3章はひらがなについて。
字源(字母)から、ひらがなについて学んでいきます。
このあたりは、前回ご紹介した本にも通じるところです。
 
ひらがなの「平むすび(さかなむすび)」「三角むすび」についても言及してあります。
特に「な」ってみんな書くときに書き方が分かれます。
昔は三角ばっかだったきがしますが、最近は平むすびが多くなってきた気がします。
 
カタカナの「ツ」「シ」「ソ」「ン」についても書かれていますよ。
これ、小学1年生泣かせ。
 
あとはさらっとご紹介。

 第4章 行書をなめらかに〈速く〉書く

     →行書について。

 第5章 社会で必要な書式を〈マナーよく〉書く

     →履歴書やはがきや祝儀袋、案内などの書き方が書いてある。

 第6章 きれいな”字”から個性的で〈美しい〉”書”へ

     →習字から書道への変わり方、書の世界へ誘ってくれます

      有名な古典も紹介してあります。

 
 
字が上手な人は感覚や経験的にやっていること言葉で説明してくれています。
名選手が名コーチになるとは限りませんが。
知識はあるに越したことはないと思う本でした。
この本は、書道を教える人として一度は絶対読んだ方がいいです。
(回し者ではありません)
 
 

 

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 TODAY'S
 
気になるグッズのご紹介

 

 

全然、書道関係ないけど、

 

最近ちいかわ、アマプラで見始めました笑

なんか分からんけど、癖になる。

人間の根源的な性格を見ている気がする。

無意識にピアノで「なんだ、もう朝かと~♪」と弾き語っていた。

影響力、恐ろしいあんぐり

 

ネクタイにまで進出しましたか。さすまた柄のDとEがいいなぁ。更に欲を言えば、ちいかわの泣きながらの「ヤーッ」がたまらなく好き。

 

 

ヒエラルキーのトップはうさぎ。(分かる)

 

 

うさぎは、もっとケンカうってそうな勝気なまゆげだと思う↑

 

 

かわいいなぁ。ただひたすらにかわいい。