魔法少女まどか☆マギカ 感想 | かめのラスカル~趣味の記録&感想

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アニメ・カーレース・ウォーキング・鉄道など、趣味で体験したことの記録や感想を綴ります。


かめラスカルのアニメ&鉄道戯言


    Don't forget.
  Always, Somewhere,
someone is fighting for you.
―As long as you remember her,
   you are not alone.

     忘れないで。
    いつもどこかで、
誰かがあなたのために戦っているということを。
  あなたが彼女のことを覚えている限り、
    あなたは一人じゃない。



 この冬一番の話題作アニメーション、魔法少女まどか☆マギカの最終回が、1ヶ月のインターバルの後、放映されました。
アニメ大好きな私も、当日は2:40に起床し、CBC・ニコニコ生放送とはしごし、視聴致しました。
いや~~、いいおっさんが、泣きました。
泣くというより、見ていて自然に涙が出ちゃうという、涙腺崩壊みたいな感じでしょうか。


10話
 
 まどか「キューべいにだまされる前の馬鹿な私を、助けてあげてくれないかな・・・」

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 ほむら「誰も、未来を信じない、誰も、未来を受け止められない・・・だったら・・・私は・・」

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11話
 ほむら「わたしね、、、未来から来たんだよ。何度も何度もまどかと出会って、それと同じだけ、あなたが死ぬところを見て来たの・・・。まどかにとって私は出会ってから1ヶ月も経ってない転校生でも、わたしにとってのあなたは・・・」

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最終話
 まどか「わたし、やっとわかったの。かなえたい願い事みつけたの。だからそのために、この命使うね

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 まどか「ずっと気づけなくて、ごめん。・・・・ごめんね」

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せ・・・・切ない。切なすぎる。

ほむらの願い:「私は鹿目さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい!」
まどかの願い:「私、全ての魔女を生まれる前に消し去りたい。過去と未来、生まれてくる全ての魔女をこの手で!」

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ほむらはまどか「一人」の幸せを願った。まどかが救われるのを唯一の願いとした。
まどかは「すべて」の魔法少女(少女の願い)が救われるのを願いにした。
二人とも願うと言うより自らの手でやりたいと言った。

ストーリーがとても重かったので、言葉の一つ一つがとても重く、切なく、、もうたまりませんでしたね・・・
泣けました。



 さて、そんな魔法少女まどか☆マギカですが、物語も終わったので、少し私なりに考察してみました。
以下素人の率直な考察です。


 まず、なぜこんなにヒットし、話題作になったのか。
それは、魔法少女になるという概念にあると私は思います。
今まで有った魔法少女物のアニメというのは、

・願いを叶えるために魔法少女になる
  恋であれ、幸せであれ、将来であれ、少女は未来に対して夢を見ます。それをかなえるために魔法を手に入れます。
  そこに希望があり、夢がありました。
     
  「夢が叶った瞬間、魔法はなくなり、少女は現実と戦っていける大人になっていきます。」

これが魔法少女アニメの王道です。
ところが、魔法少女まどか☆マギカは、

・まず最初に夢・願いが叶ってしまう。その代償として、魔法少女になり、呪いの魔女と戦って行かなくてはならない。

ということです。
自分の一番欲しい願いがまず叶ってしまう。魔法少女になった時点が一番の幸せなのです。
夢が叶ってしまった後は、絶望に向かっていくしかない。自分の願ったことが無駄だったと悟った瞬間、願いは呪いに変わり、魔女になってしまう。
     
  「大人になる前に少女達は夢を手に入れ、その後は現実と戦っていかないといけないのです。」

 これがいかにも現代的で、「魔法少女」というアニメはこうであるという概念を打ち砕いたからだと思います。
私も含む視聴者は衝撃を受け、一気に引き込まれていってしまったのでした。

 主人公まどかは、友達がこの法則でどんどん不幸になっていくのを見て、それでも魔法少女になるのか、ならないのか。
また、この世界では

魔法少女になる=死(魂はソウルジェムという宝石にさせられてしまう)

となります。
そんなのを見せつけられたら、魔法少女になりたいはずはありません。でも、まどかは物語が進むにつれ、どんどんと追い込まれていきます。
 そして、もしなるなら、まどかが何を願い、魔法少女になるのか。これが最終回までの物語の根源でした。


 まどかは
「魔法少女が絶望によって魔女になるまえに、そのソウルジェムを”自らの手で”浄化し、魔法少女が魔女にならないこと」
を願い、魔法少女になりました。
少女が第2次成長期に夢を見る・願うということは否定せず、その夢を尊重し、でも、その夢が絶望に変わるとき、呪いが魔女になる前にその少女が夢を持ったまま消滅(死)させることにしたのです。

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そして、まどかは自らがその概念となり、今の世界を壊し、まどかの願いに沿った新しい世界を作り出しました。
壊れた世界には、願いをしたまどかと、願いの分だけ現れた呪いだけ残して。

まどかは永久に、少女から出てくる絶望を自らの手で浄化する事を望んだのです。
でも、まどかは、それを望んだのだから、自分が絶望するはずはない!と信じて、前を向き、そしてほむらとお別れをします。

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まどかが作り出した新しい世界はほむら以外(弟のたつやは気持ちの中にのこっている)、まどかのことは誰も知らない。
まどかの作った新しい世界をほむらは守ろうと決意し、物語はフィナーレを迎えます。

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 私は、まどかの魔法少女になる願いは、まどかが3話で書いたノート。
まどかが思い描いたとおりの魔法少女
「魔法少女は、ソウルジェムを持たない。魔女にならない魔法少女にして欲しい」
だと思っていました。魔法少女の仕組み自体の改変。
ソウルジェムさえなければ、魔法少女が魔女になることはない。
そして、まどかとほむらでワルプルギスの夜と立ち向かう。
そんな想像をしていました。・・・ちょっと違いましたね。惜しかったけど。


 さて、私は放送見たときは、感動したこともあり、
「ハッピーエンドと言っていいかなぁ。放送延期と聞いたときはバットエンド(全滅等)しかないと思ったからなぁ」と思いました。

しかし、放送を何度も見、最終回のCパートを考えると、これはハッピーエンドじゃない、以下のように考えるようになりました。


 エンディング前のほむらから見える羽(オーラ?)は真っ白なのですが、エンディング後のCパートの羽は黒いのです。

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そして、北斗の拳のような何もない砂漠のようなところを一人マジュウに立ち向かっていくほむら。
そして、(黒い羽の中から?)ほむらのみみに届く「がんばって」のまどかの声。

まどかの願いは、”少女の願いが絶望に変わった瞬間、魔女になるのではなく消えて無くなる”というもの。
願いや夢はいつかかならずかなわないものに変わり、絶望がやってくる、というのは変わらない。

だから、魔法少女が魔女にならなくなったって世の中から呪いは無くならない。そこから魔女の代わりに現れたマジュウ。
もしかして、Cパートの意味、まどかが願いによって作った世界はマジュウ(人々の恨み・呪い)によって既に崩壊してきているのではないのでしょうか。
魔法少女はこの時点で呪いに勝てず絶望していき、すでに残るはほむら一人。
ほむらの背中の黒い羽は今まで背負った呪いの全て。
でも、ほむらはまどかの願いを守るため、絶望はしない。一人このまどかの世界を戦って守っている。
まどかもほむらの背中にある黒い羽の中で呪いを浄化しながら戦っている。

お互いがお互いを思って今も戦っている。

・・・そう思えてなりません。


それが冒頭の

    Don't forget.
 Always, Somewhere,
someone is fighting for you.
―As long as you remember her,
   you are not alone.

なのだと。


夢や願いを持つことは無駄じゃない。でも、それが叶わなくても絶望してはいけない。
そして、人は一人じゃない。
自分のためにだけじゃなく、誰かのために人は永遠に戦って生きて行く生物なのだ。
だからみんなも、絶望したとたん自殺したり、無差別殺人のような自暴自棄にならないで。
どこかであなたのことを思って懸命に戦っている人がいるのだから。

そういうメッセージが含まれている。そう思う最後でした。

ハッピーエンドと言うよりリアルエンド(現実エンド)という感じですね。

かくいう私もそう言う方々のおかげで今があります。
本当にその方々には感謝していますし、いつか必ず恩返しをしたいと思っています。

魔法少女まどか☆マギカ。
すばらしい作品を提供していただき、本当にありがとうございました。
アニメ好きじゃない方、魔法少女って、萌えアニメだろどうせ。
と思って見える方、とても深い哲学がこの物語にはあります。
機会がありましたら、レンタルDVDでも良いですから、是非見て欲しいと思います。
(見て、つまらなくても3話までは見てください。3話で一気に見方が変わります)


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最後に・・・・
2期や映画・・・・やらないで欲しいな。
もしやったとしたら・・・・まどかの願いが否定されること。
今現在戦っているまどかとほむらが、、、それが無駄だとわかったとき、ほむらとまどかの希望は絶望に変わるのでしょう。
(ほむらの黒い羽をまどかが浄化できなくなるわけですからね・・・)
そんなつらく切ない2期は・・・・もう見たくないです。


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