今から1200年前、慈覚大師が開かれた古刹ですが、今は静かな鳥越の奥山に静かに鎮座なされています。
御利益がどうのとか、パワースポツトだとかという前に古くから、このみちのくの山里で人々の信仰を集めてこられた仏様ですので、ちゃんとお願いすればきちんとかなえていただける大きく強い力をお持ちの仏様だと小生は信じております。
ちなみにご本尊様は聖観音さまだそうです。一度お姿を拝見致したいと思うのですが、なかなか、機会がございません。
2017/08/13撮影 一戸町鳥越 鳥越観音参道

お堂は鳥越山の中腹、大岩直下に鎮座なされておりますので、山の中の路をフウフウ言いながら、数十分ずっと登って行かねばなりません。
今はこの新参道が整備されてかなり上まで車で上がれるようになっていますが、この日は仏様に小生の近況を報告しつつ参詣しようと思っておりましたので、車は駐車場へ駐めて旧来のご参道(もう踏み分け路に近い!)からお伺いしました。
〃 山門

山門の左右には阿吽の二王様がお山をしっかりと護っていらっしゃいます。
この仁王さま、二体とも実に素朴でそれでいてアグレッシブに彫られた木像で迫力を感じますから、魂もしっかり入っておられると思います。
〃 本堂と境内

観音堂と猫の額のような境内地ですが、清々しい気に充ち満ちている事が写真からも伝わってくると思います。
〃 奥の院(懸崖作り)

鳥越観音というとこちらの奥の院の懸崖作りのお堂の方が有名になっています。
しかし、数年前に火災に遭って旧来の奥の院のお堂は焼失してしまい、今あるお堂は再建された新しいお堂です。
元からここは「お籠もり」による信仰もなされているようで、お堂の中に入って拝ませていただくことも出来るような広さもあります。
奥の院は「山の神」さまや地域信仰のお社などが治められてお祀りされています。
鳥越観音開創にまつわる伝説からは、この観音さまが開かれる前にも、このお堂が穿たれている「大岩」は古代から先住民族の信仰の対象になっていた、磐座だったのではないのでしょうかね。
そして、地気強い、この神聖な地と大岩を観音信仰の聖地とすることで、仏教を通じて中央の朝廷の意向を伝える版図としたのではないかと思えます。
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新参道への帰り道すがら、青紅葉の緑が見事で思わずちょっと撮影してしまいました。これだけ見事な紅葉であれば秋は見事な紅葉にそまるだろうなぁ、今までしらなかったなあ~と。
③番外編へと続く。