Jones式発音記号の問題点


 Jones式発音記号は、使われている記号の数が少ないという点で一見修得が楽なように思われ、「入門期の学習者にはIPAのような学問的な厳密さは不要である」とJones式を支持する人たちもいます。
 しかし、Jones式発音記号では、IPAの/ɪ/と/i/はいずれも[i]、IPAの/ʊ/と/u/はいずれも[u]、IPAの /e/と/ɛ/はいずれも[e]と表記されます。つまり、異なった発音が同じ記号で表記されるという最大の欠点があります。入門期の学習者は、きちんとした指導を受けなければ、「同じ記号で書かれていれば同じ発音である」と解釈するのが自然だと思います。ですから、入門期の学習者にこそ、そのような誤解を生じないIPAを教える必要があると思います。
 すべての英和辞典にIPAが採用されるまで時間がかかると思いますし、Jones式が採用されている英和辞典であっても、発音記号以外は良い内容の辞書もありますので、Jones式発音記号を国際音声記号に変換する表を作成してみましたので掲載します。