私は一応国立大学の附属小学校附属中学の卒業生ですが、小学校時代から私服で通っていた為地元の公立学校の生徒からは白い目で見られていました
まぁ、当時から「附属」が一風変わっていたのは確かです
今でも思い出すのは中学一年の時に、大学教授を兼ねておられた校長先生が週一回、月曜の朝開かれていた全校集会で「イタリアのルネッサンス文化」について話をされたことでした
まだ日本史さえろくに教わっていない生徒に対していきなり「ルネッサンス様式」とかの、まるで大学の講義のような話を延々とされたのでした
一年生から三年生までの聴いている生徒が皆「チンプンカンプン」の顔だったのを懐かしく思い出します
ところで私は小学校時代から周りとは一味違う、いわゆる「夢想」型の生徒でした
学校の授業がさっぱり面白くなく、一番の楽しみが唯一下校途中に公立の図書館でありとあらゆるジャンルの本を棚の端から端まで読破する事でした
本棚から漂ってくる何となくかび臭いような匂いを嗅ぐと何故かホッとしたのを覚えています
確か小学校一年の時に夢中になって読んだのが挿絵入りのヨーロッパの「錬金術」の本でした
まぁここまでは余談ですが、ある日のことです....
私が図書館から出てトボトボと歩き始めた時に、後ろからまるで待ち構えていた様に同じクラスのある女子生徒が「ひろし君、一緒にスキップして帰ろう」といきなり私の手を引っ張ってきたことがありました
その時の私の「戸惑い」は今でもハッキリ覚えていますが、とにかく女子生徒の考えていることは訳が分からないと驚いたのは確かです
その女子生徒はその後卒業前に東京の立〇女学院に転校されましたが、もし覚えていればあの時の唐突な行動の理由を聞いてみたい気がします
あと忘れられない女子生徒がもう一人います
「K子」ちゃんと言って二人姉妹の長女の方で、とにかく気が強く男子生徒を鼻息一つで吹き飛ばす様な女子でしたが、彼女はある朝校庭にあった大中小の古タイヤを飛び越すのに手こずっていた私にいきなり、「ここに手を置いて、こうやって飛ぶの!」と実技指導をしてみせたのです
これにも驚かされました
どこから見ていたのか不思議ですが、いきなり私の前に立って物凄い迫力で私を叱咤したのです
これも小学校一年の時です
この2つのアクシデントを経験してから、私はすっかり女子生徒が怖くなってしまったのですが、今から考えると当時の私はどうも「母性本能」をくすぐられる男子だったようなのです
これが良かったのか悪かったのかは未だに分かりませんが、いつもつまらなそうにブツブツつぶやいていた私は気の強い女子生徒には格好の「獲物」だったのかも知れません
一言で言えば当時の私は気の弱い「つぶやきヒロシ」だったのです