私が台所に行くと、よくサビが後
をついて来て、ニャー、と鳴く。
サッシを開けてくれと言っているの
だ。開けてやるとサビは、おもむろ
にベランダへ出て下の道路を走る車
をじっと眺めている。私はその間、
万が一サビが柵を飛び越えたりしな
いよう注意してサビの様子を見る。
昨晩もタバコを吸おうと換気扇の
下に行くと、サビが私の後をついて
来てニャーと鳴いたのでサッシを開
けてやったのだが、開けた瞬間、
シャカシャカジジジという音が突然
聞こえ、驚いた私は引っくり返りそ
うになった。視線を巡らすと、なん
とトンボが目の前を飛び回っている。

トンボォォォォ!!
思わず叫ぶ私に怯むことなく、あろ
うことか、トンボは部屋に入ろうと
している。私はトンボを手で制しつ
つサッシを閉めようとするも、ふと
見ると、

サビはトンボとの攻防戦を繰り広げ
る私を完全に無視し、車を眺めてい
るのでした。
サッシを閉めることもできず、私は
サビを注視しながら、パントマイム
のように手の平で壁を作り、なんと
かトンボの侵入を阻止し続けた。す
ると念が通じたのか、トンボが干し
ている雑巾に止まり大人しくなった。
それと同時に満足したサビがヌルッ
と部屋に入って来た。私はトンボを
刺激しないようにそっとサッシを閉
めた。忙しい夜あった。
そして夜に荒ぶるトンボの迫力は
相当なものであった。
亀九
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麻婆丼食べましたよ。







