パソコンの前で壁にもたれボーッ
としていると、足元に敷いているミ
ニ電気毛布の一点に目が留まった。
糸くずが落ちている。 糸のクズで
糸くず・・・。 じゃあ人間のクズなら
人くずになるのかな・・・? まる
で俺じゃねぇか・・・。 ふふふ・・・。
私は笑って目を閉じた。
屋根から米をパラパラと撒いたよ
うな音がする。 私は窓に目を向け
た。 いつの間にか雨が降っていた。
昼下がりの静かに降る雨は、なんだ
か懐かしい気持ちになる。 私は糸く
ずを見た。 もたれていた壁から身
を起こし、じっくりと見た。 さらに顔
を近づける。
糸くずではなかった。 それはカラカ
ラに干からびたウンコのカケラであっ
た。 恐らく、サビがトイレから足の指
に挟んで密輸したのだろう。 私はテ
ィッシュペーパーを抜き取りウンコの
カケラをつまみ上げた。 すると、そこ
へ早歩きで、たるんだ腹を左右に揺ら
せながら密輸犯が現れた。
密輸犯は、何があった、事件か? と
いうような、まるで現場に来た警部の
ように神妙な面持ちで、私とウンコの
カケラが包まれているティッシュペー
パーを交互に見た。
私は密輸警部に説明、確認し、クソく
ずティッシュをトイレに流した。
ひと仕事終えた私は窓辺に立った。
現場に残っていた警部が私の足にま
とわりついてくる。
「警部、ひとつだけ聞かせてください」
「クソくずは、始めから干からびたもの
を指の間に挟んで密輸されたのでしょ
うか」 「それとも、生まれたてを指に挟
み、干からびるまで家の中を歩き回っ
てから密輸されたのでしょうか」
雨の音が響く現場で、私は言った。
警部は、真っすぐに落ちる細い糸のよ
うな雨を無言で見つめていた。
亀久
参加しております!1クリック
何とぞ、お願いいたします。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
皆様、いつもコメント、ランキングへ
のクリック、ありがとうございます!
杉下恭子さん。 おっぽさん。
もちこさん。 ねこおばさんさん。
まつぼっくりさん。 香波玖さん。
キラキラさん。 poeさん。 かおるさ
ん。皆様のコメントに感謝!!
シーフードヌードル食べました。