大儲け | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・


 人生最大の大儲けを逃した。 という夢を見た。


 私は昔、ゲームセンターで働いていたことがあるのだが、ゲームセンターの店


員というのは、接客業の中で最も接客をしない仕事の一つではないだろうか。


客は黙々とゲームをプレイしており、機械のメンテナンスさえ、しっかりしていれ


ばクレームなども、ほとんどない。 その上、私が働いていた店は狭く、巡回とい


っても見て回る物も少ない為、自然ボーっと立っている時間が長くなる。 まあ、


これはこれで辛いのだが・・・。






 夢は、そのゲームセンター店内で、私がボーっと立っているところから始まる。


私は店内を眺めつつ、なかなか進まない時計の針を時折り睨み、様々なことを


考えている。 同じ年頃の仕事仲間は遥か昔に辞め、私は未だに、このゲーム


センターで働いている。 後輩は親子ほども年の離れた若者。 年下の店長。 


自分ひとり取り残されたような焦燥感に、私の心は徐々に干からび、ゲームの


音を遠くに聴きながら深い溜息を吐く。






 そんな干からびた心に、ふと、今ならいけるかも、という思いが浮かぶ。 な


ぜかは分からない。 根拠はないが、今なら、という妙な確信がある。 私はさ


っそく試してみることにした。 呼吸を整え、足元に神経を集中する。 すると、

 

 

 




できた! 静止横移動!  長年、できると信じ、特に何もしてこなかったが、そ


の思いだけで、できるようになった足を動かさず、静止状態での横移動。 ひょ


っとすると、長年ゲームセンターで立ち続けたのが功を奏したのかもしれない。


私は興奮した。 これをもって世界に打って出れば大儲け間違いなしである。


私は、今すぐにゲームセンターを辞めることを決意し、その前に小学生たちの度


肝を抜いてやろうと、ゲームをしている子供たちに声をかけ披露した。


 子供たちは、私の静止横移動を見るなり大歓声である。 すごい! どうやっ


てやるの!? 僕もやりたい! 私もやりたい! ヒーローである。 私は、人生


最高の笑みで、バカヤロウ、そう簡単にできるかってんだ! これはなあ、長年


の修行の果てにだなあ・・・、

 

 

 




私の自慢話を最後まで聞かず、なんと子供たちが静止横移動をやりはじめた。


横移動だけではなく、不可能とされる縦移動を始める子供まで現れ、私は言葉を


失った。


 その直後から子供たちは、世界的な大スターになり、静止横移動生みの親であ


る私は存在は、無きものとされた。






 泣きだしたいような気持ちで、静かに夢から覚めた私は、干からびた目クソを指


で取りつつ、

 

 

 




夢の中の小学生を呪うのであった。

 

 

 

 

 

亀久

 

 

 

 

 

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今日は卵焼きを作りましたよ。