壁 | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・

 

 朝、コーヒーを飲むため電気ケトルの電源を入れる。 湯が沸く間、流し台

 

 

にもたれかかり部屋を眺める。 うん、綺麗だ・・・。

 

 

 この部屋に越して丸五年。 壁紙に引っ掻き傷もなく、破れもないことが嬉

 

 

しく、ホッとする。

 

 

 

 

 以前住んいた部屋の壁紙は、サビが爪を研ぎまくったためにボロボロであっ

 

 

た。 床に置くタイプの猫用爪研ぎを与えても、爪研ぎといったら立ち上がって

 

 

壁紙をガリガリするもんだと言わんばかりに一切使用せず、それどころか、猫

 

 

用爪研ぎの上に乗ることをも拒否する始末。

 

 

そんなサビの頑なな態度に私も根負けし、もはや見守るしかなかったが、注

 

 

意する者がいなくなり解き放たれたサビは、爪研ぎの範囲を広げ、壁紙という

 

 

壁紙で爪を研ぎだし、家中の壁がサビ専用の爪研ぎとなった。

 

 

 

 

 廃墟のようになった壁の前を、壁紙のカスを体中に付着させ我が物顔で歩く

 

 

サビの姿は、まるで不良野良グループの一員のようであった。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな問題児を抱えていた五年前、この部屋に越してきたのだが、いちばん

 

 

の悩みは、やはり壁紙であった。 真新しい壁紙に問題児のテンションが上昇

 

 

するのは目に見えている。 私は、問題児に問題行動を起こさせないような爪

 

 

研ぎ、床に置くタイプではなく、立ったまま研げるような爪研ぎを探した。

 

 

 そこで、これではどうかと購入したのが、このブログにも度々書いている、壁

 

 

に取り付けられるタイプの爪研ぎである。

 

 

 

 

 

 

 爪を研ぐ部分は木の板で、はじめは木で爪を研ぐものなのだろうかと思った

 

 

が、いざ取り付けてみると問題児はとても気に入り、そこでしか爪を研がなくなっ

 

 

た。 いや、テンションが極まったときに壁紙をカリッとすることはあるが、ごく稀

 

 

で、そのような場合でも、すぐに板まで走ってゆき、バリバリと研ぎ始める。

 

 

そして何より長持ちである。 今、使用しているのは五年前に、はじめて取り付

 

 

けたものだ。 五年の月日で板にはサビの爪痕が無数についているが、それが

 

 

またいい塩梅らしく、味になっているのかもしれない。

 

 

 五年前に比べ、すっかり更生したサビ。 木の板で爪を研ぎ終え、体中に木屑

 

 

を付着させ満ち足りた表情で歩く姿は、

 

 

 

 

 

 

まるで、ひと仕事終えた大工のようである。

 

 

 

 

 

亀久

 

 

 

 

 

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今日は、おにぎりせんべいばかり食べてました。