あった。 それは、手の指の関節を ポキポキ と鳴らすことで、しかも、一度ではなく何度
も同じ所を鳴らすことができた。 僕にはそれが大変カッコよく見え、H君を羨望のまなざ
しで見ていた。

ある日、僕はH君に、どうすればそのように指を鳴らすことができるのか尋ねた。 する
と、H君は、しばらく考えた後、何の根拠があるのかは分からないが、
「亀君は、五年生になったら鳴らせるようになる」 と、予言めいたことを言った。
疑うことを知らない、天使のような心を持つ僕は、その予言を頭から信じ込んだ。 そして
忘れなかった。
年月が過ぎ、僕は五年生になった。

もちろん、鳴らなかったわけだが、三年生から五年生になるまでの約二年間、疑うことなく
信じつづけた幼い頃の僕。 純真だったのだなぁ、と、今、あらためて思う。
決してバカだったわけではない・・・・・・・多分。
亀久
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