エンタメジャンキー記録。映画、マンガ、小説など消費したソフトの感想。 -9ページ目

『ジパング』かわぐちかいじ

第二次大戦の真っ只中にタイムスリップした自衛隊イージス艦みらいとクルーたち

その長きに渡る航海の旅がついに完結!


前巻で原爆を海中に沈め、草加との因縁を終わらせた角松洋介



以下ネタバレ



米軍に捕えられた角松と日本の政界に食い込んだ菊地

「見てきた者」たちの暗躍によって日米は終戦に合意

原爆は投下されず、和平条約が締結された

やがて時を経て

老年期を迎えた角松が以降の歴史を回想していく

世界情勢はタイムスリップ前に彼らがいた世界とほぼ変わらなかった

ただ、日本の資本主義はかつて彼らが見てきたそれよりも発展していない

しかしそれは、数百万人の命が救われた未来の代償としては、些細な事なのかも知れない

さらに時を経て、ついに角松たちがタイムスリップした年がきた

かつて戦いで命を落としたみらい乗員たちは、この世界でも新たに生まれ、成長し、みらいへの乗艦を任命された

角松を除く全員が揃い、みらいへと乗り込んでいく

その様子を見守る老人の角松

同じ時代に2人は存在できなかった

生き残った角松だけはこの世界には生まれなかったのだ

歴史の流れは変わらなかった

役割を担う人間が変わっただけだ

だが彼らは、原爆が投下されない未来を築いた

戦争と平和、歴史と人間を描いた壮大な物語が、余韻を残して静かに終わった

『ぼくらの』11巻完結

15体の巨大な敵から地球を守るため

巨大ロボット・ジアースのパイロットに選ばれた15人の少年少女

一回のバトルにパイロットはひとり

パイロットは戦闘後必ず死ぬ

負けたら地球消滅

彼らはこの残酷なルールのもとで戦い続ける

最終章11巻

ついに物語が完結

作中を通して語られてきたテーマ「命の在り方」にひとつの答えを提示した、堂々たる結末だった


最後のパイロットは宇白順
敵はなぜか戦闘の場所に市街地のど真ん中を選ぶ

一般人を戦闘に巻き込むことで、順を動揺させる狙いだった

ジアース最後の戦いが始まった

しかし戦いの最中、敵のパイロットが逃亡してしまう
敵パイロットを殺さないと勝敗は決まらない

順は唯一の解決策を思いつくが、それは恐ろしくも残酷な手段であった…

自分の命を犠牲にしてまで戦う意味や価値を模索してきたパイロットたち

最終巻で戦いが決着した

最終話(後日譚)は、いくつもの謎を明らかにしつつ、余韻を残して幕を閉じる



以下ネタバレ




中盤に明かされた衝撃の事実

敵も同じ地球人だった!

いくつもの別次元がパラレルワールドとして存在しており、敵も自分たちの地球を守るために戦っていたのだ

ジアースが勝利するたびに、「ぼくらの」地球を守り抜くのと引き換えに、どこかの「誰かの」地球が滅亡していたのだ

この設定が物語に一層の深みを与え、本作をさらなる高みへと導いた


誰かの犠牲でつなぐ命

無慈悲に消えてしまう命

命とは何なのか?

それは正解のない問いかけである

15人のパイロットたちはその答えを求めながら、初めて生きている事を実感していった

最終話

案内役だったコエムシが新たなココペリになり、次の15人を新たな戦いへと誘う

これは最終話でありながら次の物語の第一話でもあるのだ

心に不思議な余韻を残す、素晴らしい結末だと思う

本作品のタイトルは
「ぼくらの」

その後に続く言葉は、読者が決めて良いということだろう

地球、戦い、命

あなたならどんな言葉を選ぶだろうか


『バーンノーティス』

一流スパイが突然解雇されて地元マイアミに都落ち

トラブルシューターとしてしょぼい依頼をこなしながら、解雇の真相を探っていく


これが意外にも面白い


なぜ「意外に」なのか

それは期待していなかったから

面白くなさそうだなと思わせる何らかの要因があるから

つまるところそれは作品宣伝の失敗を意味している


24、プリズンブレイクの次はこの男…という触れ込みの本作

しかしこの作品の本質は前2作品とは明らかに異なるものだ

24、プリズンブレイクはいずれも状況設定型サスペンス

一方バーンノーティスは、敏腕スパイが一線級のテクニックを駆使して、しょぼい案件をクリアしていくところが醍醐味

つまりジャンルで言えばハゥトゥものにあたる

まあ作品列記はブランディングだから良しとしても、サスペンスに偏りすぎないようにコピーで遊びを入れるべきだったのでは?

消費者はバカではないから小手先の騙しは見透かされてしまう

宣伝的な騙しを通す場合は、チラ見せして期待感を煽る方法が有効だが

第一話無料見せこみキャンペーンって

そんなことしたら宣伝のウソがバレちゃうでしょう

多分24やプリズンブレイク的なサスペンスを期待して見た人は、肩透かしにあったのではなかろうか

それともうひとつ致命的な失敗がある

パッケージやキーアートのクリエイティブがあまりにもショボいのである

バウアー、スコフィールドの次はこの男!

…と謳っておいて、パッケージには男女二人の全身ビジュアル

女の子の立場は?

映画のポスターって顔やバストアップが多いでしょ

それは引き絵だとビジュアルのインパクトが弱くなるから

全身入れる場合は、背景か人物に物語性が無いとキツい

この男女は、突っ立ってるだけだから何のドラマも感じない

しかも背景の赤黒のマイアミの街も、なんだかどんよりしていて最悪にダサい


宣伝方針に明確な方向性が打ち出せない場合、このような悪例が生じる


新作なのに第一巻を誰も借りてなかった

これは作品のせいではない