エンタメジャンキー記録。映画、マンガ、小説など消費したソフトの感想。 -4ページ目

『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信

前作『いちごタルト事件』の続編である。

非常に面白い作品だった。
中盤までは、いくつかの些細な出来事を小鳩・小山内コンビが推理し解決していく、前作と同じのほほんムードで物語が進む。

が、突然の急展開。

小山内さんが誘拐されるという、大事件が起こるのだ。
ミステリーとしての緊迫感が増して、ハラハラドキドキ、ラストまで一気に読ませる。


前作では「美味しいココアの入れ方」を推理する章が秀逸だったが、本作では、シャルロットという美味しいケーキをひとつ多く食べるために証拠隠滅工作と心理戦が展開される「シャルロットだけはぼくのもの」が最高に面白い。


以下、売り手へのフラストレーションを記載する。


この単行本はジャケットが少女マンガチックすぎて良くない。
これでは男性読者が手を出しにくい。

かといって、女性層に特化したアプローチをしているのかと言うと、そうでもない。
帯のコピーも凡庸だし、内容の面白さが全く伝わってこない。

小市民シリーズとか言われても誰もピンとこない。
「小市民」という単語は自虐的で矮小な響きで聞こえが悪く、むしろネガティブイメージを与えてしまっている。

つまり、ただ単に、客層を狭めてしまっているだけなのだ。
これは非常にもったいない。


私が売り手側(PR)なら、まずジャケットから変える。
イラストなら中性的な質感を出せる繊細なタッチのものにする。(オノナツメ的なの)あるいは写真なら、いちごタルトのアップをライティング決めてコントラストつけて撮らせる。

女性向けだが男性にも嫌悪されないビジュアルにするのが大事。

そのうえで女性層にアプローチするために、「文学史上初のデザートミステリー」とか煽っちゃう。
デザートが嫌いな女性は少ないだろうし、最初は「何それ?」から入っても作品自体が面白いから期待ハズレにはならない。

映画でも小説でもどんな作品にも言えることだが、いかに競合他作品との差別化を明快に打ち出せるかがPRの担う重要なポイントだ。

『春期限定いちごタルト事件』米澤穂信

でしゃばり推理癖のある小鳩くんと

受けた恨みは倍返しの執念深い小山内さんは

二人とも中学時代に、それぞれの性格が原因で痛い目に合ったという、トラウマをひきづっている

同じ高校に入学した二人は、目立たず穏やかな「小市民」として、高校生活を過ごすことを誓うのだが


二人に様々な事件がふりかかる!


女生徒のポーチはどこに消えたのか?

美術部卒業生が残した二枚の絵にはどんな秘密が?

いちごタルトごと盗んだ自転車泥棒の真意は?

などなど

このように書き連ねていくと、しょうもない事件ばかりじゃないかと思うだろうが

甘く見てはいけない

これがかなり面白いのだ

米澤穂信は、ひとが死なないミステリーの名手で

嫌な気分にならないから、ミステリー嫌いの人にもオススメ

会話や文章が自然体で、東野圭吾に肩を並べる読みやすさ

ブレイクしなきゃおかしいくらい優れた作家だ


しかしこのシリーズ…

本屋さんに置いてなさすぎだろ!

アマゾンに頼らず意地でも自力で、と無駄な挑戦の日々が続いた

出かける先々でしらみ潰しに本屋をあたり、全巻バラバラでやっとコンプリート

本当に入手が困難だった

このミス上位作家の過去作品なんだから、増刷して本屋に並べりゃ絶対売れる

しかも米澤穂信作品はどれも内容がすごく良いから、これを機にミリオンセラー作家に押し上げることが出来ただろうに

創元推理社は重大な機会損失をしてまっせ!


ということで、

やっとの思いで全巻(といっても3作品だが)揃えた小市民シリーズの続編に突入する

09年TVドラマ(日本)マイベストテン

1『帰ってこさせられた33分探偵』
2『JIN~仁~』
3『BOSS』
4『ザ・クイズショウ』
5『MRブレイン』
6『相棒8』
7『ブザービート』
8『銭ゲバ』
9『任侠ヘルパー』
10『臨場』

だいたいのドラマの第一話は見る。面白かったら続けて二話以降も見る。

09年は全体的にドラマ不作の年だった。


1位はもちろん
『帰ってこさせられた33分探偵』
何でもない事件を放送時間の33分もたせる名探偵!鞍馬六郎がゆる~くパワーアップして奇跡のカムバック!次は映画で99分探偵を希望…って99分もつかな?

『JIN~仁~』
凄く上質なドラマだった。毎回泣かされた。この原作に目をつけた石丸Pの慧眼はすごい。

『BOSS』
毎週楽しめた。特別捜査室のメンバーたちのキャラが濃すぎて面白かった。シーズン2に期待。(熱望)

『ザ・クイズショウ』
一週ずつ真相が明かされていく、最近ではなかなか見られない挑戦的かつ実験的な作品。桜井くんの怪演に魅了された。

『MRブレイン』
もうちょい見たかったからこの順位に。木村拓哉さんが変人キャラ九十九を絶妙な軽快さで演じて、毎週楽しませてくれた。長いセリフのシーンを、あれだけの説得力を持って演じるのは本当に凄い技術。そして技術は経験と修練によって高められる。人には見せないが貪欲に挑戦と努力をし続けていると思う。カッコいいはずだ。

『相棒8』
毎回ぶれなく面白い。ミッチーは前の相棒よりキャラ立ちしてて個人的には好感。

『ブザービート』
なんだかちょっと前のトレンディドラマみたい…とか文句いいながらも結構楽しんだ。個人的に応援している山Pは、信じられないくらい純粋で本当に気持ちよい俳優さん。がんばれ山P!今後も応援します!

『銭ゲバ』
毎週ブルーな気分になりながらも目が離せなかった。松山ケンイチって、いい俳優だなあ。

『任侠ヘルパー』
粗野で不器用なヤクザヘルパーが、介護問題に熱くなってタンカを切るシーンに、毎回感情移入した。草薙剛って、いい芝居するなあ。こんな役もできるんだ。主役が張れるカメレオン俳優って実は少ない。


『臨場』
骨太の日本版CSI。最近の内野聖陽は男っぽくて凄いカッコいい。JINの坂本竜馬はエミー賞級の名演。

以下、圏外のドラマたち

『キイナ』
予想外に面白かったが、ちょっとタンパク。決め手に欠ける。

『救命病棟24時』
ちょっと期待しすぎた。高揚感に欠けた。

『官僚たちの夏』
しっかりした作りのドラマだったが話が進まず途中で飽きた。

『東京DOGS』
小ネタは好きだったが肝心の物語が微妙。第一話のテンションが続かず二話目以降ストーリーが停滞し、退屈だった。

『スマイル』
日本版ショーシャンクを期待したがひたすら辛気くさかった。俳優陣が素晴らしい演技を見せていただけに残念。

『赤鼻のセンセイ』
大泉さんはもっとハジケさせないとダメだ。

『メイちゃんの執事』
ちょっとこっぱずかしかった。水嶋ヒロと佐藤健はいいけど、他のイケメンたちが小粒すぎ。