エンタメジャンキー記録。映画、マンガ、小説など消費したソフトの感想。 -27ページ目

『フィッシュストーリー』

風が吹けば桶屋が儲かる

を、伊坂幸太郎が小説にすれば


売れないロックバンドの歌が地球を救う

に、なる。

なんじゃそりゃ、と思うだろうがホントに救うのだからしょうがない


中村義洋監督は伊坂作品と相性が非常に良く

ともすると荒唐無稽、奇想天外なストーリーを違和感なく最後まで見せる

現代の空気感を作品の中に閉じ込めるのが上手いんだろう

前作『アヒルと鴨のコインロッカー』も傑作だったが、本作も素晴らしい出来栄えで

伊藤淳史、高良健吾、森山未來、多部美華子、大森南朋らが、まさに適材適所、絶妙にキャスティングされており

彼ら登場人物たちの魅力を余すところなく映し出す

先の読めない展開に良い意味で翻弄されながら、ハラハラドキドキ感を楽しんでいると、最後には感動のカウンターパンチでやられてしまう

楽しくて、ちょっとホロリとさせられる素晴らしい映画だった


内田けんじ監督『アフタースクール』しかり、複数の登場人物の行動をザッピングさせながら大筋を語っていくという、短編連作的なストーリーテリングは、飽きっぽい僕には完全にツボで

同じ理由から、かつてのタランティーノ作品も大好き

そして前作同様、映像化が難しそうな原作を、娯楽映画として成立させる監督の手腕は見事で

伊坂氏は中村監督を絶賛しており、自分の小説は全部彼に映像化してほしいとリクエストするほどだそうな

まもなくクランクインを迎える『ゴールデンスランバー』も期待大だ


余談だが、伊坂作品『終末のフール』は、世界滅亡のカウントダウンを迎えた人々の悲喜こもごもを描いており、『フィッシュストーリー』の前日談として読むこともできる

ちょっと哀しい小説なのだが、続けざまに『フィッシュストーリー』を読むと、最後にはハッピーになれて2倍お徳だ

これから読む人にはフール→フィッシュの順番で読むことをオススメする


『バーンアフターリーディング』

コーエン兄弟最新作

ジョージ・クルーニー
ブラッド・ピット
ジョン・マルコヴィッチ
フランシス・マクドーマンド

そうそうたるメンバーで贈る

バカげた話

マルコヴィッチ演じるCIAのアナリストがリストラされて暴露本を執筆

そのテキストデータを国家機密と勘違いしたブラピ&マクドーマンドのジムインストラクターコンビが、政府機関をゆすろうとするのだが…

そこに元シークレットサービスのクルーニーが絡んで

とっちらかってしまうというストーリー


描写の省略が大胆で、ラストなんて、一連の騒動がいかに決着して登場人物たちがどうなったのか、第三者の会話でさらっと説明して終わってしまう

物語のクライマックスシーンをあえて描かない

そのあたりがいわゆるコーエン節であり、妙味でもある


そういえば『レザボアドッグス』も銀行強盗シーンを描かない銀行強盗たちの映画だった


本作はどうやらクライムコメディ?として作られたらしく

それにしては笑えない

そもそもコーエン兄弟のユーモアセンスってかなりギリギリラインだと思う

フィルモグラフィを振り返ると

『オー!ブラザー』
『ビッグ・リボウスキ』
『未来は今』

どれもハズシてる

…嫌いじゃないんだけど


スベり具合が逆に痛快な『赤ちゃん泥棒』くらいまでいっちゃうと面白い

まあ、なかなか面白かったかな…ぐらいの映画だがブラピの××シーンは唐突すぎて爆笑した

『天使と悪魔』

ローマ法王が逝去したヴァチカンで、次の法王候補者4名が誘拐された

犯人グループは、ヴァチカンの歴史上の仇敵・秘密結社イルミナティを名乗り

謎のメッセージを送ってきた

指定された時間までにメッセージを読み解かなければ、反物質爆弾で都市ごと吹き飛ばされてしまう


というわけで

宗教象形学の第一人者であるラングドン教授が登場


前作『ダ・ヴィンチコード』同様に、すごいスピードで物語が展開する

矢継ぎ早に提示される謎を、ラングドンがガンガン解き明かしていくので

置いてきぼりをくらわないよう、ついていくのに精一杯

考えている間もなく、推理する楽しみはない


とは言いながらも

ロン・ハワード監督による、娯楽のツボをはずさないメリハリのきいた演出は絶妙で、めちゃめちゃ説明セリフが多い映画なのに退屈させない

そしてトム・ハンクスはさすがの貫禄だ

専門用語を説明してばかりの役なのに、さじ加減を間違えない的確な演技で、主人公に人間味を持たせている

ユアン・マクレガーはちょっと一本調子な印象だが、ハンクスと比べちゃ可哀想
かなりがんばってる

それよりヒロインの見せ場が無い。彼女はストーリー上、必要なかったように思うが…


反物質、コンクラーベ、ガリレオ、四大元素、イルミナティ、オベリスク…

これだけ多くの要素をひとつのテロ事件にぶちこんでるわりに、ストーリーはシンプルで分かりやすくまとまっている

物語の衝撃度や面白さは前作のほうが上

でも映画としての完成度は本作が勝っている

大作ならではのスケール感もたっぷり、メジャー映画の醍醐味を堪能できた