北森鴻氏の『緋友禅』旗師・冬狐堂 読了。
冬孤堂の屋号で店舗を持たずに商売をする骨董のバイヤー・宇佐見陶子シリーズ初の短編。
「陶鬼」
「「永久笑み」の少女」
「緋友禅」
「奇縁円空」
4つの短編がそれぞれに完結している。
北森鴻氏の筆力にはオドロクばかり。
描写が美しく、気がつけば北森氏の世界に引き込まれている。
骨董業という馴染みのない魑魅魍魎の世界で生き抜く宇佐見陶子のエネルギーある行動に圧倒されるばかり。
魅力的な登場人物、骨董業の闇の深さと駆け引きのおもしろさ、隠された謎、どの作品もオドロキの結末で、読者を圧倒させる鋭さがある。
オススメの一冊。