北森鴻『狐闇』読了。
『狐罠』の宇佐美陶子シリーズの続編。
魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐見陶子の運命は変わった。市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とす者が続出。陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。狡猾な罠を仕掛けたのは誰か・・・・・・。
今回は歴史ミステリー。
「狐罠」でも北森氏の筆力にすぐ引き込まれたが、更に壮大なストーリーで先が気になりページを捲る手がとまらなかった。
骨董世界の裏と、歴史を絡ませているとこが面白い。
ただ、背景が壮大すぎて、後半はちょっと難しかったかな。
身に危険が及ぼうとも、試練を乗り越え真相究明に乗り出す宇佐美陶子。
感情移入はできなかったが、強さに魅力を感じた。
事件解決に協力する仲間達との複雑に絡み合う人間模様が実に面白い。
登場人物がみなとても魅力的なのも
なぜなら、作品に登場する人物が他の作品には主人公になっている。
次はこの作品にも登場した三軒茶屋のビアバー「香菜里屋」(カナリヤ)のマスターが主人公になっている作品か、民浴学者・蓮丈那智のシリーズを読んでみたいな。
すっかり北森鴻作品に夢中。