ラハイナルナ | ハワイアン・メレの世界

ハワイアン・メレの世界

「メレ」とはハワイ語で歌、もしくは詩という意味。
フラを始めて、曲の内容をより知りたいと思い、書いています。

 「ラハイナルナ」というメレが二つある。

 ひとつは、「アイル・リメンバー・ユー」を書いた、クイ・リーの作品だ。

上海生まれで、スコットランド人、ハワイ人、中国人の血を引く。

両親ともエンターティナーであった影響か、彼はティーンエイジャーのうちから曲を書いていた。

聡明な子供であったのに、度々、学校を抜け出してサーフィンを楽しんだりして、退学になっている。

アメリカ合衆国のコーストガードとして2年務めた後、クイ・リーは旅にでる。

本土に渡った彼はナイフ・ダンサーとして、ロスアンゼルス、ニュー・ヨーク、そしてプエルトリコを旅して回っている。

サモアン・ダンサーとしてエド・サリバン・ショウにも何度か出演したこともあるそうだ。

 

エンターティナーとして旅にでることが多かった彼は、懐かしく故郷ハワイを思う機会が度々あったのだろう。

この「ラハイナルナ」も「アイル・リメンバー・ユー」にもその気持ちが強く表れているように思う。

 

 

 

 

 渓谷の島へ行こう

 ラハイナへ、ラハイナルナへ

 山々が緑の島へ

 君は私を見つけるだろう

 ラハイナで、ラハイナルナで

 

 コーラス

 皆はマウイが一番と言う、

 私もそう思う

 マウイは一番で、

 私にとって唯一の場所

 

 その海辺で君は私を見つけるだろう

 月の出や、きらめく星明りを見つめながら

 日の出を、そして金色に輝く夕焼けを見つめている私を

 ラハイナで、ラハイナルナで

 

もうひとつの「ラハイナルナ」は。ケアリイ・ライシェルのアルバム、「ケアラオカマイレ」に入っている、アルバート・カレイキニの書いた、同名のメレだ。

ケアリイはラハイナルナ高校の1980度生で、フラやチャントを初めて習ったのがここであったとライナーノーツ書いている。彼はこの曲を生徒の将来のために勤勉に辛抱強く働く、すべての先生方にと捧げている。

 

ラハイナルナ高校はラハイナ(マウイ島)にある9年生から12年生までの公立高校である。

1831年にアメリカ式の教育の必要性をとく、プロテスタントの宣教師たちによって、創立され、当初はラハイナルナ神学校と名付けられた。

ラハイナルナには全寮制のプログラムがあり、離島から来た学生がキャンパスのいずれかの寮に住み込みで勉強することができる。

その見返りとして、彼らは景観の維持、家畜の世話、カフェテリアでの学生食作りなど、キャンパス周辺のさまざまな仕事をする。

ラハイナルナは全米でも数少ない公立の全寮制学校である。

 

標高2,000フィート地点のラハイナを見下ろすプウ・パウ・パウの丘の中腹に、30フィートのラハイナルナを表す「L」の文字がある。

ラハイナルナの寮生たちは年に2回、それに白い石灰を塗り直す。

彼らは、50ポンドの石灰袋を現場まで運び、雑草を取り除き、現場をきれいにする。

晴れた日には、モロカイ島から石灰を塗ったばかりの「L」の字を見ることができる。

石灰が使われているのは、自然で生態系を妨げないという理由からだ。

 

 パンノキの影につつまれるレレ(それは一番)

 丘の山頂は美しく(堂々としている)

 キリキリフネの細かい雨粒に濡れて(ハーロナの)

 雨はパライ(シダ)を濡らす

 

 コーラス

 おー、ラハイナ、美しいラハイナルナ

 太平洋の惑星

 ランプの火は(消えることが無い)

 カウアウラの激しい風に吹かれても

 カウアウラの激しい風に吹かれても

 

 丘の上の新鮮で冷たい水よ(蛇口から出る水は)

 夜に優しくせせらぐ(優しくせせらぐ)

 丘の上で鳥がたくさん水浴びをする(カウカウェレで)

 そして、ベルのなるのに耳をすます

 

三番にある鳥というのは生徒のことで、水浴びをしながら始業のベルのなるのを待つ様子だそうだ。

 

♬ Lahainaluna by Dennis Pavao

 
♬ Lahainaluna by Kealii Reichelle

 

 

参考資料

Kui Lee - Wikipedia

Lahainaluna High School - Wikipedia

Lahainaluna - Huapala