頭金(その4) | カクザンのブログ(岡山市の親子将棋教室)

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子どもたち、保護者の方に、将棋の楽しさ・魅力をお伝えします。次回教室は高島特別教室が6/30(日)、津山おもちゃ図書館特別イベントが7/7(日)の予定です。

今回はいきなり問題です。下の問題図をよくみて、先手の次の一手を考えてください。

 

(問題図)

 

今回は持ち駒が「金」と「銀」です。この場合、どちらから打っていくのが良いのでしょうか?まずは前回と同様に「金」から打ってみることにします。

 

○問題図以下の指し手(失敗例):▲5三金、△6一玉(途中図1)、▲6二銀、△7二玉(失敗図)

 

▲5三金は次の▲5二銀までの「詰めろ」となっていますので、後手は△6一玉(△4一玉も可)と逃げます(途中図1)。

 

(途中図1 △6一玉まで)

 

しかし、次に▲6二銀と打っても△7二玉(失敗図)と逃げられて、後手玉はつかまらなくなってしまいました。最終手の▲6二銀は「頭銀」ですが、ここは▲6二金と「頭金」を打たないと詰まないのです。

 

(失敗図 △7二玉まで)

 

ということで問題図に戻ります。こんどは「銀」から打っていきます。

 

○問題図以下の指し手(成功例):▲5三銀(途中図2)、△6一玉、▲6二金(成功図)

 

(途中図2 ▲5三銀まで)

 

▲5三銀(途中図2)は次に▲5二金までの「詰めろ」となっているので、後手は玉を逃げなければなりませんが、△4一玉には▲4二金までの詰み。△6一玉には▲6二金(成功図)まででやはり詰みます。

 

(成功図 ▲6二金まで)

 

今回の問題図のポイントは、持ち駒の「金」を最後に残しておくところにありました。これには大変有名な格言があります。「金はトドメに残せ」です。持ち駒に「金」が残っていたからこそ、トドメに「頭金」を打つことができたわけですね。

 

前回、「詰めろ」と「必至」の説明をしましたが、実は、途中図2の局面ですでに後手玉は受けなし、すなわち「必至」がかかっているのです。実戦対局だったら、この時点で先手玉に詰みがない限り先手の勝利が確定ということになります。上級者どうしの対局になると、相手玉を詰まして勝つことよりも、「必至」をかけて勝つことが多くなります。

 

今回ご紹介した「金はトドメに残せ」という格言はとても重要ですので、ぜひ覚えておいてください(覚えられない方は50回唱えてみてください)。

 

 

 

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