ここ横須賀では台風一過、よく晴れています。
まだ波のドドーンというすごい音が、
部屋の中まで聴こえてきます。
日本人の自然観には台風が大きく影響しているのではないか、
という考え方があります。
農作物や建物など一生懸命ちゃんと作ったとしても、
台風という大きな災害には太刀打ちできないですものね。
それでも秋の収穫時期になると毎年やってくる、
人知ではどうしようもない自然の力。
今年はたいしたことはないといいが、と願うしかできないです。
そんな気候風土で営みを続けてきた日本人がこの風土を受け入れて、
自然に対して畏怖の念や無情感を持つようになった、という考え方は
わかる気がします。
西洋の自然観は自然は克服するべきものであり、
東洋の自然観は「自然とはおのずからしかるべくあるもの」である。
これは禅の大家、鈴木大拙が
「東洋的なるもの」という講話で語ったもの。
自然とのつき合い方の違いを述べたくだりです。
たしかにこの違いは、
西洋と東洋の健康に対する考え方など、
さまざまなところに現れていると思います。
そして「おのずから」を受け入れつつ生きていく中から、
「わびさび」や「散る桜が好き!」という日本人の美意識も
生まれてきたのでしょうね。
自分の中にもあるこんな感性が、
実は台風の影響で生まれている…、
なんていう視点、面白いなーっと思いました。
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覚技ワークス主宰 新海正彦